グラン・カナリア・フィル
グラン・カナリア・フィルハーモニー管弦楽団 東京公演(東京芸術劇場)
ビゼー/『カルメン』より 前奏曲、ハバネラ、セギディーリャ、ジプシーの踊り
ファリャ/交響的印象『スペインの庭の夜』(Pf:霧生トシ子)
ロドリーゴ/ある貴紳のための幻想曲(Gt:ぺぺ・ロメロ)
ラヴェル/スペイン狂詩曲
同 /ボレロ
指揮:ペドロ・アルフテル・カーロ
イープラスの得チケにチケットが半額(S席10000円が5000円)で出ていたのを見つけ、曲目がなかなか魅力的だったこともあり、思い立って急遽聴いてきた。スペイン領カナリア諸島、ラス=パルマスのオーケストラ。
「オルケスタ・フィラモニカ・デ・グラン・カナリア」って、なんだかサルサバンドみたい。
日本のオーケストラみたいに巧いわけではないけれど、実になんともいえないローカルな味わいある音のするオケだ。こういうのと比べると、日本のオケは「工業製品」だなあ、と思う。『スペインの庭の夜』なんて、CDではよく聴いていたけれど、正直、こんなに良い曲だと思ったのは初めてのことだ(いまいちつかみどころのない音楽だと思っていた)。
席は1階の前から3列めの右端近く。目の前のステージ上は2nd Violin群の背中で(渋いことに対向配置だ)、管は音はすれども姿は見えず。さすが安売りに流れて来るだけあって、これがS席かというような席だったけれど(おまけに近所には、関係者とおぼしきエスパニョーラな一群が座っていて演奏中小声で話とかしてくれるし。後半いなくなったが)、ギターを聴くにはちょうど良かった。PA一切無しだったので、上の階だったら聴こえ辛かっただろうな。ペペ・ロメロ師、さすがの貫祿。これ目当てで来ている人も多かったのだろう。一際、喝采多し。
休憩後はラヴェル。もっと精緻で引き締まった演奏というのは他にもあるだろうけれど、これはこれでよろしい。「ボレロ」はトロンボーンのソロが終わったあたりからどんどん加速するタイプの演奏で、ボレロって元々スペインの舞曲だったもんね、ということを納得させられる。
サックスは2人とも本国から連れてきた奏者のようだったが、プログラムにメンバー表が無いので名前は分からない(テナー、なかなか端正な美しい音だった)。
アンコールに、「三角帽子」の終幕の踊り。これが最高に良かった!この推進力とエネルギー、野性的な味わいは、まさに「十八番」、到底真似はできません。これだけでも聴きに来た甲斐はあったというものだ。
真夏の初めにふさわしい、実に楽しいコンサートでした。
会場ロビーで、Arte NovaやASVから出ているこのオーケストラのCDをたくさん売っていたので、ファリャの入った1枚を買って帰る。
ファリャ/恋は魔術師、スペインの庭の夜(Ricardo Castro, Pf)、「三角帽子」第2組曲
エードリアン・リーパー指揮 グラン・カナリア・フィルハーモニー(Arte Nova)
ブログ書きながら流し聴きしているんだけど、なかなかイイです、これ。特に「スペインの庭の夜」、今まで聴いたことのあるどんな演奏よりも良い。というか、しっくり来る。これで1枚1000円程度というのはお買い得だと思う。
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