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2007.09.02

フォーレの合唱曲

父の面会に青梅まで往復したあとの夕方は、この秋最初のコンサートへ。
フォーレの宗教合唱曲(原典版)を特集した、アマチュアながら意欲的なプログラムに興味を持っていたところ、縁あって招待していただけたのだ。

混声合唱団コール・リバティスト 第2回定期演奏会(浜離宮朝日ホール)

G.フォーレ/
 エッチェ・フィデリス・セルヴスop.54
 マリア、マーテル・グラツィエop.47-2
 タントゥム・エルゴop.65-2
 タントゥム・エルゴ(1904)
 パヴァーヌop.50
 マドリガルop.35
 ラシーヌの雅歌op.11
 夜想曲第6番(ピアノ独奏)
 舟歌第3番(同)
B.ブリテン/ユビラーテ・デオ
J.ラター/グローリア
 永井千佳(Pf、Org)
 小屋敷真(指揮)

創設2回めの定期演奏会だというのに、浜離宮朝日ホールでやっちゃうんだ。すごいなあ。

とても積極性に富んだ、気持ちのよい演奏が聴けた。
結成間もない団体のためか、選曲にしろ舞台進行にしろ、世のアマチュア合唱団にありがちな独特の流儀にあまり染まっていないところがいい。
1、2曲めあたりはまだ堅さが取れずに、頑張れー、と思いながら聴いていたが(アマチュアプレイヤー一般にありがちな傾向で、私自身もおおいに覚えがあるんだけど、雰囲気に乗っかって歌うことはそこそこ出来ても、何もないところへ自分から「音楽」を立ち上げる、ってことが難しいんだな)、プログラムが進むにつれてだんだん良くなってきて、「マドリガル」あたりに至っては非常にいい感じ。

前半トリは「ラシーヌの雅歌」。
「音楽」そのものの純粋な結晶を無心に、陶然とうたいあげるようなこの玄妙たる傑作が、20歳のフォーレの手になる音楽学校の卒業作品だというのは、この曲を知って30年近く経つ今でも、聴き返すごとに驚嘆するものだ。
高校生の時に買った、ルイ・フレモー指揮のフォーレ「レクイエム」のレコード(Erato)の余白に入っていた古ーい録音で知って以来の愛聴曲だった。東混をはじめとするプロの演奏でも何度か実演を聴いたけれど、なぜかこの古い録音にあるような種類の情感を感じたことがなかったのだが、今日はかなりいい線を行った演奏で、ちょっと感動した。…思うに、この音楽の本質にはプロっぽい即成的なアプローチを拒絶する何かがある、のかもしれない。
合唱が引っ込んだ後にピアノソロが2曲演奏されたのだが、(演奏はなかなか良かったのだが)休憩時間が始まったのかと勘違いして席を立ったりしたお客さんが大勢いたせいで少々集中力が途切れたのが残念。

後半は英国へと渡り、ブリテンとラター。こちらは初耳。ブリテンは予想外に短い曲だったので、びっくり。
ジョン・ラター(1945-)という名前は(吹奏楽界におけるアルフレッド・リードのごとく)合唱界ではよく見る名前だけれど、実際に曲を聴いてみて、納得。適度に現代的で適度に刺激的で、わかりやすくカッコ良い。きっと歌っていても気持ちよいのだろう。ウォルトンみたいだ。
ウォルトンの親しみやすさが吹奏楽に特化するとフィリップ・スパークになり、合唱に特化するとラターになるのだな、と本日認識。

演奏者としての課題は色々あれど、まずはいい演奏会だったんじゃないでしょうか。
ご招待ありがとうございました。

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コメント

すごい偶然ですね。私も初めて聴いたフォーレ「レクイエム」は、ルイ・フレモー指揮/バーミンガム市交響楽団のCDです。(多分同じ音源ですよね)まだまだクラシックなんてほとんど聴かなかった大学時代に買ったのですが、その頃のいい思い出です。

お返事が遅くなりました。今は1年でいちばん本業が忙しい時期であります。

じつはフレモーのフォーレ/レクイエムの録音は2種類ありまして、私の刷り込みは60年代のモンテカルロ歌劇場管弦楽団のほうなのです。

30年前の当時は、千円台で買えるフォーレのレクイエムのレコードというと、これかフルネのモノラル盤かウィルコックス=キングズ・カレッジ合唱団の3枚しかありませんでした。
で、このレコードを買って聴き込んで1年くらい経ったら、まさにタビビトさんがお聴きのフレモーの新録音が初出1300円(!)で発売されて、聴いてみたらとてもいい演奏で録音も良かったので(カップリングも同じ「ラシーヌ雅歌」)、早まったなーと思ったものでした。
1970年代末頃の話です。懐かしく思い出しました。

いろんな種類が出ていたんですね。私は廉価版のCDしか買えなかったため、廉価版を見つけたときにはホント売れ仕方です。またこういうのもいろいろ楽しめていいですね。

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