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2006年11月

2006.11.29

予選通過後初練習

アンコン県大会へ向けての練習のため、予選終了後の初集合。
11月中は、なんと今日この時間しか、4人のスケジュールが合う時がなかったのだ。(>_<)
6時に職場を飛び出して、柿生へ。歳末の近い忙しさの中、6時に退社できたのはほとんど奇跡に近かったけれど、他のメンバーの話を聴いても皆かなりメチャクチャな忙しさのようで…。とめ氏は同僚が鬱病で入院しちまった(その分の仕事まで抱え込んでいる)そうだし、Tセンセは練習中に急に生徒(中学3年)の親から進路の件で電話がかかってきて10分以上中座するし。ひとりで文句は言えません。

しかしこの忙しさの中、私が加入するよりもっと前から、20年近く、それでもアンコンにだけは出続けている。大したもんだ、と、誰も言ってくれないから自分で言ってしまう。永年表彰とか無いのかな。あるわけないか。
平均年齢40歳をとっくの昔に超えた我々みたいなチームと、学校出たてで勢いがあり余っていて練習時間もいくらでもある若い連中とが、学生ではないという理由だけで同じ土俵で勝負させられるのは、正直きついっす。「シニアの部」とか、あればいいのに。

夜が更けて空が澄んできて、急激に冷え込んできた。秋が深いです。

2006.11.26

インバルが帰ってきた!

Tirasi061125東京都交響楽団 第635回定期演奏会(サントリーホール)

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番(Pf:エリソ・ヴィルサラーゼ)
R.シュトラウス/アルプス交響曲
 指揮:エリアフ・インバル

本日(25日)2本めのコンサートへ急ぐ。
アクタスからサントリーホールって、30分もかからないのね。

以前は毎年のように都響に客演していたマエストロ・インバル、7年ぶりの登場。
かつて聴いた、マーラーやワーグナー(「ワルキューレ」全曲)の素晴らしさは、今なお鮮烈な記憶が残っている。
今回、大いなる期待は全く裏切られなかった。ブラヴォー。

前半ベートーヴェンを弾いたピアニストはなかなか内省的な演奏をする方で、席が遠かったせいもあり(RDブロック)、ちょっと眠くなった。だけど演奏終了後の拍手はすごかったし、オケのメンバーの拍手もいつになく本気が入っている感じだったので、きっと良い演奏だったのだろう。
後半「アルプス交響曲」。これは圧巻!巨大なスケールを現出する指揮と、随所に仕掛けられたトラップのような演奏上の難所を次々とクリアする、舞台上狭しと並んだ超大編成のオーケストラ。
緊張感とカタルシスにみちた、別世界に連れ去られたような1時間を過ごした。

インバルという人は、音楽をドラマとして演出したりはしない。
音楽自体がどんなドラマよりもドラマティックなドラマであることを、指揮棒1本で表すことのできる、真の「指揮者」、真の音楽家だ。

終演後はまさに爆発的な拍手、今年一番のようなブラヴォーの嵐。
次は来年の12月、マーラーの6番と7番、そしてベートーヴェン「第9」ですか。これは本当に楽しみだ。
ライバルであったベルティーニが亡くなった(都響のポストから外れた)せいで再び都響に来れるようになったのだとしたら、少々複雑な気分ではあるが…。

2006.11.25

今世紀初?デュオ宗貞・渡辺

Duo061125宗貞啓二・渡辺美輪子デュオ・コンサート(アクタス ノナカ・アンナホール)

ヴィヴァルディ/調和の幻想 op.3-8
J.B.サンジュレー/デュオ・コンセルタント
G.ラクール/ドゥブル・ジュー
フォーレ/夢のあとに
ショパン/小犬のワルツ
マスネ/タイスの瞑想曲
P.アルマ/ディヴェルティメント12番
R.グリマル=オルモス(Rafaël Grimal Olmos)/コンチェルティーノ
 宗貞啓二、渡辺美輪子(Sax)
 渡辺麻里(Pf)

サクソフォンデュオチームの草分け、宗貞・渡辺師弟コンビ久々のコンサート。
セルマーキャンプでのコンサートで聴いた頃以来、単独リサイタルだったらもっと前のことだから、10年ぶりくらいになるだろうか。
客入りは上々、会場が小さいせいもあるけれど、開演10分前に到着したらもう一番前の2列にしか空席がなく(最終的にはかなりの立ち見が出た)、間近に音を浴びることとなった。

宗貞啓二氏といえば、「プロ中のプロ」という印象が私としてはあるけれど、今回久々に間近で音を聴いてみてその理由が分かったような気がした。音圧がすごいのだ。たとえp(ピアノ)であっても、宗貞先生がロングトーンを吹くと床やら椅子やらがビリビリと共振するのが判る。このアンナホールではいろいろなサクソフォン奏者の演奏を聴いてきたけれど、ここまでというのはあまり経験がない。(先日聴いた)モーリス・ブルグの演奏を思い出した。
宗貞氏はよく都響に乗っているので、東京文化やサントリーといった会場で聴く機会が多いけれど、そういう大きなアコースティックを持つ会場でのあの音の浸透性と見事なレガートの秘密の一端を見た思いだ。

