私達のアンサンブルの、定演本番前最終練習。
個人的には色々トラブルはあったものの、小編成(四重奏、五重奏)チームの総ざらえができた。
今回の演奏会、小編成の部での自分の出番は3つ。
・フロレンゾ(フロレンツォ)/「南アメリカ」 ←ソプラノ
・メンデルスゾーン(伊藤康英編)/プレリュードとフーガ ←テナー
・ウォーロック/カプリオル組曲(抜粋) ←五重奏、ソプラノ
どれも、一般的に「サックスのアンサンブル」というイメージで括られる類の音楽とは微妙に雰囲気が違っていて、楽しいながらも苦労している。
メンデルスゾーンの、バロックみたいな厳格さと、クラシックからロマン派に半歩足を突っ込んだような微妙な雰囲気とが同居するスタイルは、普通にサックスの曲ばかり吹いたり聴いたりしていたらなかなか出逢うことのない音楽世界だと思う。
それでもこの編曲は比較的よく演奏されるほうだと思うけれど、でもエチュードを吹くみたいな演奏が多いことも確か。そんなんじゃつまらない、と思うし。
16世紀フランス宮廷舞踏の舞曲を20世紀イギリスの作曲家が弦楽オーケストラのために編曲したという「カプリオル」も、然り。そういう音楽をこんどはサックス5本に再編曲して吹くというのは、時代考証的にはもはやグチャグチャな訳で。
こうなったら、変容に変容を重ねると元の姿に近づく、みたいな路線が狙えればいいな、と思っている。
第5曲にあたる緩徐楽章を、最近は敢えてヴィブラート全く無しで吹いているんだけど、これがなかなか面白いです。ジョン・ハールというサクソフォン奏者は、ソプラノサックスの音色について「中世からの直の呼び声のよう」だと形容していたけれど、その心境がなんとなく理解できるような気がする。
あとは、そういうものが聴いてくださる方にどこまで伝えられるか、ってところなんだけど。それが一番問題。
「南アメリカ」だけはサクソフォン四重奏のためのオリジナルだけど、決して頻繁に演奏される曲ではないし。面白い曲なんだけどね。
作曲者Lino Florenzoについては、「フロレンツォ」という表記が一般的なようだが、フランスの作曲家、という記述をネット上に見つけたので、とりあえず「フロレンゾ」にしてあります。まあ、末尾がoで終わっているからネイティヴのフランス人ではなく、イタリア系かスペイン系の人だとは思うけれど。
…
以下余談。
「南アメリカ」は、昔(1995年)、セルマーのサクソフォンキャンプの受講生発表会で、吹いたことがある。
このキャンプでは、個人レッスンのクラスとは別にアンサンブルのクラスがあり、勿論その場で初めて顔を合わせるメンバーで、初日のオリエンテーションのとき楽譜を渡され、レッスンを2回受けて、3日め夜の発表会で成果を披露することになるのだ。
この年は大御所・I渡先生(日本サクソフォン協会・現会長。当時は副会長)のクラスだったんだけど、発表会本番では急遽、I渡先生の号令一下、講師陣の中からダンサーズが招集され、演奏をバックに即興ダンス(暗黒舞踏系;)を踊ることとなったのだった。

証拠写真。(ワタシゃバリトン吹いてます)
ダンサーズは向かって左から、T中Y人先生、H坂S一郎先生、S石M隆先生(ピアニスト)、H野M崇先生。(!!)
I渡先生も、パーカッション(空き缶)で参加。足だけ写っています。なんという豪華な布陣。
てゆーか、こんな写真公開して良いのか、というところもあるけれど、このキャンプが終わった後しばらくしてアクタスに行くと、その時撮影されたビデオが店頭で上映されていたりしたし(^^;、しかも10年以上経っているから、まぁそろそろ良いでしょ。
1986年から都合9回参加したこのキャンプ、単なる「サクソフォンの講習会」ではなかったですね。
日常世界では到底起こりっこないようなことが、こんなふうに平然と起こる、一種の「異界」だった。
(本家掲示板で話題になっていたのは、これのこと。)

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