今世紀初?デュオ宗貞・渡辺
宗貞啓二・渡辺美輪子デュオ・コンサート(アクタス ノナカ・アンナホール)
ヴィヴァルディ/調和の幻想 op.3-8
J.B.サンジュレー/デュオ・コンセルタント
G.ラクール/ドゥブル・ジュー
フォーレ/夢のあとに
ショパン/小犬のワルツ
マスネ/タイスの瞑想曲
P.アルマ/ディヴェルティメント12番
R.グリマル=オルモス(Rafaël Grimal Olmos)/コンチェルティーノ
宗貞啓二、渡辺美輪子(Sax)
渡辺麻里(Pf)
サクソフォンデュオチームの草分け、宗貞・渡辺師弟コンビ久々のコンサート。
セルマーキャンプでのコンサートで聴いた頃以来、単独リサイタルだったらもっと前のことだから、10年ぶりくらいになるだろうか。
客入りは上々、会場が小さいせいもあるけれど、開演10分前に到着したらもう一番前の2列にしか空席がなく(最終的にはかなりの立ち見が出た)、間近に音を浴びることとなった。
宗貞啓二氏といえば、「プロ中のプロ」という印象が私としてはあるけれど、今回久々に間近で音を聴いてみてその理由が分かったような気がした。音圧がすごいのだ。たとえp(ピアノ)であっても、宗貞先生がロングトーンを吹くと床やら椅子やらがビリビリと共振するのが判る。このアンナホールではいろいろなサクソフォン奏者の演奏を聴いてきたけれど、ここまでというのはあまり経験がない。(先日聴いた)モーリス・ブルグの演奏を思い出した。
宗貞氏はよく都響に乗っているので、東京文化やサントリーといった会場で聴く機会が多いけれど、そういう大きなアコースティックを持つ会場でのあの音の浸透性と見事なレガートの秘密の一端を見た思いだ。
同属楽器のデュオというのはある意味、人間関係の目に見える縮図みたいなもので、聴いていて意外と退屈せず面白く聴ける(サクソフォンのラージアンサンブルのコンサートなどの方が、むしろ同じ音色が続いて退屈するのかもしれないと思った)。耳慣れない曲もそれなりに興味深く聴くことができたが、やはり長年やっていて手の内に入っているアルマ作品が、さすがの演奏。
宗貞センセの脱力系ボヤキMC(^^;にて場内の笑いをつなぎながら、コンサートは進む。
曲間でぼそぼそと喋る宗貞氏を心配そうに?見つめる美輪子センセの視線も、なんだかお母さんが子供に向ける視線を連想させるようで、歳月は容赦ないことではある。
4時開演で終演は6時20分。結構長かったが、楽しいコンサートでした。
アンコールに、プーランク「エディット・ピアフ讃」(サックスで聴くと、冒頭のフレーズが「枯葉」のパロディだって事がはっきりと判る)、作曲者不詳「おし花」(宗貞氏の思い出の曲だそうで、氏のソロで演奏。編曲は宗貞Jr.とのこと)、モーツァルト「トルコ行進曲」。
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ビリビリわかります!!(>_<)
受験生の時、レッスンで足元にブーンと響いてきて、
とても驚いたのを思い出しました☆
今でもあの響き実感する度、興奮しちゃいます♪
投稿: みぇのすけ | 2006.11.28 13:06
ということは、たとえpでも、並みの人のmfとかより音波としてのエネルギーは大きい、ということなんでしょうね。
それがpに聞こえるということは、pに聞こえさせるような音色やイントネーションのコントロールが出来ている、という。
すごい。
投稿: Thunder | 2006.11.30 00:13