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2007年10月

2007.10.31

サー=ネヴィルのジュピター

Tirasi071029サー=ネヴィル・マリナー指揮のN響で、モーツァルトの「ジュピター」を聴いた。(10月29日、サントリーホール)

前プロに堀正文さんの独奏でヴィヴァルディの「四季」全曲があったんだけど、職場を出ようとした直前に予想外の事態が発覚してぶっ飛んでしまった(>_<)
演奏者としての堀さんはあんまり好きなタイプではないので(リーダーとしては凄い人だと思うけれど)、まあいいか(これは一種の負け惜しみだな)。

とにかく、(少なくとも私にとっては)真の巨匠、指揮者の中の指揮者サー=ネヴィルの、モーツァルトである。
素晴らしいモーツァルトだった。

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2007.10.30

いろいろな再会

台風の過ぎ去った28日(日曜)。よい天気。

11月3日に、サクソフォンカルテットで小さな本番(お祭り・賑やかし系)をすることになって、その練習のため、戸塚へ。
戸塚駅で降りたのは25年ぶりくらいかもしれない。昔の面影は、綺麗さっぱりなーんにもなくて、茫然とする。

初対面の方1人を含む一発メンバーながら、あとの2人はうちのアンサンブルで馴染みのメンバーということもあり、全く問題なくすらすら練習が進む。
2時間の練習時間で、皆で持ち寄った山のような色物楽譜(むかしの東亜音楽社系の出版譜から、いかにも出自の怪しげな手書き譜まで)を片っ端からひととおり音出し。だいたいの曲目が決まったところで時間。あとは当日。

午後は横浜みなとみらいへ移動。
クラノワという、私の顔見知りがたくさん乗っているクラリネット合奏団の演奏会へ。

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2007.10.28

レッツエンジョイ島送り(笑)

Shima-Pooh_07102727日のこと。
なぜか唐突に現れた台風(20号)が不気味に近づきつつある中、しまっぷー先生のコンサートへ急ぐ。

レッツ エンジョイ!
大栗司麻(Sax)-ちょっとすてきにサクソフォーン(スタジオ1619

R.プラネル/プレリュードとサルタレロ
D.ベダール/ファンタジー
P.モーリス/プロヴァンスの風景
R.バーンスタイン/「ウェストサイド・ストーリー」より マリア、アメリカ
R.シューマン/アダージョとアレグロ
 Pf:花房伸江

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2007.10.26

太郎、じゃなかったタロー!

忙しかった週の最後に、素晴らしいコンサートをきく。

Tharaudアレクサンドル・タロー(Alexandre Tharaud) ピアノリサイタル(王子ホール)

F.クープラン/クラヴサン曲集より
ロジヴィエール、信心女たち、葦、プラチナ色の髪のミューズ、神秘的なバリケード、奇術、双生児、パッサカリア、さまよう亡霊たち、「凱旋」より 戦いの響き、シテール島の鐘、ティク-トク-ショックまたはマイヨタン(オリーブしぼり機)
J.P.ラモー/新クラヴサン組曲ト調(クラヴサン曲集第2集・第5組曲)より
同 /新クラヴサン組曲イ調(クラヴサン曲集第2集・第4組曲)

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2007.10.24

J.フェルドの訃報

先日届いたSaxophone Journal(Nov/Dec.2007)をぱらぱらと読み始めたら、ユージン・ルソー氏による、チェコ出身の作曲家J.フェルド(Jindřich Feld)の追悼文が目に止まった。
知らないあいだに亡くなられていたらしい。(2007年6月8日没)

フェルドといえば、ルソー氏と共にあるような印象の作曲家だった。記事中には、代表作「アルトサクソフォンとピアノのためのソナタ」の、1991年2月東京での世界初演についても触れられていた。
会場はたしか津田ホールだったと記憶する(私も聴いていた)。海外のサクソフォン奏者の中でもおそらく来日回数が一番多いルソー氏だが、東京の大きなホールでのちゃんとしたリサイタルというのは、この20年間でこのとき1回しか開催されていないはずだ。
この「ソナタ」は、知る人ぞ知るというなかなか面白い曲で、服部さんや彦坂さん、原博巳さん等がリサイタルでとりあげていたのを聴いたことがある。(追記:服部さんはCDにも録音している。ちなみに上記の初演時のピアノは服部真理子さんだった。)
ヤナーチェクみたいなこういうpoco無国籍な面白さは、フランス物のレパートリーが幅をきかす日本のサックス界ではいまいちメジャーになりきれないのかもしれない。
他にも、デファイエQ.の委嘱で書かれた「サクソフォン四重奏曲」(1983初演)なんてのがあるらしい。

