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2006.09.27

ベルティーニのラヴェル、他

東京のプロオケ聴き歩き仲間でもある高校の先輩Yさんが、「レコード芸術」最新号の海外盤試聴記に、ガリー・ベルティーニ指揮のフランス物3枚(Capriccio)が載っていると教えて下さった。
マーラー指揮者としての面ばかり謳われるベルティーニという指揮者について、フランス音楽の解釈者という立場で正面から論評した、大手の活字メディアとしては初めてに近いものではないかしらん。大歓迎。

しかし、最近「レコ芸」読まなくなったなー。ネットや無料メディアがこれだけ充実してくると。
ちなみにワタシでしたら、クラシックの新譜CD、DVD情報については、山野楽器で配っているVarieという無料誌でほぼ事足りてます。

Cd1143枚のうち、ドビュッシーの作品集については発売されたばかりの頃にレビューを書いたけれど(こちら)、今日はラヴェルを聴いてみる。

ラヴェル/「ダフニスとクロエ」第2組曲、ピアノ協奏曲、ラ・ヴァルス
 ピアノ:マルタ・アルゲリッチ
 ガリー・ベルティーニ指揮 ケルン放送交響楽団

「ダフニス」の高揚感が素晴らしい。98年、都響の音楽監督就任披露演奏会で、「ダフニス」全曲をとり上げていたことを思い出す。「夜明け」の、灼熱の太陽の光が夜の暗さに慣れた目を射るような、むせるように濃厚な色彩感。「全員の踊り」の、じっくりと官能的に盛り上がってゆく、底鳴りのするような迫力。
ピアノ協奏曲も、アルゲリッチのハジけっぷりが良く捉えられていて、たいへん楽しい聞き物となっている。
ただ、これらの曲に関しては、フランスのオーケストラで聴きたかったな、という思いもある。いかにもドイツの放送オーケストラらしく、非常にそつなくこなした巧い演奏なんだけど、何かの拍子にふと出てしまう、慣れない外国語を操るときのような不器用な感じが、ドビュッシーだとそれほど気にはならないのに、ラヴェルだと妙に…。
そういえばジャン・フルネ氏は、リハーサルの時に「ラヴェルは小さな精密機械のように完璧に演奏されなければならない、」と繰り返し言っていたっけ。

勿論、それでも、現代のラヴェルの演奏として、十分に聴くべきもののある充実した記録であることは間違いない。
そして、私にとっては、かけがえのない記憶とともに在り続けるだろう。


ついでにもうひとつ、新着CD。

Cd115ボロディン/交響曲第1番、第2番、第3番
ホセ・セレブリエール指揮 ローマRAI交響楽団(ASV)

今週末(29日)の読売日響定期公演に、毎年この季節おなじみのゲンナジー・ロジェストヴェンスキー氏が客演して、ボロディンの交響曲全3曲一挙上演という珍しいことをやってくれるのだ。
これは是非聴きに行こうと思っていて、しかしボロディンの交響曲はよく知っているのは2番だけなので(愛聴盤はマルティノン指揮ロンドン響)、他の交響曲の入っているCDを探していたら、たまたまこういうちょいと珍しいCDが店頭にあった、という訳。
セレブリエールは1938年ウルグアイ生まれの作曲家・指揮者だそうだ。何者じゃコイツ、と思いながら聴いてみたら、これがなかなか聞かせるもんで、ちょっとびっくり。マルティノンなどと同じように、作曲家兼業指揮者ならではの明晰さが基本にあるんだけど、ちょっとした細部のよく歌うことといったら。イタリアのオーケストラだからか?いや、それだけじゃない。
音楽家は、名前じゃありませんねえ。聴いてみなきゃ分からないものだ。

最後に拍手が来るのでライブ録音だと分かるが、会場ノイズはほとんど全くと言っていいほど聞こえない。

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コメント

セレブリエールは気になっている指揮者・作曲家の一人です(サクソフォンの4重奏を作曲してます)。意外に、というと失礼ですが、堅実かつ豪快な指揮は、クーセヴィッキーのアシスタントを務めた経験があるせいかもしれません。メルボルン響を振ったシベリウスの1番は愛聴盤です。ボロディンも聴いてみたくなりました。

お疲れさまです。
さすがmckenさんですね!セレブリエール、検索してみたら、結構たくさんの録音があるようで、最新録音はスコティッシュ・ナショナル管を振ったグラズノフの8番と「ライモンダ」だそうで、気になっています。
サクソフォン四重奏曲は存じませんでした。そういえば私んとこの本家サイトの「オーケストラの中のサクソフォン」にも『パルティータ』という作品が載っていました。

ベルティーニの十八番=マーラー、などというステレオタイプな位置付けをしちゃっていました、私も。そんな彼がケルン放送響とのラヴェル?、コチコチに固まったフランス音楽を聴かされるのかと思いきや、以前thunderさんがアップした通り、そんなことはなかった。全然自由な、何かから解放されたような自由な演奏。私は、特に「ラ・ヴァルス」が良かったなあ。テンポが良い。そして、プチ・エロティックで。えへへ。

あ、もひとつ、書き忘れました。「レコ芸」は今、井阪紘さんの“レコード・プロデューサーの視点”という連載がオモロいです。カメラータを主宰している井阪氏がレコード制作に関する考え方、エピソード、ヴィジョンをエッセイや対談で寄稿されています(今月10月号は高橋アキさんとの対談)。彼の語り口は夏目漱石のように端的でわかりやすく、しかも説得力がある。この8月に出版された、この連載の単行本化、「一枚のディスクに」(春秋社)もおススメ。EMIのウォルター・レッグとの出会いやエラートのミシェル・ガルサンとの仕事など、井阪氏からでなければ聞けないエピソードもあり。また、「コンサート芸術」と「レコード芸術」の違いの件には膝を打ちました(幸い、ケガはありませんでしたが)。

ベルティーニのラ・ヴァルスといえば、都響音楽監督時代の最後の定期公演(2004年5月)のメインプロでした。
余程自信のあるレパートリーでなければ、そういう機会に持っては来ないでしょうね。
ちなみにその定期は、モーツァルトのジュピター、イスラエルの作曲家の現代作品、ドビュッシーのイベリアにラ・ヴァルス、という曲目。
この月は他に、あの伝説のマーラーの9番と「千人」、ハイドンの「告別」といったプログラムもあった訳で、今にして思えば、とても暗示的な選曲ではありました。…

井阪さんの本は面白そうですね。

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