リード博士の遺言
ひとつ大きな本番が終わる度に、(故)アルフレッド・リード博士がいつも仰っていたことを思い出す。
「今日の本番がどんなに素晴らしいものであったとしても、次の本番はよりもっと素晴らしいものになるように、努力をしてください」
日本に来て指揮をされる時には、昭和の最後の春に初めてお目にかかった時から、最後にお会いした一昨年の音の輪コンサートまで、いつでも、どこの楽団でも(打ち上げの席上であれ、これから本番という最後のリハーサルが終わった時のコメントであれ)、一貫して同じことを仰っていた。
やはり、リハーサルの度に必ず口にされていた「音楽は聴衆に届いてこそ意味がある、どんなに素晴らしい演奏であっても、聴く人に届かなければそれは単なるリハーサルにすぎない」、というフレーズと並んで、私たちなじみのプレイヤーの間では「リード先生の二大耳タコ」、と呼んでいたものだ。
…そのことを仰ってくれた先生は、もういない。
ある意味、あまりにも当たり前なことなので、正面きって言うのは少々気恥ずかしいことでもある。
リード先生のように、自身に説得力と貫祿が備わった人物が言うのならともかく。
だけどそれは、時代や場所を超えた確たる真実であり、誰かが伝承しなければならない言葉だと思う。
…しょうがない、オレが言うぞ。
明日は今日より、もっと素晴らしい演奏が出来るように!
明日は今日より、もっと素晴らしい日であるように!
practice.
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