Rousseau-Feld

ユージン・ルソー他による、J.フェルド作品集のCD(RIAX)。

2007.10.23

金・都響・シュトラウス

TMSO, 071022東京都交響楽団 第650回定期演奏会(東京文化会館)

R.シュトラウス/歌劇「サロメ」より 7つのヴェールの踊り
同 /メタモルフォーゼン
同 /交響詩「ドン・キホーテ」(Vc:アルト・ノラス、Va:鈴木学)
 指揮:金聖響

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2007.10.22

久々の新井さんソロ

Yasushi Arai, 071021新井靖志 Saxophones Salon Concert(アーティストサロンDolce)

ドビュッシー/ラプソディ
プッチーニ/トスカ・ファンタジー
シューベルト/「しぼめる花」の主題による序奏と変奏
シューマン/3つのロマンス
ケックラン/ジーン・ハーローの墓碑*
ショスタコーヴィチ/4つのワルツから* 3、4
スパーク/パントマイム
 Pf:渡辺麻里、Fl:白石法久*

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2007.10.21

そうかい。

20日(土曜日)。
演奏会終了後初のアンサンブル練習日。
出席人数は少なめだったけれど、今後のためのネタをいくつか吹き倒し。
モーツァルトのハ短調五重奏曲(K406。木管八重奏の「ナハトムジーク」の五重奏版)が、新鮮。正真正銘、モーツァルトの世界だ。…第1楽章だけは比較的しばしば本番に乗せたことはあったけど、4つの楽章全部吹いたのは初めてかも。古典派は全曲やらないと意味ないなあ、と痛感。

終了後は定例総会。
外の会議室を取ってあったのだが、人数が少なかったのでキャンセルして、普通にお食事会となる。
横浜そごうの上の釜飯屋さんに入ったら、個室に通してもらえた。ラッキー。人数少ないときの総会はここでいいじゃん、などと言いつつ、話し合いに興ずる。
決まったことも色々あり、有意義でした。来年へ向けての新しいプロジェクトの詳細は、今後おいおい明らかになるでしょう。

食べ終わった後もずっと話し込んでいたら、店の人が妙に頻繁に「お茶のおかわりはいかがですか」と来るようになって、これはそろそろ出ていけという合図かな、と思い(実際そうらしいですね。その業界の方によると、同じ人が何度も行くと「さっき来たばかりだろ、」ということになるので、違う人が交替で伺いに行くんだとか)、解散。

楽しき音楽的「仕込み」の季節が、今年もやってきた。

2007.10.19

16日のリリアホール

16日の続き(ひとつ前のエントリ参照)。
6時からピアノ合わせというしまっぷー先生と別れて、こちらは川口へ。

TQ 2007トルヴェール・クヮルテット 結成20周年記念コンサート3days 追加公演(川口リリア・音楽ホール)

長生淳(ハチャトゥリアン原曲)*/カインド・オブ・ガイーヌ
シュミット/サクソフォン四重奏曲
デザンクロ/サクソフォン四重奏曲
長生淳(モーツァルト原曲)*/モーツァルトはなべてこうしたもの
ピアソラ*/ブエノスアイレスの冬
長生淳(ホルスト原曲)*/トルヴェールの『惑星』より「木星」
長生淳(ビゼー原曲)*/カルメン・ラプソディ
 Pf:小柳美奈子*

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2007.10.18

人形町にて

16日のこと。

休暇を取って、人形町へ。
浜町の好文画廊で今日から始まった平岩攻遺作展という展覧会にて、しまっぷー先生と、夏の発表会でピアノを弾いていただいた西川さんとが演奏されるということで、お邪魔してきた。
遺作展の主は、しまっぷー先生の同郷、小中学校の同級生のお父さんだったそうだ。

沖縄を描くことに情熱を傾けていた故人に因んで、「涙そうそう」に始まり「島唄」にいたる、沖縄の曲いくつか。
間には、「ヴァカンス」も聴けた。
厚い、しかしからっと乾いた西川さんのピアノの和音と、しまっぷー先生のまっすぐ飛び込んでくるサクソフォンの音が、快い。

