2006、印象に残った演奏会
大晦日。今年最後のエントリになります。
今年聴いたコンサートの中で、印象に残っているものと言ったら…
やっぱり、デプリースト指揮都響のショスタコーヴィチ「8番」ほか、でしょう。ショスタコーヴィチというと時の「ソ連」体制とのかかわりばかりが話題にされるけれど、そんなものを超えた「音楽」そのものでこれほどの内容が語れるとは…
都響ではほかに、インバル指揮のアルペンシンフォニー、大野和士指揮の「火の鳥」ほか、デプリースト指揮のブルックナー「2番」あたりが印象深い。
今年は都響以外のオーケストラ、特に海外オケを聴く機会が相対的に少なかったので、オケ物では他の印象が少々薄い。でも初めて聴いた札幌響は素晴らしかった。また聴きたい。グラン・カナリア・フィルのローカルな味わいは良かったけれど、2006年を代表するような素晴らしさだったかというと、少し物足りないような。
来年は大変だぞ。11月にはパリ管、フランス国立リヨン管、ギャルドが一気に来る。フランス音楽好きにとっては悲鳴の月。
金貯めておかなきゃ。
ピアノ、室内楽系は、多士済々。
何年ぶりかでやっと生で聴けたモーリス・ブルグのオーボエ。みなとみらいで聴いた、メシアン「世の終わりのための四重奏曲」。ジェラール・プーレVn、ロマン・ギュイオCl、フィリップ・ミュレールVc、クリスチャン・イヴァルディPfという強烈なメンバーだった。
サクソフォンのコンサートはですね…
待望のハバネラ来日公演も、栃尾さんのバリトンリサイタルも、須川さんのコンチェルト・オン・ステージも、勿論良かったんだけど、いま「今年最も印象に残った」、という観点で思い起こすと、年明けほぼ一発めに聴いたクインテット・シルクが不思議と忘れがたい。
つい先日のサクソフォーン・フェスティバル2日めにも、この時と同じメンバー、同じ曲目のグリーグ「ホルベア」を再び聴くことができた。ある意味「プロ」らしくないほどの、細部への執拗なこだわりを感じさせながら、決して末端肥大に陥らない、冬の森の冷たい空気の中を一散に駆けていくような、「爽やか」といってもいい一心に集中した快さがあった。
長いことサクソフォンのコンサートを聴いてきて、一時期、一部の若い人(私より一世代若い人達)の演奏にどうしても馴染めない時期があった。
あんなにものすごく上手なのに、なんでこんなに「音楽」が感じられない演奏をするんだろう?と不思議だった。
そういうものは聴きたくないので、一時敢えてあまり若い人の演奏を聴かないようにしていたくらいで。
それでも、もっと若い世代の中から、音楽の本質というものを、若さならではの直感でもってきちんと捉えている人達というのが、数は少ないながらも着実に現れてきているのが判って、嬉しいことだ。
サクソフォンって楽器も、捨てたもんじゃない。
さて、振るマラソン、今から行ってきます。
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2006年はルツェルン祝祭、ニューヨーク・フィル、ウィーン・フィル等が来日しましたが、海外オケを聴きたいと思えど、チケットが余りに高し。だから行けてませんし、従って費用対効果が出ている演奏なのかも定かではありません。音楽評論を読もうと思えど、日本の評論家の中にはチケット代、下手するとお車代までもらってコンサートへ行っている人もいるらしく(海外の評論家の人達は自腹)、そんな連中の来日オケの評論など当てになりませんので、指針がなく、困ったもんです。
投稿: よねやま | 2007.01.02 16:05