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2006.12.13

阪口先生の録音

Arata_sakaguchi阪口新(さかぐち・あらた、1910.1.2-1997.11.3)。
元東京藝術大学名誉教授、日本におけるクラシカル・サクソフォンの開祖として、イベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」をはじめとする数多くの作品を日本初演し、幾多の門下生を育て、今日の日本サクソフォン界の隆盛の礎を作った人物として、あまりにも名高い。
私自身、阪口先生の演奏を何度も聴き、80-90年代のセルマーのキャンプで最晩年のレッスンぶりを覗き見たり、宴席でお話しさせていただいたりという貴重で名誉ある機会を得たことを、誇りに思っている。お聞きしたいことはまだまだたくさんあったのだが。
阪口先生のことを直接はご存じなくとも、日本でクラシック音楽をサクソフォンで吹く人間は全員先生の弟子のようなものだし、またその著書である「サクソフォーン教則本」(全音楽譜出版社)に、キャリアの最初期にお世話になったサックス吹きも数多いに違いない。吹き方の良い例、悪い例をご本人自らやってみせた写真が載っていて、私も中学生の頃に初めて見た時には「誰だこの○ゲ頭のオッサンは?」と思ったものだった。(^^;

さて本題。昨日、木下さんから私の家に届いた資料の中に、その阪口先生が1964年に吹き込んだ「世界のメロディ~アルト・サックス・ムード」と題するLPレコードがあったのである。(クリック拡大)

Arata_sakaguchi_lp
日本コロムビア ALS231 (C)1964
アルト・サックス阪口新、編曲岩河三郎、高珠恵ステレオ・ストリングス

これは、凄すぎる。ちょっと衝撃的だった。今では顧みられなくなってしまった「ホームミュージック」というジャンルのレコードだけれども(私が子供の頃には、この手のインスト物の軽い曲目のレコードというのは、結構どこの家にもあったような気がする)、現代という時代がどこかに忘れてきたような根源的な「音楽そのもの」が、そこから聞こえてくるかのようだ。
マルセル・ミュールが活躍していたような「古き良き時代」ははるか昔のことだと思っていたけれど、1964年という、私自身ももう生まれていたような頃にだって、「そういう音楽」は、あるところには当り前にあったのですね。

私一人で音源を抱えているのはあまりに勿体ない。つべこべ言わずに聴いてみてくれ、ということで、iTunes4を使って3曲ばかりMP3にしてみました。聴ける環境のある方はひとつ聴いてみてください。
詳しい説明は省くけれど、著作権的にはおそらく問題ないと思われます。また、この先この音源が商業的に再発売される可能性もほぼ皆無と思われるので…

ラ・パロマ
ローレライ
追憶(スペイン民謡)

阪口先生の演奏が聴ける録音ということでは、7年前に書いたものですが、本家サイトの方にもこんな文章を書いています。併せてお読みいただければ幸いです。

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サクソフォン」カテゴリの記事

コメント

…!

これまた貴重な録音ですね!MP3ファイルさっそく聴いています、ありがとうございます。サックスの部分だけ、まるでタイムマシンにのせて運んできたような音色ですね…。

阪口新氏は、私の世代(1985年生まれ)周辺ではリアルタイムでは全く触れる機会のなかった奏者ではありますが、しかし使い古された「黄色い教本」は、中学・高校・大学と手にとって見ていましたね…。

うちの師匠は阪口先生の弟子だったので、先生のことなど話をしてくれました。セルマーキャンプでは直接お話をさせてもらったこともあります。独学でサクソフォンを勉強するほどの耳の良さ。まねなどできないことだと思いますね。阪口先生が現役第一線演奏家のときはすごかったとよく師匠が言っていました。阪口先生は、ほんとうにサクソフォンを愛しているんだなあというのが私の印象です。

もぅー!!たまりませんねぇ!!
暖かく、嬉しいような、幸せを与えてくれる演奏ですね。何度か一緒に飲んで、さかやんの頭にキスしたのを思い出します。音楽です。
是非、他の曲も・・・お願いします。

>kuri様
「黄色い教本」は吹奏楽の部室や楽譜棚には必ずありましたね。ボロボロになってて、阪口先生の顔写真にイタズラ書きがしてあったりして。
収録のデュエットの曲をよく後輩などと吹いたものです。

>井伊様
元々の専門はチェロだったというのは有名な話ですね。クラリネットも独学だったそうですが、「ラプソディ・イン・ブルー」冒頭のグリッサンドなど当時並ぶもののない上手さだったそうで、米軍占領下のオケでは引っ張り凧だったとのことです。

>おとう様
「音楽です。」御意。
頭にキスしたことはありませんが(笑)、私もセルマーキャンプの夜の宴会でお話をしたことがあります。
最初に、サインを貰おうと思ってラクールのエチュードをおずおずと差し出したら、私の顔をちらと見て「なんだ、男か」と言われました(苦笑)