同属楽器のデュオというのはある意味、人間関係の目に見える縮図みたいなもので、聴いていて意外と退屈せず面白く聴ける(サクソフォンのラージアンサンブルのコンサートなどの方が、むしろ同じ音色が続いて退屈するのかもしれないと思った)。耳慣れない曲もそれなりに興味深く聴くことができたが、やはり長年やっていて手の内に入っているアルマ作品が、さすがの演奏。

宗貞センセの脱力系ボヤキMC(^^;にて場内の笑いをつなぎながら、コンサートは進む。
曲間でぼそぼそと喋る宗貞氏を心配そうに?見つめる美輪子センセの視線も、なんだかお母さんが子供に向ける視線を連想させるようで、歳月は容赦ないことではある。

4時開演で終演は6時20分。結構長かったが、楽しいコンサートでした。
アンコールに、プーランク「エディット・ピアフ讃」(サックスで聴くと、冒頭のフレーズが「枯葉」のパロディだって事がはっきりと判る)、作曲者不詳「おし花」(宗貞氏の思い出の曲だそうで、氏のソロで演奏。編曲は宗貞Jr.とのこと)、モーツァルト「トルコ行進曲」。

2006.11.24

「東ドイツ」の「アルル」

シュターツカペレ・ドレスデンが来日中。
旧東ドイツの、私のとても好きなオーケストラで、一度生で聴いてみたいのだが、今回はありえない値段設定(S席29000円!)と興味のない指揮者ゆえ、見送り。

スウィトナーがこのオーケストラを振ったモーツァルトの交響曲(Deutsche Schallplatten原盤)は、大学生の頃からの愛聴盤だった。
1986年頃にCD化され発売されたもので長年聴いていたのだが、最近ハイパー・マスタリング・シャルプラッテン・ベストというシリーズで再発売されたものを試しに聴いてみたところ、音質向上が著しいので、買い替えてしまった。
同じ音源でも、CDのマスタリングによって音色が変わる例は多いけれど、ここまで印象を一新したものは珍しいかもしれない。

Cd125今日はそのCDではなく、同じシリーズで再発売された「アルルの女」ほかの話。

ビゼー/「アルルの女」組曲第1番、第2番、小組曲「子供の遊び」、組曲「美しいパースの娘」
 ハインツ・レークナー指揮 ベルリン放送交響楽団(KICC9414)

上のリンク先にもある、宇野コーホー氏の煽り文句につられて買ったようなところもある(宇野氏の口調というか御意見は、笑い話の肴にしつつも、結構参考にしている)。純ドイツ風の「アルルの女」てのは、どんなもんでしょう、と思って聴いてみたが、まあ、ビゼーはビゼーでした。いくらなんでもいきなりブラームスみたいな音になったりはしない。
オーケストラはドレスデンではないけれど、ちょっと共通する印象のある、ベルベットのような感触の瑞々しく溶け合った響きは、なかなか新鮮。ソリスト集団のような昔のフランスのオーケストラの音とは、対極か。

サクソフォンはオケのクラ奏者の持ち替えだろうか。なかなかこの、何と申しましょうか、強烈な音だ。
時は1970年代、ところは「鉄のカーテン」の向こうの東ドイツ。すぐ隣のベルリンフィルで、フランス人のデファイエという人がどんなサックスの音を出していたか、なんて、絶対知る機会はなかったんだろうなあ。
「下のシの音?p?出にくいんだよねこれ、いいや吹いちゃえ」、とばかりに、ブリッと吹いてしまう、みたいな感じ。
だがこの「アルルの女」第2組曲のメヌエット、スコアをよーく見てみると、あきらかにフルートソロよりサックスのオブリガートの方が大きく出るように書いてないか?…ということに気付かされる演奏でもある。

Arlesienne

「アルルの女」のスコアは、こうしていろいろな演奏とともに読み返してみると、今なお新しい発見がある。
指揮者のジョージ・セルは、「オーケストレーションの勉強をしたかったら、ビゼーのスコアを徹底的に読め」、と若い音楽学生にアドバイスしていたそうだ。判る気がする。

2006.11.23

【連載】マルセル・ミュールの生徒たち 14

この連載の趣旨、見方については連載第1回のエントリをご参照ください。

1955-1956

BALET, Guy
DENIZART, Francis
FIGUIER, Romuald
HEMKE, Frederick (U.S.)
HENRI, Michel
JULES, Jacques
LARCHEVÊQUE, Jacques
LEPÈVE, Michel
MOMESSO, René
NOUREDDINE, Jacques
OLLIVIER, Jean
PARICKMILER, Raymond
REYMOND, Gilbert

試験曲:Prélude, cadence et finale (Alfred Desenclos)