一昨日までいた、小豆島の乾いた空気を思い出した。
故人の描いた島の風景も、なんとなく共通する雰囲気があって、いつもより近しく感じられる。

昔はよく、休暇を取って文化村や上野の展覧会に行ったものだった。
土日に行くと、混んでいて絵を見るどころではなかったので、見たいものは平日の午前にゆっくり見るのが常だった。
そんな優雅な生活も、ずいぶん昔の話となったが。
たまには、いいものだ。

演奏終了後、西川さんに挨拶しようと思っていたが、持ち込みの電子ピアノをすごい勢いでばらして搬出しているのを「あ…」と見ているうちに声をかけ損ない、気がついたら帰ってしまわれていた。
夏の発表会のときも、終演後はあっという間にいなくなってしまったので、ちゃんと挨拶する暇がなかったのだった。
ピアニストという方々には、我々管楽器吹きのような、演奏や練習が済んだ後もダラダラとそのへんにタムロしてウダウダするというありがちな行動様式は無いらしい(笑)。

ぜんぶ終わって退出した後は、夕方の予定までちょっと時間があったので、江戸の街の雰囲気をなんとなく残す人形町の一角を、しまっぷー先生と連れ立って甘味処を探す。
それらしい店は意外となくて、やっと1軒発見。

20071016
「ほうじ茶パフェ」が、美味。
しまっぷー先生のこれは、「特上パフェ」。さすが、でかっ。

平日午後のこの時間では、さすがに回りのお客は年配のオバサンばっかりで、「ぱへ」なんか喰ってるのは私たちだけでした(^^;

続く。

2007.10.17

小豆島だより

Okayama
今回は音楽と全く関係ないエントリ。
たまにはいいでしょ。

先週末の2日間、親兄弟の家族一同で瀬戸内海の小豆島に行ってきました。
メインゲストである相方の祖父が、若い頃(昭和10年)ここ小豆島に醤油造りの修行に来ていたことがあったそうで、72年ぶり(!)に訪れてみたいと言い出したことが、きっかけ。
しかし「小豆島」って、意外と読めない方が多いんですね(^^;。「あずきじま」だの「こまめじま」だの、いろんな読まれ方をしていたようで。

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2007.10.13

明日は小豆島

広島に住んでいる、相方の祖父の卒寿のお祝いのため、明日明後日と小豆島に行ってきます。
なんでも、若い頃の思い出の場所らしい。
#しまっぷー先生に別件のメールのついでに報告したら、「自ら島送り!しかも家族を巻き込んで!」見上げた心がけだ、と誉められてしまいました。ちょっと違うんですけど(^^;。
瀬戸大橋経由で、高松から船で渡ります。うおお、四国初上陸だあ!(一瞬だけど)。

Inbal, Brahms只今のBGMは、ブラームスの交響曲。エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送響(DENON)。
4曲の全集BOXが3000円で再発売されていたのを、先日、CD店頭で見つけ、ふと閃くものがあって買ってみたもの。
1番から順番に聴いて、さきほど4番を聴き終わったところ。
なかなか充実した演奏。現代のスタンダードなブラームスの演奏といっていいと思う。
1番が名演だと思った。対して2番はちょっと軽くて、モダンな感じ。4番も良かった(が、1番ほどではないか)。そして、どれをとっても紛れもなく、20世紀末のドイツのオーケストラの音がする。

まあ、ブラームスは色々な演奏が山のように発売されているし、聴いている人も多いから、私の感想などではあまりアテにはならんでしょう。
それでも、インバルという指揮者がすごい「指揮力」(うまい言葉が見つからないのでヘンな言い方だが)の持ち主だ、ということは、判る演奏だ。

2007.10.11

N響の室内楽

NHKSO, 071011N響プレミアムコンサート-アンサンブルの極み(カザルスホール)

ワーグナー/ジークフリート牧歌
 (Fl神田寛明、Ob青山聖樹、Cl横川晴児・松本健司、Bn水谷上総、Hn日高剛・勝俣秦、Tp井川明彦、1stVn山口裕之、2ndVn永峰高志、Va小野富士、Vc藤森亮一、Cb吉田秀)
モーツァルト/クラリネット五重奏曲
 (Cl横川晴児、1stVn堀正文、2ndVn山口裕之、Va佐々木亮、Vc木越洋)
チャイコフスキー/弦楽セレナード
 NHK交響楽団メンバー(コンサートマスター:堀正文)

