コンチェルト5曲
明日を担う音楽家による特別演奏会2007-文化庁芸術家在外研修の成果(東京オペラシティ・コンサートホール)
メンデルスゾーン/6つのオルガンソナタより 第2番Op.65-2(Org:長谷川美保)
サン=サーンス/序奏とロンド・カプリチオーソ(Vn:高橋和貴)
トマジ/サクソフォン協奏曲(Sax:有村純親)
ラヴェル/ツィガーヌ(Vn:瀬﨑明日香)
イベール/フルート協奏曲(Fl:甲斐雅之)
プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第2番(Pf:高田匡隆)
円光寺雅彦指揮 東京フィルハーモニー交響楽団
当日券で聴いてきた。文化庁の肝入りによる、留学帰りの若手演奏家たちの饗宴。最初の方はオルガンの独奏で(オペラシティのオルガンはなかなかそれらしい雰囲気で良かった)、あとの5名はオーケストラとのコンチェルト。たいへん聴き応えのあるコンサートだった。
とくに後半(休憩後)の3人はそれぞれに素晴らしく完成された音楽家で、サックスの印象をかき消してしまうものがあった(^^;。最後のピアノの方は、このドッカンな曲を、透明で艶やかな音色を最後の最後まで保ったまま弾きのけていたし、フルートの方はさすがN響の現役団員、ステージマナーも含めて余裕をかましている。バックのオケを思いやったかのごとき絶妙なテンポ運びも、もはやベテランの風格だし。
先日須川さんのイベールの時にも思ったけれど、サクソフォンという楽器はレパートリー上のハンデをなんとかするのが急務だと思った。有村さんの演奏が悪かった訳では決してないのだけど、次の「ツィガーヌ」がそうだったように、その楽器そのものの持つ魅力や特質を100%発揮できる名曲を持ってこないと、こういう無差別勝負の場では勝てないことを痛感。
サクソフォンのそういう曲って、例えば? イベール、ドビュッシーのラプソディ(これ、地味だけどたいへんな名曲だと思う)、吉松の「サイバーバード」、あと何があるだろう?
良いコンサートだったけれど、サックス吹きとしては少々複雑な心境。
バックのオケは、指揮者のせいかオケのせいか、なんか知らん(どの曲も)反応が悪く、「もっと先へ振れよ!」と心の中で指揮者をドヤシつけながら聴いてました(^^;。
須川さんのコンチェルト演奏会(昨年9月)の時と同じオーケストラとは思えなかった。
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おっ、Thunderさん、いらっしゃいましたか!(いないワケないよなぁ。終わったらケータイへ掛けりゃよかったぁ)
一番良かったなあと思ったのは、瀬崎明日香。土性骨が座っていた。ものすごく自由な「ツィガーヌ」。演奏が日本人っぽくない。何かに取り憑かれたよう。もう絶対ソリスト!という感じでした。もっとハジけちゃった場合、オケやピアノの伴奏が付いていけなくなっちゃうかも、と思ったくらい。そして、演奏から素に戻るとフツーの女の子になっていました。演奏する時だけ誰か別の人が憑依していたのでしょうか。えへへ。
「トマジ/サクソフォーン協奏曲」と「イベール/フルート協奏曲」を初めて聴き、とても良い曲だなと。CDが欲しくなりました。Thunderさんの推薦盤をご教示願えればと。
投稿: よねやま | 2007.02.07 01:04
瀬崎さん凄かったですね。ヴァイオリンという楽器の持っている「魔性」を強烈に感じたものでした。
私は別にトマジが嫌いな訳でも何でもないんですが、トマジのすぐ後にこんなものを聴いてしまったので、余計に本文中で書いたようなことを考え込んでしまったのでした。
トマジのサクソフォン協奏曲のCDですが、オケ伴はASVから1枚だけ出ているのですが、あんまり良い演奏ではありません。
須川展也による吹奏楽編曲版(佼成出版社/KOCD4002)が現時点ではベストかと。
イベールのフルート協奏曲は、2枚組の中の1曲ですが、ゴールウェイのものを是非お聴きください。バックはデュトワ指揮ロイヤル・フィル(BMG/BVCC38276~77)。
デュトワのイベールだったら、ハッチンス(モントリオール交響楽団首席奏者)との録音が有名ですが、私はゴールウェイのほうが良い演奏だと思います。
投稿: Thunder | 2007.02.07 01:59
そうそう、プーランクとかねぇー間に合っていれば。
サックスのレパートリー、全くもって同感です。
投稿: sax-ist | 2007.02.07 14:35
そうですね、…あとはラヴェルのサクソフォン四重奏曲が完成していたら、とか、サックス好きの黛敏郎とか芥川也寸志が大きなコンチェルト等を書いていてくれたら、とか。
投稿: Thunder | 2007.02.08 00:16
Thunderさん、こんばんは。トマジの協奏曲ですが、私は「FRENCH SAXOPHONE」というタイトルのCD(audite 97.500)を持っています。Dominique Tassotという人のソロ、ミュンヘン放送響、マンフレッド・ノイマン指揮です。トマジの他は、CAPLETのLegende、ABSILのFantaisie-Caprice、CONSTANTのMusique de Concert、DEBUSSYのRapsodie、が入っています。ASVからのCDは、これの事でしょうか?
投稿: うえの | 2007.02.11 21:01
>うえの様
あれ、どっかで聞いたような名前だな…と思ったら、持ってました、そのCD。(^^;
2004年4月30日購入、というメモがあったので、1回聴いてそのまま忘れていたようです(^^;;
これは結構いい演奏だと思いました。
ASVのほうはDuncan Ashbyというイギリスの奏者です。ジョン・ウィリアムスのテューバ協奏曲とか黛のシロフォン小協奏曲とか、他の曲目は面白いのですがねえ…
投稿: Thunder | 2007.02.12 22:25
やはり持っていらっしゃいましたか。私は、mckenさんのページに確認しに行ったついでに、Tassot氏がデュファイエ氏の門下生との情報を得て、デュファイエ氏のイベールの協奏曲のCDをネットで注文してしまいました。ヲタクって怖いですね。用心
しないと。。。
投稿: うえの | 2007.02.12 23:08