Frederick L. Hemke(1935.7.11-)は、パリ音楽院サクソフォン科を一等賞で卒業した最初のアメリカ人として、あまりにも有名。
Northwestern University School of Music教授(現職)として、日本人を含む多くの門下生がおり、とくに故大室勇一氏の師匠であったことによって、日本のサクソフォン界にも大きな影響を及ぼしている。

試験曲はあの「PCF」だったのですね。そういえば1987年にヘムケ氏が来日してマスタークラスを開いた際、この曲を持ってきた生徒にそう言っていたっけ。「この曲は私がパリ音楽院を卒業した際の課題曲でした」と。
気のせいか他の生徒よりもレッスンが気合入っているように見えたものだった。

Cd124有名なレコーディングは少なくて、教育者としての名声に比して演奏家としては「幻」に近い存在だったけれど、最近Simple GiftsというソロCDがアメリカでリリースされ、やっとじっくりとその音楽を聴くことができるようになった。
マルセル・ミュールの音楽の輝きと暖かさを受け継ぎながら、ある意味人を突き放すような高潔さを感じさせるその音色は、アメリカの多くの奏者にありがちな豊穣で柔らかではあるけれど音楽が大雑把な連中とは一線を画す、気高くヒロイックなもので、私はたいへん感銘を受けた。
しかしこれ、ヘムケ氏65歳頃の録音ですか。感嘆。しかし向こうの方々というのは演奏家生命長いことで。

ヘムケ氏の公式ウェブサイトでは、これまで参加した録音や、今までノースウェスタンに在籍した生徒の一覧表などを見ることができる(あのデヴィッド・サンボーンがノースウェスタンの出身だった、ってことには、びっくり)。
以前のエントリへのコメントでも書いたけれど、ヘムケ氏はマルティノン指揮の「アルルの女」、小澤指揮の「展覧会の絵」、ストコフスキー指揮の「黄金時代」(ショスタコーヴィチ)、ショルティ指揮の「ボレロ」など、シカゴ交響楽団のいくつかの録音に参加しているらしいことが判る。
それと知らないうちに結構耳にしていたんだなあ。…

他の方では、Jacques Noureddineは南仏トゥールーズ在住のサクソフォン奏者で、ミシェル・プラッソン指揮の「アルルの女」劇音楽版のCD(EMI)に名前がクレジットされている。
現代フランス・シャンソン界の第一人者である歌手ジュリエット(1962-)は、娘さんとのこと。

2006.11.20

健康診断のあと

朝、年に一度の健康診断。
バリウム飲むのはだいぶ慣れたけれど、その後で貰う下剤がどうも身体に合わないようで、終日調子悪し。かといって飲まずにお腹の中で固まっちゃうとまた地獄を見るし。
2時間遅れで行った職場を、早々に退く。

Tirasi061120今日は招待をいただいていたコンサートがひとつあって、行こうかどうしようか迷ったけれど、職場から近いのでとりあえず行ってみた。平野実貴さんというピアニストの、モーツァルトのピアノ協奏曲の夕べ(浜離宮朝日ホール)。

初めて聴くピアニストだが、K.466(第20番)での何か憑かれたようなデモーニッシュな演奏が印象的だった。
それより、臨時編成のオーケストラ(コンマス森下幸路、弦の編成は5-5-3-2-1)のバックが大変すばらしく、そちらの方が感銘を受けたかも。ピアノソロが出てくるまでの序奏部の雄弁なことといったら!メンバー表を見てみると物凄い顔ぶれが並んでいて(たとえば管だったら、Fl佐久間由美子、Ob広田智之、Cl高橋知己、Hn吉永雅人、Tp高橋敦、Timp近藤高顕…)、思わず納得。
以前、カザルスホールくらいの小さめのホールで好んで室内オーケストラを聴いていたことを思い出した。そういえば最近そういう機会が無くなっていたなあ。

とりあえず、行って良かった。未だお腹の調子はよろしくないけど。

2006.11.18

年末&来年に向けて

なめら~かの練習に、先日の演奏会終了後初参加。

この時期は、来年度の活動に向けてのさまざまな準備や試みのための、貴重な余裕あるひととき。
初見の楽譜とかもいくつか音出ししたあと、夜間は場所を移して、団員総会(といっても出席者は6人;)と称し、演奏会の反省やら会計報告やら話し合いやら、いろいろ。

【お知らせ】
きたる12月23・24日に開催される、第26回サクソフォーン・フェスティバル日本サクソフォーン協会主催)の、23日のアマチュアパフォーマンス部門に出場することになりました。
曲は私たちの委嘱編曲作品、高橋宏樹さんの「月森の詩」八重奏バージョン。新しいレパートリーを広く世に紹介するという意味でも意義があると考えた次第。
会場はパルテノン多摩。歳末のお忙しい時期とは思いますが、土日の2日間、日本のクラシカル・サクソフォン界の現在を一望できる催しと思いますので、皆様是非ご来場くださいませ。


