「幕間」
Dr.円海山さんのブログで知ったのだが、YouTubeにルネ・クレール監督の映画『幕間 Entr'acte』(1924)がそっくりそのままupされている。→こちら
エリック・サティ作曲のバレエ『本日休演』の幕間で上映される映画として、やはりサティの付けた音楽が有名なこの映画、実際の音楽と一緒に観ることのできる機会は極めて稀なので、見ておいて損はないと思う(著作権は大丈夫なのか?)。
時間にして20分ほどの、特に具体的な筋書きのないシュールでアヴァンギャルドな映像の連続だけれど、冒頭サティとフランシス・ピカビア(美術担当)が登場して大砲を撃つ場面をはじめ、当時ルネ・クレール監督の周囲にいたダダイストやシュールレアリスト達が生出演している(マルセル・デュシャンとマン=レイがチェスをする場面は有名)映画として、現代芸術史の上でたいへん注目されている作品である。
昨夜2時過ぎ、自分のブログのコメント付けやら何やらひととおり終わってそろそろ寝ようかな、ってところで見つけて、そのまま最後まで見入ってしまいました。うう、眠くてたまらん。
高校生のときに読んだ秋山邦晴のサティ本でその存在を知って、観てみたいものだと思っていたが、実際に観ることができたのは20年近く経ってからだった。ピアニストの柴野さつきさんがこの映画のフィルムに合わせて実際のサティの音楽をピアノで弾く、というコンサートを開催していて、そこで観た(聴いた)のだ。たいへん面白かった。その時からも既に10年以上が経つ。
なお、サティの音楽だけだったら、CDは比較的容易に入手可能。
ウチにあるのはErato(ワーナー)の、2枚組廉価盤。マリウス・コンスタン指揮ほか。
収録作品:
映画「幕間」のための音楽、猿の王様を目覚めさせるためのファンファーレ、家具の音楽、ヴェクサシオン(E.サティ)
「聖セバスチャンの殉教」交響的断章(C.ドビュッシー)
三声のミサ(A.カプレ)
ちなみに、これに収録されているヴェクサシオンは、840回の繰り返しが指定された史上最長の音楽作品として、いつぞやのTVのへぇ番組でも紹介されたことがあった(このCDでは10~11回ほど繰り返している)。
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» 幕間に幕間を・・・・ [六国峠@ドクター円海山の音楽診療室-無用な営みの、えも言われぬ、この上なき喜び]
幕間
サティーのバレー音楽で有名な「本日休演」の幕間に流された映画を素材にした映画
がようつべに・・恐るべし。
最終部分激しくワロタ・・・ケリはいかんよ蹴りは・・・(笑)
「欽ちゃん走りの原点が?」も拝めるのがマーベラス!!
音楽は当然サティーで冒頭に大砲を弄っているのは紛れもなく生サティー(笑)
尚音楽はこちらで再演奏された音盤がありませう。
サティ:管弦楽作品集
サティ / / ワーナーミュージック・ジャパン
ISBN : B0000ARKE5
... [続きを読む]
初コメントです☆
学生時代の私の卒論のテーマ、「家具の音楽の
思想」だったんです(ピアノ科とはあまり関係ないので、先生方にはあまりいい顔されなかったのですが)。
参考文献集めまくったので懐かしく、飛びついてしまいました。
『幕間』、今すぐにでも見たいのですが、同じ部屋で子供たちが寝ているので音を出せず・・・。
いつか見られるのを楽しみにします。
投稿: まきまき | 2007.02.08 23:25
いらっしゃいませ☆
専門家登場ですね(^^)
それにしても、子供が寝ているような部屋のPCで、こんな貴重な映像をいつでも観ることができるなんて、ネット時代恐るべし、です。
投稿: Thunder | 2007.02.10 02:38
「幕間」、なぜか持ってます。
日本のDIGITALOGUEという会社が1994年に発売した、MacフォーマットのCD-ROM。タイトルが「20's Avant Garde - Old Treasure Films 3」。
動作環境がCentris650(CPU 25MHz)、System7以上、QuickTime1.6.1、HyperCard J-2.1、というその当時の最新! HyperCardなんて無くても、Windowsであっても、QuickTimeがあればフィルムだけなら見れます。先程やってみたら、自分のiMac G5(1.8GHz PowerPC G5、Mac OS X 10.4.8、QuickTime7.1.3)で見れました。
監修をしていた高杉さんとはなぜか知り合いで、彼に薦められて買ったのですが、当時「著作権が皆切れているんだ」とおっしゃっていたのを記憶しています。うわー、あれからもう13年も経っているんだあ。
他に、フェルナン・レジェとダドリー・マーフィーの「バレエ・メカニック」、マン・レイの「ひとで」、そしてルイス・ブニュエルの「アンダルシアの犬」が収録されています。
投稿: よねやま | 2007.02.11 02:29
そんなものが出ていたのですか。すごそうなラインナップ。「アンダルシアの犬」は有名ですね。
CD-ROMというのがまた、アンダーグラウンドぽい雰囲気が。
投稿: Thunder | 2007.02.12 22:08
>CD-ROMというのがまた、アンダーグラウンドぽい...
イエィ!
1994年発売ということは、翌年Windows95が出るワケだよね。そんな頃にこういうことをやっていたんだね、この会社。ちなみに、「幕間」のQuickTimeファイルは約140MB。先述したとおり、今でもきちんと見れます。グー。
投稿: よねやま | 2007.02.12 22:55