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2006.09.08

【連載】マルセル・ミュールの生徒たち 10

この連載の趣旨、見方については連載第1回のエントリをご参照ください。

1951-1952

AUDEFROY, Roland
BRIODIN, Jean-Claude
CASTAIGNÈDE, Henri
CUILA, Czeslaw
DECOUAIX, René
JOUOT, Henri
LACOUR, Guy
LEGRAND, Gaston
LONDEIX, Jean-Marie
MELZER, Jacques
PAREILLE, Paul
PÉRATHONER, Fernand

試験曲:Cadence, interlude et rondo (Henri Martelli)

この年の卒業生の中では、Guy LACOUR(1932.6.8-)の知名度が図抜けている。ソリストとして(1984年のパリ管弦楽団日本ツアーにてミシェル・ヌオーと共に「ボレロ」を吹いていたのを目撃した話は、本家サイトにも書いた)、1960年以降解散までの最後の期間のミュール四重奏団のテナー奏者として、教育分野ではジュヌヴィリエ(Gennevilliers)のエドガー・ヴァレーズ音楽院教授として、そして何よりも、作曲家として。
エチュードも数多く書いているが、中でも「ラクール」の代名詞ともいえる、彼の書いた「50のエチュード」の上下2冊本は、ちょっとでも真面目にクラシックのサックスをかじった者なら、吹いたことのない人はおそらくいないくらいのものだろう。
作曲は独学だった(特にコンセルヴァトワールを卒業したという訳ではないらしい)ようだが、イベールの没後10年の記念作品であるサクソフォン協奏曲『ジャック・イベールを讃えて』をフランス政府の委嘱で作曲するなど、とてもサクソフォン奏者の余技というものではない。

ワタシは5年ほど前にラクール作曲の「サクソフォン四重奏曲」を演奏会で吹いたことがあるけれど、これは私が今まで吹いたサックスの曲の中で、最も高度なソルフェージュ能力を要求される曲だった(シュミットの方がもっと難しいんだろうけど、シュミットは4楽章しかちゃんと吹いたことがないので除外)。
「50のエチュード」しか知らない人にはおよそ想像もつかなそうな、とてつもない音程の跳躍の間を駆け回る、目の回りそうな音が並ぶ楽譜だった(今見ると「オレは本当にこんなものを人前で吹いたのか」、と思えてくる)。メシアンの「世の終わりのための四重奏曲」に少し似た雰囲気がある。
もう一度吹いてみたいけど、それだけの根性が自分に残っているかしらん。

MuleQ_1960

左からミュール、Guy LACOUR、GOURDET、JOSSE。
40年にわたって活動を続けたミュール四重奏団の、最終型。

雲カルのH田さんに似てるかもと思うのは、私だけ?(^^;

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コメント

ラクールについて、今まで知ら無さ過ぎでした、、。しかも、ロンデックスと同期ですよね。

ええと、ラクール氏は前年度からクラスに在籍していますので、この次の年に一等賞で卒業することになるロンデックス氏とは同期とはいえないと思います。
あくまでもこの一覧は、当該年度に在籍していた生徒、ですので。

しかし私も正直、ラクールという人がこんなに若い(という言い方も変ですが)方だというのはちょっと意外でした。

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