来年の手帳を買った。
この20年近く、ずっとridoのミニプランナーというドイツ製の蛇腹式手帳を使っている。
見開き1ヶ月なので書ける場所は一見少なそうだが、蛇腹式なので見開き全面がフルに使えるため、意外とそうでもない。何より、スケジュールを月でまとめて一見で把握できる見通しの良さは、他のものでは替えがたい。
というか、これで間に合わないほどの過密スケジュールは、ちょっとカンベンしてほしいところ。

2006.11.17

CD2枚に、ワーグナーのオペラ全部

CD_Wagnerといっても、音楽CDのことではありません。

SheetmusicPlusから届いた、CD Sheet Musicのワーグナー・オペラ編。
以前のエントリでも別のタイトルのものをご紹介したことがあるけれど、ワーグナーの全ての歌劇・楽劇全曲のピアノ・ヴォーカルスコアをPDF化して、2枚組のCD-ROMに収めて$14.97という代物。
収録されているのは、「妖精」、「恋愛禁制」、「リエンツィ」、「さまよえるオランダ人」、「タンホイザー」ドレスデン版、同パリ版、「ローエングリン」、「トリスタンとイゾルデ」、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」、「ラインの黄金」、「ワルキューレ」、「ジークフリート」、「神々の黄昏」、「パルシファル」。ああ疲れた。初期のオペラなんざ題名すらほとんど知られていないだろう。都合5000ページ以上。勿論、序曲や前奏曲といったオーケストラだけの曲目もピアノリダクションされている。

さまざまな思惑があって買ったものだけれど、正直言ってワタシのようなしろうと音楽愛好家にとっては、一生かかっても見尽くすことは出来ないだろう宝の山だ。
ざーっと眺めていただけでこんな時間になってしまった。早く寝よ。

2006.11.14

札幌響・東京公演

Tirasi061114札幌交響楽団 東京公演2006(サントリーホール)

ノルドグレン/左手のための協奏曲op.129~小泉八雲の「怪談」による(Pf:舘野泉)
マーラー/交響曲第5番
 指揮:尾高忠明

初めて聴くオーケストラ。なじみの都響で18年間首席奏者を務めたトランペットの福田氏の移籍先、ということで、どんなオーケストラなんだろうと興味を持っていたところに、おあつらえ向きにも今年の東京公演はマーラー5番ですか。という訳で、聴いてきた。

とても良いオーケストラだと思った。とくに弦セクション、札幌、というイメージどおりの、ぞくっとするような温度の低い独自の音色を持っている。これだけ、パッと聴いてすぐそれと分かるような個性のある音色を備えたオーケストラなんて、東京にだっていったいいくつあるだろうか、と思う。
金管もよく鳴っていて、名手福田氏といえども決して浮いていない(札響は伝統的に金管が上手いらしい)。マーラーではトランペットと共に活躍するホルンのトップ氏も、大熱演。
尾高さんの指揮は、よい意味でとてもストレート。この曲の面白さを率直に聴かせてくれて、必要以上にドラマティックな演奏を好まない私としては、たいへん好印象でした。

1曲めには舘野泉さんが登場。脳溢血のため右半身不随となり、左手だけで演奏活動を続けているとのことだが、杖もなしに普通に歩いているし、終演後はコンマスと右手で握手したり歓声に応えて両手を高々と挙げたり、ぜんぜんそうとは見えない。すごい。相当なリハビリを積んだのだろうと思われる。
欲を言えば曲がもうちょっと良い曲だったら…(^^;

Tensaitou

終演後は、公演スポンサーのホクレン農業協同組合連合会より、十勝産の甜菜糖(200g)が来場者に配られた。
さすが、「ならでは」ですなあ。楽しい楽しい。

Cd123ロビーでは、札響の自主制作になる秋山和慶指揮のブラームス交響曲全集(分売)ほか定期演奏会ライブCDを販売していた。
特別価格1枚1000円(定価は2000円)ということだったので、ためしに「2番」を買ってみて、ちょうど今聴いているところ。1996年の収録だそうだが、先程まで聴いていた弦の音色そのまんまだ。昔からこういう素敵な個性を持っていたということらしい。
秋山さんの指揮・解釈は例によって模範的の極み。よい買い物だった。他の曲も買えばよかった。

2006.11.12

新譜いろいろ

最近購入のCDたち。(昨日も帰り際に新宿タワーに寄ってしまった;)

Cd121シェーンベルク/浄められた夜、ペレアスとメリザンド、室内交響曲第1番、ブラームス(シェーンベルク編)/ピアノ四重奏曲第1番(EMI)