キャパ511のカザルスホールで、指揮者なしの小編成によるN響を聴くという、贅沢な演奏会。
じつはかの○イクロソフトが公演の単独スポンサーについていて、なかなか微妙にヘンテコなアンケートが付いていたりしたんだけど(「本日の公演を通じたマイクロソフ○に関する下記の印象について9段階評価でお答えください。1.【親しみやすさがある】全く高まらなかった←どちらでもない→非常に高まった。2.【慈善活動や社会貢献活動の取り組みについて】全く高まらなかった←どちらでもない→非常に高まった」だって。いったい何のためにわざわざそんなことを聞くんだろうか。そもそも「9段階評価」って何よ)、それはいいとして。

「N響メンバー」というだけで正確な出演者名は結局発表されないまま演奏会の日となったのだが、クラリネット五重奏のソリストが横川さんだったのは嬉しい。横川さんの演奏には過去、作曲者の魂と直接対話をしているような稀なる体験を何度もさせてもらっている(20年近く前に聴いたプーランクのソナタの2楽章には、不覚にも泣いてしまったことを今でも覚えている。他にもいろいろ)。今日も然り。まるでそこにいて吹いているのではない、どこか遠いところで純粋の「音楽」だけを紡いでいるような感覚。…ただ、弦チームはちょっと粗くて、1曲めのほうが良かったな。山口さん、最近のN響公演にコンマスとして乗ることが殆どないけれど、いったいどうしちゃったんだろう(N響の3人のコンマスの中では、個人的には一番好きなんだけど)。

休憩後は弦楽器のみ、8-6-4-4-2の編成(指揮者なし)によるチャイコフスキー。
これはまさに「圧巻」だった。24人もの演奏者が、一糸乱れず、たいへんな迫力で、まさしく本物の「室内楽」を奏でていた。
コンマスの堀さんってこんなに凄い音楽家だったのか、と圧倒された思いだ。楽器を弾くアクションが、そのまま音楽のテンポやら、リズムやら、イントネーションやら、フレージングやらの本質を表現し、かつ正確に伝達している(それを受け止めるメンバーの力と感性も、勿論凄いけれど)。
おそるべき情報量をもった演奏。コンマスのことを英国では「リーダー」というそうだが、まさに!その言葉そのものだ。ヘタな指揮者なんかよりも、よほど。…指揮者なしでこれだけのことが出来るんだったら、ギャラばかり高い飾り物みたいな指揮者なんか要らないよなあ、とたしかに思ってしまう。

…感嘆しつつ、よくよく考えてみると、自分のアンサンブルでは私は堀さんのポジションにいるのだった(!)。
なんということだ。
ギャーッと叫んで、逃げ出したくなってしまう。
…といって、逃げ出す訳にはいかないので、「自分なりに」頑張るしかありません。

N響の客は相変わらず落ち着き、というか集中力がないなあ(^^;
まあ、そういう客はごく一部なんだろうと思いたいけれど。
1階席は結構な割合で埋まっているのに、断然音の良いバルコニーがガラガラだったのも、不思議(おかげで左右5~6席誰もいないような状態で、集中して聴くことができたが)。
N響のお客さんは余程カザルスホールには縁がないのかな。

2007.10.10

【連載】マルセル・ミュールの生徒たち 24

この連載の趣旨、見方については連載第1回のエントリをご参照ください。

1965-1966

ADAM, Noël
BALLION, Jean
BONNIN, Jean
BOUTIN, Pierre
BREBBIA, Daniel
CATENNE, Daniel
COLLET, Jean-Claude
GAUDET, Daniel
LEMONNIER, Francis
NET, Jacques
PODEVIN, Michel
PORTE, Georges

試験曲:Concerto (2, 3) (Ida Gotkovsky)

Pierre BOUTIN(1942-)はオルネー=スー=ボワ(Aulnay sous Bois)の音楽院のサクソフォンの教授を務め(ということはジェローム・ラランの前任者か?)、いくつかの独奏曲やエチュードが出版されているほか、画家としても活躍しているとのこと。

LP_REM10826Daniel GAUDETの名前を検索していたら、いきなり見覚えのあるレコードジャケットの写真が挙がってきた。
連載の18で紹介したセルジュ・ビションの率いる、ローヌ=アルプ・サクソフォン四重奏団(Quatuor de saxophones Rhône-Alpes)のアルト奏者(テナーDaniel Cochet、バリトンChristian Charnay)。
このレコード(REM.10826)は所有していた。演奏者のプロフィールは載っていない。

