この連載の趣旨、見方については連載第1回のエントリをご参照ください。
1951-1952
AUDEFROY, Roland
BRIODIN, Jean-Claude
CASTAIGNÈDE, Henri
CUILA, Czeslaw
DECOUAIX, René
JOUOT, Henri
LACOUR, Guy
LEGRAND, Gaston
LONDEIX, Jean-Marie
MELZER, Jacques
PAREILLE, Paul
PÉRATHONER, Fernand
試験曲:Cadence, interlude et rondo (Henri Martelli)
この年の卒業生の中では、Guy LACOUR(1932.6.8-)の知名度が図抜けている。ソリストとして(1984年のパリ管弦楽団日本ツアーにてミシェル・ヌオーと共に「ボレロ」を吹いていたのを目撃した話は、本家サイトにも書いた)、1960年以降解散までの最後の期間のミュール四重奏団のテナー奏者として、教育分野ではジュヌヴィリエ(Gennevilliers)のエドガー・ヴァレーズ音楽院教授として、そして何よりも、作曲家として。
エチュードも数多く書いているが、中でも「ラクール」の代名詞ともいえる、彼の書いた「50のエチュード」の上下2冊本は、ちょっとでも真面目にクラシックのサックスをかじった者なら、吹いたことのない人はおそらくいないくらいのものだろう。
作曲は独学だった(特にコンセルヴァトワールを卒業したという訳ではないらしい)ようだが、イベールの没後10年の記念作品であるサクソフォン協奏曲『ジャック・イベールを讃えて』をフランス政府の委嘱で作曲するなど、とてもサクソフォン奏者の余技というものではない。
ワタシは5年ほど前にラクール作曲の「サクソフォン四重奏曲」を演奏会で吹いたことがあるけれど、これは私が今まで吹いたサックスの曲の中で、最も高度なソルフェージュ能力を要求される曲だった(シュミットの方がもっと難しいんだろうけど、シュミットは4楽章しかちゃんと吹いたことがないので除外)。
「50のエチュード」しか知らない人にはおよそ想像もつかなそうな、とてつもない音程の跳躍の間を駆け回る、目の回りそうな音が並ぶ楽譜だった(今見ると「オレは本当にこんなものを人前で吹いたのか」、と思えてくる)。メシアンの「世の終わりのための四重奏曲」に少し似た雰囲気がある。
もう一度吹いてみたいけど、それだけの根性が自分に残っているかしらん。
左からミュール、Guy LACOUR、GOURDET、JOSSE。
40年にわたって活動を続けたミュール四重奏団の、最終型。
雲カルのH田さんに似てるかもと思うのは、私だけ?(^^;
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