佐藤渉リサイタル
22日(土曜)。
朝9時半から、来週に迫った本番の最終練習。
午前中はカルテット。今年の私の出番は、アルベニス「セビリア」「コルドバ」と、ドビュッシー「ベルガマスク組曲」。いずれもソプラノ。今年は久しぶりに持ち替えなしで、ソプラノ1本に絞って練習できるのが有難い。
午後は第2部のラージ。グラズノフのコンチェルトの頻繁なテンポ変化を調整、そしてメインプロの「真夏の夜の夢」。
1週間前の最終練習にして、やっとなんとか仕上がりそうな感じになってきた。この状態でせめてあと2~3回練習できれば…ってところなんだけど、もう無理。
というか、同じことをずーーっと、(どのような本番であれ)本番の直前になるたびに感じ続けている気がする。
演奏活動というものに足を踏み入れてもう30年も経つんだからさぁ、いい加減学習しろよぉ、といつも思うんだけど、結局本番前はバタバタなんだよねぇ。
4時半に練習終了、挨拶もそこそこに地下鉄みなとみらい線に飛び乗って、神楽坂へと移動。
O.ネルソン/ソナタ
J,リュエフ/シャンソンとパスピエ
P.M.デュボワ/協奏曲
C.ケックラン/エチュードより 2、5、9、11
R.R.ベネット/スリーピース組曲(Three Pieces Suite)
吉松隆/ファジーバード・ソナタ
Pf:川岸麻理
雲カルのアルト奏者、佐藤渉さんのリサイタル。
224席の地下室(音楽の友ホール)は、本来空いているはずの最後列壁際の椅子までひとつ残らずぎっしり埋まった盛況。これで火事とか起こったら大惨事だぞぉ、などとつまらんことを考える。客層は昨日とはずいぶん違うようだ。
とてもメロウで明るく、おおらかによく歌う音色が印象的だった。
人の心にあるわだかまりとか障害物とかを、いつの間にか取り去ってくれるような、thankfulな音色。夏に聴いたオーティス・マーフィー氏と共通する雰囲気がある。
曲目はたいへん多様なもので、かのオリバー・ネルソン(Jazzサックス奏者、作編曲家、プロデューサー)の学生時代の習作に始まり(かなりにアカデミックな筆致で、フィル・ウッズのソナタみたいのを期待したら拍子抜け)、フランスの名品いくつかを経て日本代表「ファジィバード」に至る。ファジィバードは須川さんの演奏とはずいぶん印象が違い、「なめらかバード」とでも呼びたい雰囲気だった。
かと思うとデュボワのコンチェルトでは、ものすごい勢いで大量の音符を並べてみせるし。
#余談だけれど、私たちの世代の人間がサクソフォンの数あるレパートリーのうち、デュボワのこの曲を殊更に熟知しているというのは(マーフィ氏のマスタークラスにもこの曲を持ってきた受講生がいたけれど、楽譜はほとんど見たことがないのに、ほとんど全部の音を追いかけることができたものだった)、間違いなくユージン・ルソー氏のレコードのおかげだろうと思う。
リチャード・ロドニー・ベネット(1936-)のThree Pieces Suite(「3ピースのスーツ」と「3つの小品による組曲」を引っかけたタイトルか)は、最大の聞き物だった。都会的で親しみやすくお洒落なメロディとハーモニーに彩られた小品で、是非センスのいいピアニストと一緒にやってみたいと思った。楽譜出てるのかな。
雲カル4名総出演によるアンコールが、贅沢の極み。
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都合がつけば、是非、聴きに行きたいと思ってましたが、聴きに行けず、とっても残念でした(;_;)!!
投稿: にゃんこ | 2007.09.25 08:41