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2007.10.08

2007年のロジェヴェン

6日のつづき。
凸版ホールから、高速道路下のどぶ川(実は昔の江戸城の外堀)端の歩道を江戸川橋まで歩いて、地下鉄に乗り、池袋へ出る。
本日2本めのコンサート。

YNSO, 071006読売日本交響楽団 東京芸術劇場名曲シリーズ第143回

サン=サーンス/劇付随音楽「誓い」より 3つの交響的タブロー
同 /ピアノ協奏曲第2番(Pf:ヴィクトリア・ポストニコワ)
同 /交響曲第3番「オルガン付き」(Org:水野均)
 指揮:ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー

読響名誉指揮者ロジェストヴェンスキー(1931-)という人はたいへん芸風の広い人で、私が初めて名前を知ったのは10代の頃、ミヨーの小交響曲やイベールの交響組曲「パリ」等を指揮したメロディア・レーベルのレコードでだった。
フランス物も得意としているようだが、基本的にはロシアの匂いをプンプンさせる音楽家だ。読響には毎年、一癖ある楽しい曲目で客演していて(私が最近聴いたものだけでも、2004年はG.シャルパンティエの「イタリアの印象」他のフランス物、2005年はグラズノフのバレエ音楽「四季」他、昨年はボロディンの交響曲3曲全部、といったもの)、今年のサン=サーンス・プロも楽しみにしていた。

ステージに、のっしのっしとゆっくり歩いて登場、指揮台を置かない平土間の上で、長い指揮棒を「オラ、弾けや」とばかりにどさっと投げ出す仕草をすると、オーケストラからは嘘のようなとても繊細で甘い音色が自然に、引き出されてくる。
めざす音楽の繊細さに比べて指揮の動作そのものはとても大雑把なので、オケとしてはかなりやりづらい指揮者だろうと思うが(実際、アンサンブルが破綻していた箇所もいくつか)、出てくる音楽そのものの説得力はまさに巨匠のそれだ。
それにしても「誓い」を生で聴けるとは思っていなかったな(CDは私の知る限り1種類しかない。ロジェヴェン氏はどうやって知ったのだろうか)。エジプトの音階を用いるなど、サン=サーンスとフォーレの往復書簡集(そんなものが日本語で出版されているのだ)の中でサン=サーンス自身が自慢げに言及している、古代エジプトを舞台とした劇音楽なのだが、現代の耳で聴くと、これまたサン=サーンス本人が言っているとおり、エジプト云々は関係なくとても古典的な美しい音楽に聞こえるのだった。
ピアノ協奏曲は、夫人のポストニコワのピアノがまたロシア的趣味たっぷりなもので(1楽章はとにかく朗々と堂々としているし、フィナーレはまた曲芸みたいに速いし)、たいへんスリリングで、一時も目の離せない演奏となった。
休憩後の「オルガン付」は、テンポのたいへん遅い豪快な演奏。遅さは晩年のフルネ以上かも。オーケストラの真剣さが伝わってきて、結果的にはとてもいい演奏だった。

見やすくて弾きやすい指揮が、必ずしも良い演奏に結びつく訳ではない、実際はむしろ逆の場合が多い、とは、プロのオケマンの方々が口を揃えて仰ることだが、確かに、そういうものなのだろうと思わされる。
来年も是非聴いておきたいものだ。

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コンサート(2007年)」カテゴリの記事

コメント

ゲンナジ・ロジェストヴェンスキーというと、映画オタクだった私は「2001年宇宙の旅」のサウンドトラックを思い出します。曲はハチャトゥリアン/「ガイーヌ」の“アダージョ”。オケはレニングラード・フィル。こちらもやはりとても遅いです。えへへ。

実はロジェベン先生は、僕の音楽体験の基本なのです。この人は天才というか鬼才ですね。小学生の頃、うちにクラシック全集のレコードがありまして、そのうちかなりの演奏がロジェストベンスキー指揮モスクワ放送響でした。チャイコ、プロコなどのロシアものはもちろん、ベルリオーズ幻想も初めて聞いたのはこのコンビの演奏。白鳥の湖は、ロジェベン指揮のボリショイでした。かの有名なナポリの踊りのトラペットソロは、ナント!ドクシツェル(ボリショイ専属だったので)!!彼が有名になる前でしたけど、有名になったドクシツェルのソロを聞いたとき、「この音、どこかで聞いたことあるな(・・)?」って思いました。
ロジェベン・モスクワ放送響が来日してテレビで見たときは、ホント感激した。ラフマニノフPコン1、チャイ5だった。ピアノは、もちろんご夫人。

>よねやま様
「2001年」にロジェヴェンの音源が使われてたんですか。知りませんでした。
冒頭の「ツァラトゥストラ」がカラヤンのデッカ音源だということは、お借りした本で初めて知りました(ベーム=BPOのDG録音だとばかり思っていた)。

>ken師
そうだったんですか。
ロジェストヴェンスキーのモスクワ録音は、私がクラシック聴きはじめの頃、日本ビクターからメロディアの1500円廉価盤LPでたくさん出ていたので、結構聴いたものです。
近現代の珍しい曲目を廉価盤で探そうとすると、このシリーズにしか無い、ということがよくあったので。
すぐに思い出せるだけで、クルト・ワイルの「三文オペラ」組曲とか、シェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」とか。ウェーベルン編曲のバッハ「6声のリチェルカーレ」も、最初に買ったレコードはロジェヴェン=モスクワ放送響だった。

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