Noël ADAM、Jean BONNINは、情報を見つけることができず。

次回は連載最終回です。

2007.10.09

入場無料ということ

ダッパーサクセーバーズさんのBlogエントリを読んで、少々考えたこと。
コメントさせていただこうかと思ったのですが、長くなりそうなのでこちらで独立エントリとさせていただきました。

私たちのアンサンブルも、演奏会は結成第1回以来ずっと入場無料としている。
「入場料とったら?」とはよく言われるけれど、入場料を徴収するだけの事務的余力がないので取りたくても取れない、というのが正直なところ。
入場料をとる、ということは、当然ながら来てくださる方にチケットを「販売」しなければならない。販売、とくに前売りというのは、金銭と個人情報のやりとりという非常に気を遣うものだし、またそれはこちらの都合ではなく、買ってくださるお客様の都合が優先されるのが当然である(チケットを買おうと思って問い合わせ先に電話しているのに、いつも留守、って訳にはいかないでしょ)。
そういうものにきちんと対応できるだけの体制を作るというのは、10人程度のメンバー(全員演奏者、かつ本業の仕事の片手間)で回している限り、かなり厳しい。余力があるんだったら演奏のほうを少しでも向上させたいしね。よって入場無料で行くしかない、という、単純な理屈。
(そんなわけで、マネージャーを置かずに自主リサイタルを開催されているプロの方々というのは、私は尊敬します)

また、入場料をとることによる財政的な利点というのも、部外者の方がイメージされるほどには無いのが実情。
演奏会場の使用料というのは、入場料をとらない催しには安く設定されている場合が多いし、また入場無料であることによって、リンク先でもどなたかコメントされていたけれど、1回の演奏会で数万円におよぶこともある著作権料の支払いが免除されるメリットは大きい(サクソフォンのレパートリーは近現代のものが多いので、影響は甚大)。
2-300人のお客さんから千円程度の入場料をいただいて得る収入(招待客の方も多いので、実際はもっと少ない)と、以上の手間や出費増をはかりにかけて考えた結果が、現在の選択という訳です。
なかなか一言では説明しづらい事情なので、単純に「入場料取ればいいのに」、と考える一般のお客さんに納得していただくのは、難しいのだが。

あと、ひとつだけ言えることは、「無料である事の甘えが演奏者に出る」ということは、100%あり得ません。
プロもアマチュアも関係なく、まともな演奏家というものは、入場料があろうがなかろうが常に最大限の努力の上でお客さんの前に出て行くものだし、逆にどんなにどう頑張ったって「現在の自分自身」以上のものには絶対になれないことも、重々承知しているからだ。
入場無料だからといっていい加減な演奏をする奴は、たとえ入場料をとったとしても同じこと。それは自信を持って断言できる。

2007.10.08

【特別企画】チラシで辿るトルヴェールQ

3連休の残りは、休養モードで過ごした。
とくに予定らしい予定のない休日というのは、2ヶ月ぶりくらいか。ちょっと疲労も限界に来ていたところだったので、有難い。

さて、トルヴェール・クヮルテットの3daysも無事終わったと思われるので、満ち足りた気分でコンサートから帰ってきてパソコンを開いた貴方のために(笑)、ちょっとしたサービス。
というか、20周年への、私なりのお祝い。
トルヴェールQの、過去の東京での主要な(と思われる)歴代の演奏会のフライヤー(チラシ)を、一気に並べてみました(クリック拡大)。

TQ, 19910113
第2回リサイタル(1991年1月13日、カザルスホール)。
スカルラッティ(3つの小品)、デュボワ、リュエフ、伊藤康英の第2四重奏曲、シュミット。この頃はずいぶんと「普通の」サックス四重奏団のプログラムだったんですね(^^;
第1回のチラシは残念ながら失くなってしまいました。誰かお持ちの方はご連絡ください(笑)

TQ, 19930418
1993年4月18日(カザルスホール)。
昼夜別プロでした。ゲスト本多俊之。

TQ, 19940722
1994年7月22日(サントリーホール)。
サントリーホール(勿論、大ホール)でサクソフォン四重奏の演奏会をやったというのは空前のことだったし、今でも決して容易なことではないだろう。
このときは、P席(ステージ後ろ側)には客を入れていなかったけれど、他は結構な割合で埋まっていたと記憶している。