EMIのGeminiという2枚組廉価盤シリーズで今般発売された、シェーンベルク作品集。タワレコで1390円でした。
バレンボイム指揮(イギリス室内管)の「浄められた夜」が復活したことが嬉しい。シェーンベルクがまだコテコテにロマン派な音楽を書いていた頃の、美しき傑作。バレンボイム盤はLP時代の愛聴盤で、私の「浄夜」刷り込みでもある。
実はこの演奏、バレンボイムの指揮者としてのデビュー盤だった。バレンボイムの若さとやる気がギラギラと満ちた演奏で、バレンボイムという人はこの後こういう演奏は二度としなかったんじゃないかと思うくらい。
バルビローリ指揮の「ペレアスとメリザンド」も、ラトル指揮の「室内交響曲第1番」も、たいへんに思い切りのよい痛快な演奏で、「シェーベルク=退屈」、というイメージ(がもしあるとしたら)を吹っ飛ばすに充分なものだと思う。

Cd122日本作曲家選輯~山田耕筰/長唄交響曲「鶴亀」、明治頌歌、マグダラのマリア(Naxos)

これは「傑作」だ。Naxosのこの日本作曲家シリーズ収録の作品は、様々な楽しい発見があるけれども、この「鶴亀」は、そんな中でも屈指に興味深いものかもしれない。

長唄「鶴亀」を題材にしたシンフォニーということだが、それを西洋風のオーケストラに編曲したという訳ではなく、長唄部分はそのままに、上から二管編成のオーケストラによるオブリガートをくっつけたという代物。
演ずるは、長唄陣は人間国宝・東音宮田哲男ほか邦楽界の大御所たち、後ろは湯浅卓雄指揮の東京都交響楽団(!)。なんでもスコアにはオーケストラ部分しか書いていないそうで、指揮者はまず長唄「鶴亀」をそっくり覚えた上で、自分たちの流儀でいつもどおりに演じている長唄陣に付けていかなければならないのだと。そりゃ大変だ。
実際聴いてどうかというと、NHK大河ドラマのテーマ風の重厚なオーケストラの出だしと、唐突に出てくる歌舞伎調の謡とお囃子とのからみ合いに、最初呆気にとられ、次いで大笑い、やがてだんだん引き込まれてきて、最後は大感動に至る。すごい。聴く前は一種のキワモノかと思ってたけど、いざ聴いてみれば、そのあまりのマジさ加減には尊敬の念を覚えざるを得ない。
西洋の文物をわがものとするために、我々の先達がどんなとんでもない実験をしてきたか、心ある方は聴かれるとよい。
他の2曲は、普通の西洋クラシック音楽のスタイル(後期ロマン派風)による作品。1910-20年代という作曲年代を考えたら、驚異的によく出来ている。

しかし、こういうものがワールドワイドに発売される、というのはすごいことだけれど…「日本のクラシック音楽」というものに対する、ある種の誤解を、海外に定着させることになるかもしれぬ、ともちょっと思う。

…これだけで、書くのに結構時間がかかってしまった。
まだまだあるんですが、続きは気が向いたら後日。

アドルフ・サックス国際サクソフォン・コンクール 結果

コンクール公式サイト(英語版)

貝沼拓実さん、3位。
おめでとうございます。

2006.11.11

ドルチェ楽器初訪問

朝、前々から予約を入れていた、新宿二丁目の行きつけのお店(^^;にて、テナーの調整。
アンコン予選通っていて良かった。もし落ちていたら、年内にテナー吹く予定無くなっていたところだった。

終わってから、たまたま一緒になった同じアンサンブルの京青さんに案内してもらって、雨の中、新宿のこんどは西口方向へ移動、ドルチェ楽器東京店へ。以前からここには行ってみたかったのだ。
サックス担当の倉田さんという方がたいへん面白い人物で、年代的に近い(たぶん私と同年生まれ)こともあって、共通のネタも多く、結局何を買うという訳でもなく2時間近くお喋りで盛り上がってしまった。

こんなもの持ってるんですかあ、的な倉田さん個人の秘蔵音源&映像(サックスに限らず)を、たくさん見せていただく。

Deffayet1990

これは、1990年12月の、ダニエル・デファイエ来日リサイタル(上野の石橋メモリアルホール)の、ビデオ。
今の世にこんなものが残っているなんて、驚き以外の何物でもない(*_*)。
あのあまりにも懐かしい等速ヴィブラートに、しばし時を忘れて聴き入った。…

来週土曜日のこの場所でのコンサートが、集客に苦労しておられる様子なので、ここでも宣伝しておきましょう。
ガヴロッシュ サクソフォン・クァルテット(2006年11月18日)
ガヴロッシュは関西の団体なのでこちらではあまり知名度がないけれど、これは聴いておいて損はないと思う。ワタシだって練習日でなければ是非行きたいところだが。
ソプラノの篠原さんとは、2002年の淡路島のSaxフェスティバルのサクソフォン・オーケストラで、私はソプラノ2ndの最前列のプルトを、隣席で吹かせていただきました。ものすごく勉強になった体験だった。

2006.11.10

久しぶりのN響、だが…

ということで(昨日のエントリ参照)、行ってきました。久々のN響定期。

NHK交響楽団 第1581回定期演奏会(NHKホール)
ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲(Vn:庄司紗矢香)
R.ヴォーン=ウィリアムズ/交響曲第5番
 指揮:サー=ロジャー・ノリントン