 正に今日には存在し得ない「音楽」ですね!70年代・80年代前半には、まだ辛うじて残っていたかもしれませんが。(何故か、ラジオのジェットストリーム辺りが思い浮かびました。)

「存在し得ない」とはどういうことでしょう?
私は断じて違うと思います。かつてそれは当り前に存在していたし、今でもたぶん存在しています。ただそれは見えにくくなっていて、それが明らかに見えていた時代の空気に触れて私はショックを受けたのです。
小串さんやモレッティ氏の試みというのは、「それ」を現代の流儀で見えるようにしようという挑戦だと、私は思っているのですが。

んああああぁ〜
こういうのやってみたいなあ!
(↑言うのはタダだから許してください)

私が「浦和に住んでるんです」って言うと、レッスンに通われていた方々はみな、
「んまああ懐かしい!昔ね、(以下略)」と、少し幸せな顔をして、おっしゃるんですよね。宝物のような思い出が、たっぷりあるんだろうなあ、といつもその度に思います。

やってください。是非。
貴女だったら出来ます。>ニジマスさん

教えてください!

ラ・パロマ・・・楽譜とCDを探していますが、

        入手方法は?

            =喜久安 恵=

「ラ・パロマ」ですが、有名な歌ですからSheetMusic Plusとかで検索してみると、それなりに楽譜は出ているようです。
ここで演奏されている版の楽譜、ということでしたら、ちょっと無理な相談ではないかと思います。この類の楽譜は、レコード会社がその録音のためにアレンジャーに依頼して書かせるもので、よほどの事情がない限り公にされることはありませんし、そもそもが40年以上も前のものですから。

少々真意をはかりかねる質問でしたので、お答えすべきかどうか迷ったのですが、とりあえず。

初めまして、宮城満と申します。
アカデミア・サクソフォン四重奏団を調べているうちに、こちらのホームページにたどり着きました。
高校時代は、阪口先生の「黄色い教則本」を練習し、宮島基栄先生のソノシートで、初めてプロの音を聴きました。
上京し、アカデミア・サクソフォン四重奏団で、初めてサクソフォンの四重奏を聴きました。
大学受験で、石渡先生にレッスンを受け、大学では中村均先生にレッスンを受けました。
ホームページに書かれていますが、私も「阪口先生の弟子か!」と、妙に勝手に関心しています。
このホームページで、 阪口先生の演奏を聴くことができて、大変びっくりしています。貴重な資料を提供して頂きまして感謝いたします。

コメントありがとうございました。

宮島先生のソノシートや、アカデミア・サクソフォン四重奏団…ということは、かなりのベテランの方とお見受けしました。
そのような方に発見していただいて、嬉しく思っております。

私は今ではサックスでも仕事をしますが、専門はオーボエで、高校の時、阪口先生に褒められた事があるんです!アンサンブルコンテストの全国大会で私が二年の時、確か広島だったと思います。私たちは編成としては不利な木管五重奏でイベールの”三つの小品”で出場してまあまあの銀賞でしたが、阪口先生が審査委員長でした。私たちの演奏の後、休憩時間にたまたま階段ですれ違った阪口先生に呼び止められ、”おお、お前はXX高校のオーボエ吹きだったな。良い音してたぞ!”もうその後は、私個人にとっては結果などどうでも良くなっちゃいました。講評でも先生は何度も音色の重要さを強調されていたので、其の先生に褒められたのは私にとって一生の宝です。その後の某雑誌上の各演奏団体の講評にも、”全体的に音程の不安定さが気になった”と書かれた後にわざわざ、”オーボエはなかなか良かった”と付け加えてくださっています。
今私はアメリカ中規模地方都市在住で有名でも何でもありませんが、曲がりなりにも音楽だけで飯を食っています。(生活は惨めなほど苦しいけど。)オーボエとテナーサックスの音の良さのコメントはよくいただきます。

コメント有難うございます。気づかずすっかり遅くなってしまい申し訳ありません。

阪口先生が審査員をされた広島のアンコン全国大会というと、1980年代の初め頃でしょうか。某雑誌での阪口先生の講評もなんとなく読んだ記憶があります。「グラーヴェとプレスト」で金賞を受賞した団体が続出して、「あれは難しそうに聞こえるだけで本当はそんなことはないのだ」と苦言を呈されていたのではなかったかと。
私は大学生で、サックスアンサンブルの面白さをまさに知り始めていた頃でした。なつかしい時代のことを思い出させていただきありがとうございました。

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阪口先生の録音 アマチュアサックス吹きを15年も続けていますが, 「地方在住だから」 を半ば言い訳にしつつ, 日本のクラシカルサクソフォンの草分けである 坂口新先生の録音を探す努力をしていなかった自分を恥じるとともに, この音源のCD化を強く望む. ちなみに,学生... [続きを読む]

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