TQ,19960714
1996年7月14日(紀尾井ホール)。

TQ,19980222
1998年2月22日(紀尾井ホール)。結成10周年。
「トルヴェールの四季」初演。

TQ, 19990926
1999年9月26日(紀尾井ホール)。
コンサートイマジンに移籍。

TQ, 20020921
2002年9月21-23日(トッパンホール)。
結成15周年の3days。

TQ, 20041009
2004年10月9-10日(トッパンホール)。
台風が関東地方を直撃した翌日のことだった。
#前日、直撃したその日には、ワタシ達が演奏会やってたところだったんですけど(苦笑)。

2007年のロジェヴェン

6日のつづき。
凸版ホールから、高速道路下のどぶ川(実は昔の江戸城の外堀)端の歩道を江戸川橋まで歩いて、地下鉄に乗り、池袋へ出る。
本日2本めのコンサート。

YNSO, 071006読売日本交響楽団 東京芸術劇場名曲シリーズ第143回

サン=サーンス/劇付随音楽「誓い」より 3つの交響的タブロー
同 /ピアノ協奏曲第2番(Pf:ヴィクトリア・ポストニコワ)
同 /交響曲第3番「オルガン付き」(Org:水野均)
 指揮:ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー

読響名誉指揮者ロジェストヴェンスキー(1931-)という人はたいへん芸風の広い人で、私が初めて名前を知ったのは10代の頃、ミヨーの小交響曲やイベールの交響組曲「パリ」等を指揮したメロディア・レーベルのレコードでだった。
フランス物も得意としているようだが、基本的にはロシアの匂いをプンプンさせる音楽家だ。読響には毎年、一癖ある楽しい曲目で客演していて(私が最近聴いたものだけでも、2004年はG.シャルパンティエの「イタリアの印象」他のフランス物、2005年はグラズノフのバレエ音楽「四季」他、昨年はボロディンの交響曲3曲全部、といったもの)、今年のサン=サーンス・プロも楽しみにしていた。

ステージに、のっしのっしとゆっくり歩いて登場、指揮台を置かない平土間の上で、長い指揮棒を「オラ、弾けや」とばかりにどさっと投げ出す仕草をすると、オーケストラからは嘘のようなとても繊細で甘い音色が自然に、引き出されてくる。
めざす音楽の繊細さに比べて指揮の動作そのものはとても大雑把なので、オケとしてはかなりやりづらい指揮者だろうと思うが(実際、アンサンブルが破綻していた箇所もいくつか)、出てくる音楽そのものの説得力はまさに巨匠のそれだ。
それにしても「誓い」を生で聴けるとは思っていなかったな(CDは私の知る限り1種類しかない。ロジェヴェン氏はどうやって知ったのだろうか)。エジプトの音階を用いるなど、サン=サーンスとフォーレの往復書簡集(そんなものが日本語で出版されているのだ)の中でサン=サーンス自身が自慢げに言及している、古代エジプトを舞台とした劇音楽なのだが、現代の耳で聴くと、これまたサン=サーンス本人が言っているとおり、エジプト云々は関係なくとても古典的な美しい音楽に聞こえるのだった。
ピアノ協奏曲は、夫人のポストニコワのピアノがまたロシア的趣味たっぷりなもので(1楽章はとにかく朗々と堂々としているし、フィナーレはまた曲芸みたいに速いし)、たいへんスリリングで、一時も目の離せない演奏となった。
休憩後の「オルガン付」は、テンポのたいへん遅い豪快な演奏。遅さは晩年のフルネ以上かも。オーケストラの真剣さが伝わってきて、結果的にはとてもいい演奏だった。

見やすくて弾きやすい指揮が、必ずしも良い演奏に結びつく訳ではない、実際はむしろ逆の場合が多い、とは、プロのオケマンの方々が口を揃えて仰ることだが、確かに、そういうものなのだろうと思わされる。
来年も是非聴いておきたいものだ。

2007.10.07

トルヴェール1/3days

TQ, 071006-08トルヴェール・クヮルテット 結成20周年記念コンサート3days 第1日(トッパンホール)

長生淳(ハチャトゥリアン原曲)*/カインド・オブ・ガイーヌ
メンデルスゾーン(伊藤康英編)/プレリュードとフーガOp.35-5
デザンクロ/サクソフォン四重奏曲
長生淳(ヴィヴァルディ原曲)*/トルヴェールの四季より 春1、夏2・3、秋3、冬2・3
ガーシュウィン(伊藤康英編)*/「ポギーとベス」ハイライト
 Pf:小柳美奈子*