ピリオド・アプローチの巨匠、ノリントン師の、N響への初客演。いやー、噂どおり両方の曲ともノン・ヴィブラートで弾いていたけれども(弦の奏者の左手の指が微動だにしないのは、なんだかヘンな感じ)、現代のオーケストラからいきなりヴィブラートだけ取り去ると、これがなんとも貧弱というか、情けない音になってしまうことで(^^;。
ベートーヴェンは10-10-8-6-4という弦の編成だったが(当然、対向配置)、いつもどおり3階天井桟敷の自由席で聴いていると、ぜんぜん鳴らないし音も飛んでこなくて、まるで学生オケみたい。ソリストもなんか弾きにくそうだった。せっかくの庄司紗矢香さんのソロなのに。こういう演奏を聴かされると眠くなること。
休憩後のRVWは、これも相変わらずノン・ヴィブラートながら、人数も増えたので少し聴ける音になった。ときどき、すごく透明でハッとするような響きが聞こえるんだけど、それでもある種の違和感が終始離れなかった。

こういう日は、会場内の雑音とかがいつも以上に気になるのだった。しかしNHKホールの客って、こんなに集中力無かったっけ?あっちこっちで荷物やらチラシをガサガサ言わせてるし、遠慮のない咳も多いし(一人や二人ではない)。

そもそもピリオド・アプローチ(その曲が作曲された当時の響きを追求する)というのは、その当時の会場と、その当時の感性を持った聴衆(あるいは、そのような感性を積極的に理解しようとする聴衆)の存在を前提とするんじゃないかしら。
こんな、NHK紅白歌合戦ホールのような広大な会場で、ピリオド・アプローチをやってみる理由というか、必然性というのは、あるのかしらん。私にはよく分からない。
何も知らないで聴きに来たお客さんには、「N響ってへたくそだなあ」、って思われておしまい、のような気がするんですが(^^;。

2006.11.09

ぼーっ

Cd120ひさしぶりに部屋でぼーっとCDを聴いている。
最近、こういう時間が本当になかった。

ワタシの場合、疲れているときに聴くのはイギリス物が多くて、今日はヴォーン=ウィリアムズの交響曲第5番でした。アンドレ・プレヴィン指揮のロンドン交響楽団(BMG)。

この曲ほど、邪心や欲望や自己主張といったものに背を向けた音楽もないように思う。
ただ静かに、美しく、謙虚に、そこに在る。
久々に聴いて、月並みな言い方だけれど、心が洗われるような思い、だった。
カップリングが「神様」故ジョン・フレッチャー独奏のテューバ協奏曲で、そっちはよく聴いていたのだが。

明日N響定期でやるらしいので(ロジャー・ノリントン指揮)、聴きに行っちゃおかな。
ノリントン師、あのN響にマジでノン・ヴィブラート奏法をやらせてるらしい。いったいどうなっちゃうんでしょうか、という興味もあり。


毎年大晦日にやっていた、岩城宏之指揮のベートーヴェン全交響曲・振るマラソン。
今年は岩城宏之追悼として、9人の指揮者の分担で執り行う、らしい。→こちら
ちなみに9人の内訳は、出演順に、下野竜也、岩村力、大友直人、高関健、井上道義、秋山和慶、小林研一郎、ジャン=ピエール・ヴァレーズ、外山雄三とのこと。
ぴあを覗いてみたら、5000円の席でわりと良い場所が空いていたので、思わずポチッと買ってしまいました。

岩城氏が振るこの催しには、今までは興味はなかった。
これは音楽会ではなくてイヴェントの一種だと思っていたし、岩城氏らしい破天荒な思いつきを周囲が商業的なイヴェントに仕立ててしまうあざとさのようなものが鼻について、あえて無視していた。
だけど今回の、この9人の指揮者の選択は、魅力的だ。一度にこれだけの人の指揮ぶりを見比べられるなんて。

来年の年明け一番のブログのネタは、決まりですな。

2006.11.08

ハバネラのDVD

Dvd6035日の会場で入手した、ハバネラSax.Qの自主制作DVD。
じつは昨夜upするはずだったが、書き終えて保存しようと思ったらココログがメンテナンスに突入していて(>_<)、テキストはそのまま夜の闇に消えたのだった。
思い出しながら書いてます。

第二次大戦中に造られたという、ボルドーの潜水艦建造ドック内でのライブ収録。底には海水?の溜っている、薄暗く巨大な四角い穴蔵に、仮設の舞台と客席をしつらえての演奏。なかなか不気味で渋い。
曲目はリゲティのバガテル、棚田文紀「Mysterious Morning」、A.Markeas「Composition Verticale」、そしてバッハ「平均律」のプレリュードから数曲が、曲順バラバラ、シャッフル状態で並ぶ。最後はピアソラ。Butcher's Death、Fugata、Michelangero'70。5日に聴いた「3つのフーガ」と同じだ。

