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2007.05.12

【都響】メンデルスゾーン

TMSO, 070512東京都交響楽団 東京芸術劇場シリーズVol.64
作曲家の肖像「メンデルスゾーン」

「真夏の夜の夢」より 序曲、スケルツォ、夜想曲、結婚行進曲
ヴァイオリン、ピアノと弦楽のための協奏曲(Vn:川崎洋介、Pf:若林顕)
交響曲第5番「宗教改革」
 指揮:小泉和裕

芸劇での都響は、毎度ひとりの作曲家の個展。今回はメンデルスゾーン。
この冬から春にかけて、のべ1ヶ月くらいかけて「真夏の夜の夢」から3曲をサクソフォンアンサンブル用に編曲作業をしていた身としては、楽しみにしていた演奏会だった。
メンデルスゾーンはドイツ人だけど、その音楽のある種の繊細さはフランス音楽のようにも解釈できると思う。実際(何度か書いているような気がするが)、メンデルスゾーンの、とくに「真夏の夜の夢」は、あらゆるクラシック音楽作品の中で私の最も好きな曲のひとつでもある。

さて今日の演奏。「真夏の夜の夢」のほうは、小泉=都響だったら当然このくらいはやってくれるだろうという、ある意味期待どおりの演奏だったが(「夜想曲」のホルンソロは、この5月より首席奏者に昇格した西條氏。good.)、圧倒的に良かったのは、休憩後の「宗教改革」だった。なんだかもう、音のまとまり方も方向性も集中力も、すべて1ランクアップしていた。荘重でありながら、清朗であり、決して暗くない。この曲が一種の信仰告白として(しかも、20歳そこそこの若者の手によって)書かれた音楽である、ということをまざまざと分からせてくれた。何が起こったんでしょうか(3月に聴いたブラームスの3番の時を思い出した)。

休憩前のコンチェルトは、あまり聴く機会はないけれど(実演では初めて聴いた)、とても快活で楽しい曲だ。本当はもっと小さな会場で、ヴァイオリン、ピアノ、弦楽群三者の丁々発止のやり合いを間近に見て楽しむ曲なんだろう。
ちなみにヴァイオリンの川崎洋介氏は、大阪センチュリー響のソロコンサートマスター。かの川崎雅夫氏の子息とのこと。いかにもドロシー・ディレイ門下らしい、強靱なサウンドと推進力を持った方だ。

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コメント

>この5月より首席奏者に昇格した西條氏

おー、知りませんでした。今、月刊都響5月号を見ました。ホントだ。「◆」印が付いていました。

寺本義明さん率いるフルート軍団が素晴らしかったですね。

開演前に、いつになくたくさんの楽員さん達がステージ上で音出しをしたりさらったりしていましたが(こういう日は大抵よい演奏となります)、フルートのお二人は、「真夏の夜の夢」の中のなんてことのない伸ばしの和音を入念にチェックしていたのが印象的でした。

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