トルヴェールQも、ついに結成20年ですか。
ということで、3日間、全部別プログラムによる記念コンサートが華やかに開幕。まずは第1日終了、とっても楽しいコンサートでした。

今回はある理由から、チケット発売後もあんまり積極的に動く気になれず、様子を眺めているうちに直ぐに3日間とも売り切れてしまい、といってさすがにワタシの立場としては顔を出さない訳にはいかないので(^^;16日の追加公演に行くつもりでいたら、幸いにも初日のチケットを譲ってくださった方が現れて行くことができたのだった。ありがとうございます。
今日はしかもデザンクロとかメンデルスゾーンの「プレリュードとフーガ」とか、1日だけ行くとしたらこの日だな、と最初から思っていたプログラムで、首尾よく聴くことができて嬉しい。

メンデルスゾーンもデザンクロも、トルヴェールQの第1回リサイタル(平成の時代が明けて間もない、1989年1月14日、東京文化会館小ホール)の時の曲目だった。最後「ポギーとベス」も、トルヴェールの結成当時美奈子さんと5人で盛んに演奏していたナンバー。…いやー、なんだか、懐かしくって。
この20年という時間に思いを馳せた。トルヴェール第1回リサイタルの頃のことは今でもよく覚えているのですよ。すごく面白い時代だったし、真に実感のある時代だったと言っていいと思う。第1回リサイタルの前日に原宿の小さなスタジオで雲井さんと服部さんのデュオコンサートがあったんだけど、50人ほどの客の中に(その時点では未だ知り合ってはいなかったが)その後の私自身のサクソフォン絡みの人間関係のほとんど全てを決することになる人たちが集まっていた、とかね。…
あの頃に始まった諸々のことがほとんど全部、巡り巡って今の自分自身というものを作っている。
そういう様々な時間の流れや移り変わりを横目に見ながら、同じ時代を生きてきた。

そんな訳で、私にとってトルヴェールQとは、単に「日本を代表するサックス四重奏団」ではないのです。
決して単純なファンであったり、真似をしたり追いかけたりしているという訳ではないけれど。
そもそも客観的に考えても、トルヴェールQがいわゆる「サックス四重奏団」、かというと、ちょっと待てよ、という感じではある(勿論、サクソフォン4本でやってるんだから、サックス四重奏団には違いないんですけどね)。

トルヴェールのデザンクロは以前にも別の機会に聴いて、その力の抜け加減にとても感心したことを思い出すけれど、今日は前から3列めという席のおかげでその詳細をかなり具体的に観察することができた。要するに、テンションの高い和音がずーーっと連なっているこのデザンクロみたいな曲の場合、曲の要所要所だけをキッパリと吹いて、あとは和音の輪郭を絶妙にぼやかしているんですね。
そこらへんのコントロールを巧みにして、曲のフォルムや音楽の流れは保ちつつ、無駄な疲労や「鳴りすぎ」を回避している。「トルヴェールの四季」もたぶんそうやっているのだろう。アレをもし、書いてある音符を全部律儀に並べていたら、たぶんそれだけで(いかなトルヴェールといえども)オーバーフローしてしまう筈だもの。…

アンコールに「マイ・フェイバリット・シングス」(これまた懐かしい)、ピアソラ「ブエノスアイレスの冬」。

2007.10.05

カントロフ

Jean-Jacques Kantorow, 071004上田晴子(Pf)&ジャン=ジャック・カントロフ(Vn) デュオリサイタル(浜離宮朝日ホール)

ベートーヴェン/ヴァイオリンソナタ第1番
シューマン/ヴァイオリンソナタ第1番
ブラームス/ヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」

先日のオリヴィエ・シャルリエのときにお世話になったレックスのK子さんのおかげで、完売だったらしいけれど聴くことができた。
ドイツ・ロマンとクラシックの「1番」づくし。渋いプログラムだ(実はベートーヴェンは初めて聴く。シューマンもオーボエで吹いた演奏しか知らない)。でもドイツ物だからといってむやみに重厚になる訳でもなく、上田さんなんかむしろさきのフランス物より軽い、ときに素っ気ないほどのタッチの演奏を聞かせてくれた。
「癒される」演奏だった。
でもヴァイオリンは、私はやっぱりシャルリエのほうが好きだな。作品の姿を正確に(外見だけにとどまらず、その作品の持つ内面までも)正確に描き出そうという強烈な意思を感じる、という点で(カントロフのほうが知名度の上ではずっと有名だし、勿論巧いし手慣れてはいるけれど)。

