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2007.11.15

シュターツカペレ・ドレスデン

NHK音楽祭2007-ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(NHKホール)

ウェーバー/歌劇『魔弾の射手』序曲
ワーグナー/歌劇『さまよえるオランダ人』より「外国のお客を迎えてくれ」
 Bs:クルト・リドル(ダーラント)
ウェーバー/歌劇『オイリアンテ』序曲
R.シュトラウス/歌劇『ダナエの愛』より第3幕の前奏曲とフィナーレ
 Br:ハンス=ヨアヒム・ケテルセン(ジュピター)
ワーグナー/楽劇『ワルキューレ』第1幕
 Sp:エヴリン・ヘルリツィウス(ジークリンデ)、Tn:ウォルフガング・シュミット(ジークムント)、Bs:クルト・リドル(フンディング)
 指揮:ファビオ・ルイージ

スウィトナーのモーツァルト(なかでも「ハフナー」と39番)、ブロムシュテットのベートーヴェンとシューベルト、サヴァリッシュのシューマン、等々、録音ではこの30年来親しんできた、来年創立460年を迎えるというヨーロッパ最古のオーケストラのひとつ、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ドレスデン)。
はじめて、生で聴いた。
感激。

古い伝統あるオーケストラ、といっても、決して古臭くはない。
むしろ逆。このNHKホールという広大な空間を鳴らし切る「駆動力」にかけては、今まで聴いたことのあるどのオーケストラよりも上かもしれない。(残念ながらその点では)先週聴いたパリ管など敵ではない、ってところだ。
しかも、単に物理的に音量が大きいというだけではない、わぁーっと沸き立つような、いかにも劇場のオケという「ざわざわ感」(って何だ)を含んだフォルテに、痺れる。
それでいて、音色的には北米のオーケストラのようなダークなものではなく、むしろ、明るい。(そのことはCDで聴いていても感じる)
ワーグナーの途中何ヶ所かには、フランス印象派もかくやというような輝かしい色彩感を描き出すスコアリングがあるけれど、見事、としか言いようがないです。

最初演奏が始まった時の第一印象は、あっ、N響に似てる、というものだった。
普段聴いている3階席ということもあるのか、興が乗ったときのN響というのはこれに近い感じだなあ、と思った。
N響というオーケストラが、サヴァリッシュやスウィトナーやシュタインなど、このドレスデンのようなオーケストラの音の方向性をイメージする指揮者たちによって鍛えられたオケなんだな、ということが判る。
勿論、本家本元を聴いてしまうと、N響がある種の精巧なイミテーションであることもまた、判るのだが。

休憩後は、「ワルキューレ」の第1幕を全部。
1時間以上にわたって全く音が途切れず、ところによっては室内楽みたいな緊張した時間が続く音楽だけれど、彼らにとってはこういうの、朝飯前なんだろうな。
歌に関しては私は素人だけれど、歌い手さん達もなかなかのものだと思った。
バス歌手のかたの声なんか、すごい響き方で、3階で聴いているという感じが全然しない。なんか、もっと近くのそのへんで歌っているみたいな雰囲気だ。

終演後は、ライトモティーフに頭の中が占領されておりました。
公園通りの雑踏のなか坂を下りながら、ノートゥングの動機やジークムントの動機が口をついて出てくる。
怪しいぞ。

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コメント

前に書いたようにパリ管同様、同席していました。
私は幸運なことにシュターツカペーレ・ドレスデンは3回、実演に接しておりますが(めったに聴かない外来オケのうち最多)、特に、今日のワルキューレはすばらしいと感じました(毎回ドレスデンは本当にすごいのですが)。

Thunderさんの「駆動力」という表現には全く同意です。あのオーケストラ独特の濃密な歌心を持った推進力は他のオケではなかなか出会えないもののように感じます。またThunderさんが「ざわざわ感」と表現していますが、私も、あの感覚が「あ、ドレスデンだ」と当地の「風」を感じる瞬間で、それを毎回、楽しみにしているところがあります。

ちなみに以前にドイツに行って、現地で最後に聴いたのがドレスデンのジークフリートで、帰ってきてすぐに在京オケの演奏を聴いた時の響きの違いに唖然としてしまった記憶は結構衝撃的でした。

私の中ではワルキューレの冒頭がエンドレスで鳴っています。これも怪しいですね。

はじめまして、私も同じ空間を楽しみました。
ざわざわ感、明るさ、N響。確かに同感です。
ドレスデンのイメージというと、音源におけるサヴァリッシュやスゥイトナー、ケンペのものですが、一様に明るいですね。
ルイージとは、いいコンビになりそうです。
以前ハイティンクの指揮でのブル8で、その圧倒的な音量に驚きました。
素晴らしいオーケストラであります。
失礼ながらTBさせていただきました。

今回は聴きにいけなかったのですが、2年くらい前に私もシュターツカペレ・ドレスデンの演奏を聴きました!演目はブラームスの1番でしたが、私が聴いた演奏会でベスト3に入るとてもすばらしい演奏でした。明るい演奏というご指摘、まさにその通りだとお思います。明るくて柔らかい弦楽器群の音色が思い出されるようです。
それでは、またコンサート評、楽しみにしています。

>Isaacさま
2度も同じ会場に居ても、あれだけ人が多いと、なかなか遭遇出来ないようで…
ドイツで聴かれたとは、うらやましい。

たしかに、東京のオーケストラとは、違いますね。
そもそも、あのような方向性を志向するオケというのが東京には、N響と、ちょっと違うけど東フィルくらいしかないんじゃないでしょうか。

>yokochanさま
はじめまして。コメント有難うございます。
あの空間を共有できたことを嬉しく思います。
そう、ケンペのシュトラウスもありました。
また、どこかでご一緒できますように。

>タビビトさま
ブラームス良さそうですね。
このオケだったら今度の機会にはブラームス聴いてみたいです。

生で聴いたなんてうらやましい。ドレスデンは、僕がもっとも好きなオケのひとつです。あの渋い響きを出しながらあの駆動力・・・。理屈や機能を超えた世界ですね。R・シュトラウスなど、最初は機能性抜群のアメリカのオケの演奏を聴いてばかりでしたが、ブロムシュテット・ドレスデンの「英雄の生涯」を聴いて以来、もっぱらドレスデンで聞いてます。

そういえばken師は昔から、ドレスデンが好きだと仰ってましたね。

ウチにあるCDをいろいろ聴き返しているところです。

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