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2007.03.08

萩元さんのこと

Hagimoto Haruhikoとてもあたたかく心に残るコンサートを聴いた。

ハギモトハルヒコ 夢コンサート'07(カザルスホール)

プレコンサート(Org独奏:浅井寛子)
朗読:谷川俊太郎
モーツァルト/ヴァイオリンソナタ変ロ長調K.454(Vn:堀米ゆず子、Pf:児玉桃)
フォーレ/ピアノ四重奏曲第1番(Vn:フィリップ・グラファン、Va:今井信子、Vc:宮田大、Pf:児玉桃)
ポッパー/レクイエム(Vc:山崎伸子、加藤陽子、門脇大樹、辻本玲、堀内詩織、宮田大)
リドー/フェルディナンド~花の好きな牛(Vn:フィリップ・グラファン、語り:藤田弓子)
ラヴェル/弦楽四重奏曲(Vn:堀米ゆず子、フィリップ・グラファン、Va:今井信子、Vc:宮田大)
司会:マリ・クリスティーヌ

2001年に亡くなられたテレビ界・音楽界の名プロデューサー萩元晴彦氏をしのび、氏の誕生日に毎年ここカザルスホールで開催されているコンサート。
テレビマンとしての、あるいは「室内楽の使徒」としてのクラシック音楽プロデューサーであった氏の豊かで幅広い交友関係を物語る、見てのとおり驚くばかりに豪華な出演者陣による素敵なひとときだった。フォーレのピアノ四重奏曲凄かったなあ。アダージョ(3楽章)冒頭の今井信子さんのヴィオラの音には鳥肌が立った。チェロの宮田大という人はまだ桐朋の学生だそうだが、これほどの大物演奏家達に交じって全くひけを取らず堂々と自己主張している。先が楽しみだ。2005年の日本音コン1位だそうだが、きっと近い将来もっと大きなところに名前が出てくるに違いない。
藤田弓子さんの朗読(ヴァイオリン独奏とナレーションのための作品)も楽しかった。こんなにきちんとマイクに乗る、きれいな日本語の発音は久しぶりに聞いたような気がする。
しかし谷川俊太郎さんって、ホントにどこにでもいそうな普通のじいさんなんですね…

また驚いたのは、出演者ではないが、当日のステマネを、かの舞台裏の神様、まあちゃんこと宮崎隆男氏がみずから務めていたこと。なんと今日の主役の故人より年上の御歳80歳(!)にして、両手に椅子でも譜面台でも2脚持って曲間の舞台上を忙しく立ち回っておられた。
舞台上でお姿を見たのは久しぶりだったが、今も水戸芸術館のステマネとして現役なのだそうだ。すごい…。こういう人にはいつまでもお元気でいてほしいものです。

萩元晴彦さんには、私が15年前にカザルスホール・アマチュア室内楽フェスティバル(ACF)に出場した際に、一度だけ間近にお目にかかったことがある(萩元さんは当時、カザルスホールの総合プロデューサーを務めておられた)。
当時都内で活動していた、東京シティウィンドアンサンブルという、付けたもん勝ちな名前のサクソフォンカルテットで出場した時のことだった。私は30歳になったばかり、最年長でアルトを吹いていて、最年少は16歳、かわいらしい高校生だったソプラノのSさん。先生と生徒のように歳が離れているので「師弟ウィンドアンサンブル」、とか言ってたっけ(^^;
ソプラノとアルトは向かい合って座るので、練習や本番の度に真正面から若く一途な音とパワーが飛んでくるのがとても楽しみで、また眩しかったものだ。
終演後のレセプションでは、萩元さんはSさんをつかまえてかなり長いこと話し込んでおられた。Sさんは当時既に、将来はプロになりたいと言ってレッスンにも通い始めていた頃だったので、演奏を聴いた萩元さんとしては、プロデューサー的に何か感ずるところがあったのだろうと思う。
Sさんが将来プロになって、ここカザルスホールでリサイタルを開く未来を夢見ていたあの頃だった。

Sさんはのちに芸大に進み、卒業後はオランダのアムステルダムへ留学、今はかの地でサクソフォンと笙の演奏家、作曲家として活躍中とのこと。
Sさんが日本に帰ってきたら、また何か一緒に面白いことをやりたいな、と思っていたけれど、結局すっかり向こうに居着いてしまったようだ。

カザルスホールはと言うと、ご存じのようにバブル崩壊後の紆余曲折の末、「室内楽の殿堂」を夢見た設立当初の理想とは似ても似つかぬ姿となって、今日に至る。
ホールの名前にも、今は頭になんだかどっかの大学の名前がくっついているけれど、私にとっては「カザルスホール」は常に「カザルスホール」であり、それ以外の名前で呼ぶつもりはない。

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コメント

「マーちゃんが袖にいてくれれば、何もかも安心だった」と亡き岩城宏之氏は言った。

『マエストロ、時間です 〜サントリーホール ステージマネージャー物語』(宮崎隆男著、ヤマハ)、おススメです。

カザルスホールはどうやら、2010年3月をもって閉館ということのようです。
各ニュースサイトにはいろいろと記事は上がっていますが、日本大学の公式リリースはこちら。

http://www.nihon-u.ac.jp/news/2008/2008000111.html

結局のところ、日本大学は最初からいずれは取り壊すつもりでカザルスホールを取得したということだったんですな。
あーあ。
力抜けるわ。

私もWeb上でのニュースで、その閉館計画を知りました。こういう音響の良い、室内楽に適したホールは早々に取り壊され、音響が悪くても壊すに壊せない某・大ホール達は連綿として生き残るという、ナントも皮肉なお話。
 
カザルスホールは一度だけ、2007年5月下倉楽器主催のコンサートで行きました。ブラスアンサンブルのコンサート。辻本憲一、長谷川智之 (trp)、森博文 (hrn)、箱山芳樹 (trb)、池田幸広 (tub)、外囿祥一郎 (euph)という、ものすごいメンバーでした。scissors

いえ、ホールというものは、別に音の良し悪しには関係なく、どんなものであれ、そこに関わったすべての人の共有物なのですから、持ち主の勝手な都合で簡単に壊してよいというものではない、ということです。

私は13年前、新日本フィルのカザルス定期の会員でした。
2F・BR-26の極上の響きは、今でもこれを凌駕する東京の会場を知りません。

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