清水靖晃が大谷石の採掘場跡でバッハのチェロ組曲を演奏したように、こういう巨大な地下空間でのライブには、何故かバッハと現代音楽が似合う。
曲間にはメンバーがいろいろ喋っているのだが(勿論フランス語)、字幕も何もないので、内容は私には全く分からなかった。

2006.11.05

戦いすんで…

Contest061105アンサンブルコンテスト本番(神奈川県一般の部・予選)終了。
コンテストには例年、フロート・サキソフォン・アンサンブルでの出場なので、毎年秋から冬は「フロート」の季節となる。しかし自分の加わっているアンサンブルの名前が「なめら~か」「フロート」というのは、なかなか美味しそうでよろし(^^;
なんとかすべりこみ金賞で、県大会への出場権をいただきました。2週間前に練習を始めたにしては上出来でしょう(^^;
次は12月17日(日)。

さっさと携帯から記事upしようとしてたら、バッテリ切れのため出来ず。マヌケ。
家帰ったら、久々の5時起きがコタエて、眠くてしょうがない。
すみません、とりあえず寝ます。

柿生着

柿生着

本番当日です。朝の合わせ場所の柿生に着いたところ。
休日早朝の電車は部活や試合とおぼしき学生さんが多い。我々も試合みたいなもんだが。
長い1日の始まり。

2006.11.04

ハバネラ日本ツアー、スタート

Tirasi061104ハバネラ・サクソフォン四重奏団(東京文化会館・小ホール)

J.S.バッハ/イタリア協奏曲
ラヴェル/弦楽四重奏曲
リゲティ/6つのバガテル
ドビュッシー/ベルガマスク組曲より 前奏曲、メヌエット
ビゼー/カルメンより
ピアソラ/3つのタンゴ

遂にやって来ました、ハバネラ。
相変わらず次元の違う上手さ、澄んだ青空のように深い集中力、シンプルで純粋な「音楽そのもの」としか言いようのない彼らのパフォーマンス、何よりも作為的なものの一切ない、自然の摂理のような論理性。
彼らの真骨頂は、一見難解な現代作品などをすっきりと見通しよく、そして美しく!再現するところにあると思うので、そういう意味ではちょっと物足りないところもあるプログラムだけれど(全国同一プロだとしたら仕方ないのかな。東京だけでももう少しとんがった曲目に出来なかったのかしら)、それでもハバネラの凄さは充分実感できると思うので、日本全国の皆様、是非お聴きになって、ぶっ倒れてください。

終演後、明日のアンコン本番のための練習に行ってきたところ。
この演奏聴いたあとに、自分でドビュッシーの弦楽四重奏曲吹かなきゃいけない身にもなってください(^^;。
参った。
という訳ですみません、明日は早いので、ちょっと簡単ですがこんなところで。

Cd119最初の限定発売時に入手できず悔しい思いをした大阪国際室内楽コンクールのライブCD、会場にて無事入手。
それと今回、自主制作?になるボルドーでのライブDVDというのも持ち込まれていた。委細後日。

2006.11.03

東響、川崎、ジャズピアノ

Tirasi061103ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集#22

バーンスタイン/ウェストサイド・ストーリーより「シンフォニック・ダンス」
ガーシュウィン/「I Got Rhythm」変奏曲(佐山雅弘ピアノトリオM's)
佐山雅弘M'sコーナー
 Falling in Love in Love - My Shining Hour - I'm Old Fashioned - But Beautiful - Ladies in Mercedez
 (アンコール)All The Things You Are
ラフマニノフ/シンフォニック・ダンス
 指揮:飯森範親

曲目は「シンフォニック・ダンス」つながり、真ん中はこのホールのアドバイザーを務めるジャズピアニスト佐山氏のトリオのゲストステージ(曲目はプログラム記載から変更になって、上記が正しい)。PA一切なしの本格シンフォニーホールで聴くピアノトリオ、なかなか良かったです。ドラムス大坂さん、凄すぎ。
佐山氏がソロパートを弾いた「I Got Rhythm」変奏曲にも、あとの2人が加わっていて、変奏の合間合間をガーシュウィンのソングナンバー(Someone to Watch over Meとか、Embraceable Youとか)をトリオだけで弾いて繋げていたのだが、これもなかなか違和感無くて面白かった。

オケの曲目は実は全部サックスが乗っていて、全乗りは波多江さんでした。バーンスタインの軽い音色と、ラフマニノフのヴィブラート多用の厚い音色とを別人のように使い分けていて、さすがと思った。
I Got Rhythmには総勢4人のサックスが登場。AATB、バリトン以外の3人はソプラノ持ち替え(しかも持ち替え箇所てのが本当にほんの少ししかなくて、仰天)という贅沢な用法。テナーは松井さんのようだったが、あとは誰だろう(バリトンは女の人でした)。こんど波多江さん本人に確認しておこう(^^;

オーケストラは、今回ゲストコンマスに元ベルリンフィルのレオン・シュピーラー氏を迎えていて、引き締まった弦の音色は格別なものがあった。ただそのせいか?、オケの弦と後列の管とで感覚に温度差が生じてしまい、「ウェストサイド」ではそれが気になって、いまいち楽しめなかった。ラフマニノフは良かったです。

午後2時開演で、終演は5時近くという長いコンサートとなった。盛り沢山で面白かったけれど、盛り沢山すぎて印象が分散してしまった感もある。

どうでもいいけど、東響って団員さんの衣裳が紺の燕尾なのね。
エキストラの方は黒を着ているので、すぐに見分けがつく(^^;

怒!

