フルネのモーツァルト
久しぶりに、新譜CDの覚書き。
ここ何ヶ月かの間に買って、暇があったらブログネタにしたいCDというのが何枚かあるのだけれど、なにしろ暇がない。
それでも、取り急ぎこれだけは。
モーツァルト/交響曲第35番「ハフナー」、第39番、第40番
ジャン・フルネ指揮 東京都交響楽団(Fontec/FOCD9350)
ジャン・フルネ(1913.4.14-)。フランス音楽の正統を受け継ぐ大指揮者。長く都響の名誉指揮者を務め、私自身が最も多く実演に接した、また最も敬愛する音楽家の一人である。
2005年の暮れに東京で引退公演を開催、永く記憶に残るであろう感動的な演奏会となった。勿論私も聴きに行きました(こちらにエントリが残っている)。
今般、Fontecからフルネと都響とのライブCDが3枚発売された。(近日中にもう3枚発売されるようだ)
今回発売の中では、ドビュッシーの三大管弦楽曲(牧神の午後への前奏曲、夜想曲、海)を1枚に収めたCDにも勿論、惹かれるけれど、私にとってはまずはモーツァルトだ。
フルネといえばなんといってもフランス音楽の大家で、発売されているCDもフランス音楽が多く、実際素晴らしいのだけれど、実はフルネさんのモーツァルトを心ゆくまで聴きたい、というのが、私の長年の渇望だったのだから、まさに待望久しい、というところ。
特に発売を目的として録音されたものではなく、定期演奏会の記録として残っていた音源からCD化されたもので、当然ながらほぼ完全無修正ライブと思われ、遠慮のない咳の音とかも所々に入っているけれど(^^;、それでもなんと瑞々しくて豊かな音楽だろうか。
遅めのテンポによるオーソドックスな演奏で、今となっては懐かしいような解釈だけれど、決して重くはない。むしろ、するするとなめらかに流れていく音楽で、そういうところはやはりフランス人なのかなあ。
弦セクションの艶やかな響きは、現在の都響にも引き継がれている美質だと思う。
「ハフナー」(1991年11月)と39番(1994年12月)の時は、私も客席で聴いていた。
こんなモーツァルトが、東京のオーケストラの定期演奏会の場で、当り前に聴くことができていた時代が、つい最近まであったのだ。
フルネさんのフランスの指揮者としての真骨頂は、他の指揮者はなかなかやらない(出来ない)ような、フランス近代のお洒落で魅力的な小品を連ねたプログラムで発揮されることが多かった。
そして、そういうプログラムの最初に、さりげなくモーツァルトやハイドンが置かれていることが多くて、それがまた良かったんですね。
たとえば、ここに収録の「39番」が演奏されたときのプログラム。
東京都交響楽団 第401回定期演奏会
1994年12月21日 サントリーホール
指揮:ジャン・フルネ
W.A.モーツァルト/交響曲第39番
S.スクロヴァチェフスキ/イングリッシュホルン協奏曲(独奏:ミリアム・ジェイクス)
M.デュリュフレ/3つの舞曲
J.イベール/交響組曲「寄港地」
こんなプログラムの演奏会が今あったら、すぐにでもチケット買っちゃうな、きっと。
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あ、そのコンサート、行きます!(って、もう14年も前なのかぁ)
そして、チラシが素敵です。
フルネ師匠のモーツァルト、買います。というか、6枚全部買います。えへへ。
投稿: よねやま | 2008.03.22 11:45
勿論、私も6枚全部買うことにはなると思いますが、一番見過ごされそうなものをこの際プッシュしておこうと思いまして。
ベートーヴェンの「田園」も楽しみ。(これはまだ買っていない)
投稿: Thunder | 2008.03.23 00:43