春はフランス室内楽
京都フランス音楽アカデミー アンサンブル・スペシャルコンサート2007(横浜・みなとみらい小ホール)
G.フォーレ/組曲「ドリー」
パスカル・ロジェ、クリスチャン・イヴァルディ(Pf)
B.ブリテン/オイディウスによる6つの変容
ジャン=ルイ・カペザリ(Ob)
C.フランク/ピアノ五重奏曲
クリスチャン・イヴァルディ(Pf)、アレッサンドロ・モッチア、森悠子(Vn)、ジャン=フィリップ・ヴァッスール(Va)、フィリップ・ミュレール(Vc)
C.ドビュッシー/フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ
フィリップ・ベルノルド(Fl)、ジャン=フィリップ・ヴァッスール(Va)、イザベル・モレッティ(Hp)
E.ショーソン/ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏のためのコンセール
パスカル・ロジェ(Pf)、ジャン=ピエール・ヴァレーズ(Vn)ほか
毎年この季節になると、このコンサートを聴くのが楽しみだ。パリやリヨンの音楽院、エコール・ノルマル等の教授たちが大挙来日して京都で開催される「京都フランス音楽アカデミー」の、講師陣による室内楽演奏会。今年で18回めだそうだ。みなとみらい小ホールの美しい音響で、本場の巨匠たちによるフランスの室内楽の精粋を楽しむことができる。なんという贅沢。
去年はバッハとメシアンという組み合わせだったが、今年は見てのとおり、傑作ショーソンの「コンセール」をはじめとするフランス近代の名品揃い。
当初はソプラノのフランソワーズ・ポレがこれもショーソンの「終わりなき歌」とジョリヴェの「典礼組曲」を歌うとのことで、楽しみにしていたんだが、来日中止が残念。それにしたって例えばパスカル・ロジェとクリスチャン・イヴァルディのデュオ(!)でフォーレの「ドリー」だなんて、よそでは聴けるもんじゃない。
開演7時、終演は9時40分の、長いコンサートだった。この格闘技みたいに奔放にやり合う演奏を聴くたびに、練習(合わせ)はどのくらいやっているんだろう、と興味が湧く。「練習」というものの考え方は、おそらく私たちとはかなり違うのだろうが。
大晦日に東京文化でベトベンの8番を指揮していたヴァレーズ氏のヴァイオリンは、音量も音程もかなりに豪快な演奏だったけれど(^^;、音楽の、というか、フレーズの推進力が物凄くあるので、そんなに音程悪く聞こえないんだよね。面白いなあ。
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この方達のこれらの曲の演奏が聴けるとは誠にうらやましい限りです。福岡ではありつけませんねぇー。
投稿: おとう | 2007.04.06 22:04
うわー、こんなコンサート、知らなかったぁー! とても良さげ。
そして、みなとみらい小ホールもとても音響の良いホールですよね。昨年10月のなめら〜か第6回定期で体験しました。四重奏は四重奏として響き、また、サキソフォン十三重奏?(うー、スピットファイアが何人だったか忘れました)のエネルギーにも耐えられる、しっかりした音響を持ったホールと記憶しております。
投稿: よねやま | 2007.04.06 22:42
>おとう様
全く、毎年のこのコンサートでしか生では聴いたことのない曲や、聴く機会のない名匠というのが、たくさんいます。
有難いことだと思いつつ聴いております。
>よねやま様
これから新たに本格的な室内楽に親しもうという場合、いきなりベートーヴェンやシューベルトから入るよりも、こういう近代の色彩的なレパートリーの方が親しみやすいかもしれない、とは思います。
みなとみらいの小ホール、いいホールですよね。
客席に座るより、(リハーサルも含めれば)ステージに乗ったことの方が私としては多いくらいなのですが。
自分たちの演奏会でいつも出入りしているドアから、こういう世界的な巨匠たちが現れるのを見るのは、なんだか不思議な気分です。
投稿: Thunder | 2007.04.07 00:02