今日は別の内容をupするつもりだったが、あまりのことに予定を急遽変更。

私たちがアンコンでドビュッシーの弦カルを演奏するということで、何人かの方に楽譜の出自について聞かれたんだけれど、今回はすみやから最近出版されたらしい第1楽章のみの売り譜を使ってます、ということなのだが…

この楽譜、ミスプリ多すぎ。練習していて、いぶかしげな音符があまりに多いので、先程から原曲のスコア(Durand版)とひととおり見比べていたのだが、なんと、たった16ページのスコア中に45箇所もの間違い(音ミス、臨時記号落ち、タイ落ち…)を見つけたのだ。
これは酷い! こんなので金取るな(9千円もしたんだぞ)、というか校正料を少しよこせ、と言いたいくらいだ。
そりゃ、原曲のスコアがフランス版なので(^^;、元々の音符もちょいと怪しいところも皆無ではないが、それにしたって。
全然校正をせずに売っているとしか思えない。だいたい弦楽四重奏からサクソフォン四重奏への編曲なんて、音の並べ替え的には最も単純なものなんだから、2~3時間の手間をかけて突き合わせさえすれば、こんなことには絶対なりっこない。

とても商売として楽譜やら書籍を売る者のすることではない。
編集者、そして編曲者、お前らそれでもプロか。恥を知れ!

これは後日、きちんとした形で出版社宛に文句をつけるつもり。
ワタシゃ決していわゆるクレーマーではないけれど、こと音楽をネタにズサンな仕事をする奴というのは絶対に許せんのですよ。

2006.11.02

【連載】マルセル・ミュールの生徒たち 13

この連載の趣旨、見方については連載第1回のエントリをご参照ください。

1954-1955

CALLENDRET, Jean
DECOUAIX, René
DEFER, Jacques
FIGUIER, Romuald
LEPÈVE, Michel
MARTIN, Daniel
MOMESSO, René
NOUREDDINE, Jacques
OLLIVIER, Jean
PARICKMILER, Raymond
REYMOND, Gilbert

試験曲:Concertstück (Pierre Max Dubois)

この年の一等賞卒業者については、あまり多くの情報が得られなかった。
DECOUAIXは、いくつかのエチュードや独奏曲を書いているRené Decouaisと同じ人だろう。
Decouaisの「35のエチュード」(Billaudot)は、昔ある人に勧められて少しかじったことがある。ラクールの50を全部終わらせたくらいのレベルの方には良いかも。

2006.11.01

平野公崇氏の新譜

Cd118平野公崇/シンフォニア(Cryston)

C.Ph.E.バッハ/シンフォニア ニ長調Wq.74、フルート協奏曲ニ短調、スペインのフォリアによる12の変奏曲Wq.118-9、無伴奏フルートソナタ イ短調Wq.132
 平野公崇(S.Sax)、大塚直哉(Cemb)、松野弘明(Vn、コンサートマスター)ほか弦楽アンサンブル

オクタヴィアから先週発売されたばかりの、平野さんの新しいCDを聴く。
見てのとおり、曲目をタイプしていても、到底サックスのCDとは思えない。

普通ソプラノサックスでバロックを吹こうと考えるとき、オーボエの音色をイメージして、音のアタックというか立ち上がりを強めにして、音色は禁欲的に、なんて考えませんか。私が昔ヴィヴァルディの「忠実な羊飼い」をソプラノで吹いた時は、そうした。誰に教わったという訳ではないので、違うという人もいるかもしれないが。
ここでの平野さんは全然そうじゃない。自分が吹いているのがサックスであることを隠そうとしない。にもかかわらず(いや、まさにそれ故に?)、聞こえてくる音は、例えば本間正史さんのようなバロックオーボエの名手の演奏と驚くほどの共通点を感じる、エモーショナルなものだ。

平野さんのすごいところは、「僕はこういうことが出来ます」、ということを演奏で一切言っていないところだ。
そんなことを言う前に、自分自身が即、音楽になってしまっている。
完璧な自発性。ある種の天才の業としか言いようがない。こういう種類の天才というのはあんまりいないので、なかなかそういう風には思われないだろうけれど。

クラシックの香り豊かな、とても聴きやすいアルバムだけれど、深く分け入ってゆくと、深淵のように底知れない奥行きが姿を現わす。そんなCD。

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