フランスの風
レ・ヴァン・フランセ(大田区民ホール・アプリコ)
J.ケージ/管楽器のための音楽
F.J.ハイドン/ロンドン・トリオ第2番、第3番
T.エスケシュ/MECANIC SONG(日本初演)
ベートーヴェン/ピアノと管楽器のための五重奏曲
プーランク/六重奏曲
Les vents français(フランスの風)。現代の世界管楽器界の最高の顔ぶれを、自宅すぐ近所の区営ホールで聴けるというのは、なんと贅沢なこと。
素晴らしい音楽だった。彼らの巧さ、プレーンでストレスのない振舞い、作ったり習ったりしたものという感じがなく自然に湧いて出てくる音楽的感興というのは、日本人の管楽器奏者がいくら巧くなったと言っても、越えることのできない彼我の差だという気がする。
彼らの音楽は基本的にフランス・ローカルではなく、インターナショナルなものを指向していると思うけれど(ハイドン、ベートーヴェンにジョン・ケージという曲目からして、そうだ)、これが最後プーランクとなると、待ってましたとばかりに正調フランス方向へ演奏がギア・チェンジされるのは、さすがだ。それまで比較的ファゴット的な音を出していたジルベール・オダンのバソンも、この曲になると俄然「そう、これだよこれ!」という音色が表れてくる。これはもう「血」のなせる業ですな。
このプーランクの六重奏という曲の、さまざまな相反する要素が同居する複雑なキャラクターを、手品のように解きほぐしていく。2楽章の最後、このような楽しさとやすらぎと、そして「儚さ」を同時に痛切に感じさせてくれたというのは、類例がない。
アンコールになんと、ルーセルのディヴェルティスマン。フランス産のピアノ+木五という編成のマスターピースのひとつであり、本プロ、またメインプロでも全く違和感ない傑作だ。これが聴けたのは良かったなあ。
終演後はロビーでCD即売会&サイン会なんぞを開催していた。スゲェ人数。
そのまま東中野へ出て、お誘いを受けていた、波多江さんをゲストに迎えた呑み会に途中合流。
これがまた楽しすぎ。明日早いので顔だけ出して帰ろうかと思っていたのだが、昨夜寝る前にちょろっと書いたとおり、結局2時間も居座って終電帰りとなりました(^^;。いやはや。
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とにかく、ここのブログに感謝!
ここでパユはいいよ、と言われて(書かれて?)いなかったら、この素敵なコンサートへ行かなかったかもしれません。
それにしても、まわりのお客さんは皆若くて美しい女性ばかり(恐らく皆様木管楽器奏者?)。私のような、如何にもサラリーマンは全く場違いな存在でした。えへへ。
私は1階前方の席で、帰りは上からエスカレータで降りるほうではなく、いきなり1階から外へ出たので、写真のような喧噪を全然知りませんでした。サントリーホールのトイレの行列より混んでいますね。
投稿: よねやま | 2007.02.11 00:42