アンコールに、シューマンの2楽章を再び。

2007.10.04

ショーソンの交響曲、など

ここ最近、今年5月の「ホールA」という短いエントリがずっと当ブログのアクセス数のトップを独奏じゃなかった独走しているのだが、いったいなんで?と思っていたらどうも、「○門館」「座席表」というキーワード検索で大勢の方が辿り着いているらしい。
そういう季節なのですね。お役に立てずすみません。普○館のまともな座席表というのはネット上には見つからないようです。

Chausson, Symphonieさて。
長いこと探していたのを、ヤフオク上で見つけ落札したCDが届く。

ショーソン/交響曲変ロ長調、フォーレ/組曲「ペレアスとメリザンド」、歌劇「ペネロプ」前奏曲
 マルク・スーストロ指揮 ロワール・フィルハーモニー管弦楽団(Pierre Verany)

ショーソンの交響曲は敬愛するジャン・フルネ師の十八番だったこともあって、私の大好きな曲だ(さまざまなオーケストラで、何度も実演を聴いてきたものだ)。胸の張り裂けんばかりのパッションを、控えめで抒情的な中間色の額縁で飾った、19世紀フランス産の交響曲の逸品。

これは実にいい演奏だと思った。好きな曲だけにたくさんのCDを聴いてきたけれど(手元に残っているCDだけで、フルネ2種、アンセルメ、パレー、ミュンシュ、ヤノフスキ、トルトゥリエ…)、フランスの地方オーケストラの精妙に変化する色彩感と、他のどの演奏にもない弦の独特の音色が素晴らしい。
ワタシ的には今までの基準だったフルネ=オランダ放送フィル(DENON)に代わって、お気に入りNo.1に昇格かも。

Affinis  Sound Report, #32アフィニス・サウンドレポートNo.32…アフィニス・アンサンブル・セレクション10周年記念

アフィニス文化財団が年2~3枚のペースで自主制作していて、サイト上で抽選で無料配布しているCD。
No.32は一度抽選に外れたのだが、もう一度募集があったので応募してみたら、首尾よく当たって、送られてきたのだ。
以前にもこちらとかこちらを入手している。

オロール弦楽四重奏団によるハイドン「日の出」第1楽章とか、野平一郎編曲のヴィオラ重奏によるバッハ「シャコンヌ」とか、都響メンバーによる演奏が多く含まれていて、是非聴いてみたいと思っていた。
シュテファン・ワーグナー(ハンブルク北ドイツ放送響コンマス)が頭を弾いて日本のオーケストラの若手奏者と共演した、シェーンベルク「浄められた夜」の弦楽六重奏版が聞き物。
いつも思うのだが、作りも丁寧だしライナーも充実しているし、とてもタダで貰えるCDには見えない。

2007.10.01

終了御礼(追補あり)

第7回定期演奏会、無事終了しました。
たくさんのご来場、ご声援、贈り物等、本当にありがとうございます。
一夜明けた今日、午後これから出勤なので、とりいそぎ書いています。

今回は終演後の疲労が(例年になく)甚だしく、打ち上げでも人とあんまりお話もできず、自席でくたばってました。
原因は個人的な理由から音楽面、運営面といろいろあったけれど、考えてみたら、打ち上げというと毎年、まわりの盛り上がりをよそにひとりでボーゼンとしていることが多い気がする。
まあ、代表者とか責任者というのはそういうもので、打ち上げでみんなが思う存分おいしいお酒が飲めるように、そこまでの過程を気配っておくのが仕事なんだから、仕方がない。
それでも「その他大勢」、というスタンスで参加しているメンバーがひとりもいない現状には、おおいに感謝しています。

それでは、「なめら~か」生みの親のような存在である故アルフレッド・リード博士の言葉から。
「今日の本番がどんなに素晴らしいものであったとしても、次の本番はよりもっと素晴らしいものになるように、努力をしてください」

また来年。

(追補)
写真担当の青山氏から、早速ウェブ掲載用の集合写真が送られてきました。
毎度ながら、本当にいい写真を撮ってくださいます。
ありがとうございます。

Nameraka 7th

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