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2006年8月

2006.08.31

ソルフェージュ

練習&本番関係で突発的に調整事項や依頼・折衝事項が発生し、この週明けから3日間は各方面といろいろ連絡を取り合っていた。
皆が当り前にeメールを使う時代というのは、考えてみればものすごく便利になったものだ。電話しかなかった(しかも固定電話のみ)時代は、こういう時にいったいどうやって連絡を取り合っていたのか、もはや思い出すことも難しい。
ほんの十数年前のことなのに。


ひとつ前のエントリを書いていて思い出したけれど、ソルフェージュといえば、宮崎真一さんのブログに「ソルフェージュ能力」の定義として、「(ある楽譜を)完璧に演奏できた状態をイメージする想像力」という書き方がされていて、目から鱗、だった。
いわゆるソルフェージュというとイメージするものは、「ドレミ」で歌を歌ったり、単旋律~4声の書き取りをしたり、リズム取りをしたりということだけれど、それが「楽譜を読む能力と実際の演奏を結びつける基礎訓練」だと言われても、理屈では理解できてもいまいち釈然としていなかったのだが、「宮崎定義」で説明されるとそれがとてもよく分かる。
そういう能力があるからこそ、プロの音楽家は参考音源なんか無くても楽譜だけで音楽をイメージできるし、人に教わらずとも自分で自分の演奏を磨けるし、先生は生徒に自分の出来ないことも要求できるのだな、と。
確かにそういうものこそ、「音楽家としての基礎能力」に間違いない。

フランス式のソルフェージュとやらを、一度虚心に勉強してみようかな、などと思い始めている。

【連載】マルセル・ミュールの生徒たち 9

この連載の趣旨、見方については連載第1回のエントリをご参照ください。

1950-1951

BERNARD, Jacques
CASTAIGNÈDE, Henri
GET, Michel
JOUOT, Henri
LACOUR, Guy
LEGRAND, Gaston
MÉRIOT, Michel
PAREILLE, Paul
PÉRATHONER, Fernand
PODEVIN, Jean
ROMBY, Guy

試験曲:Concert (2, 3) (Jeanine Rueff)

Michel MÉRIOT(1928-2003)という人は、サクソフォン奏者としてより作・編曲家、教育者として知られていて、いくつかのエチュードや作品、曲集の編纂が出版されており、検索してみるとかなり見つけることができる。
フォルマシオン・ミュジカル(フランスにおけるソルフェージュの統合教育のこと。私も最近知ったのだが、今のフランスの音楽教育には「ソルフェージュ」単体という教科は無くなっているそうだ。へぇー)の大部な教科書も書いていて(共著)、最近日本語版も出たらしい。

2006.08.26

こんなイヤフォンを買った

少々風邪気味。
明日のアンサンブル練習は、7日の発表会終了後の初練習、午後は今回の演奏会のゲストソリスト渡辺先生との初合わせ、ということで、消耗しそうなので、お出かけ予定もキャンセル、体調維持に務める。

ちょっと前のことだが、屋外のリスニング環境を充実させようと、こんなイヤフォンを買った。Ultimate Ears(アルティメイト・イヤーズ)のSuper.fi 5 Pro。
iPodなどで使える、密閉に優れた良い音のイヤフォンがないか、探していたときに、ある知人(プロの音楽家)に薦められたもの。

普通、小型イヤフォンの音というと、高音域が妙にシャリシャリと強調された聴き疲れする音で、室内で聴こうという気はあまり起こらないけれど、これはぜんぜん違う。たいへん自然な音域のつながりと、中音域の充実がすばらしい。屋外で圧縮音源なぞ聴くのが勿体ない、と思えるほどだ。
これでいったんCDとかを聴き始めると、あまりに快いので、磁力のようなものが働いて途中で止められなくなる。
値段は高かったけれど(で、その値段が信じられないようなチャチなパッケージに入って届いて、びっくりしたんだけど)、これは永く使いそうな予感。

【連載】マルセル・ミュールの生徒たち 8

この連載の趣旨、見方については連載第1回のエントリをご参照ください。

1949-1950

BERNARD, Jacques
CIEUR, Charles
GET, Michel
LÉGER, Jean
MAFFEÏS, Jacob
MERIOT, Michel
PAREILLE, Paul
PÉRATHONER, Fernand
PIERSON, Nancy
PODEVIN, Jean

試験曲:Concertstück (Jean-Michel Damase)

2006.08.25

マルケヴィチのグノーとドビュッシー

ユニバーサルから、イーゴル・マルケヴィチ(1912-1983)指揮のCDのシリーズが一気に発売された。
マルケヴィチという指揮者は、マニアックに追っかけているという程ではないけれど、バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)のバレエ音楽集2枚組(モンテカルロ・オペラ管との名盤。プーランク『牝鹿』の初全曲録音など)をはじめとする、いくつかの録音を愛聴してきた。
なお、マルケヴィチについては、ネット上に畏友斉諧生さんが興味深いページを公開しておられます(こちら)。

Cd112まずはとりいそぎ買ってきたのは、グノーの交響曲第2番とドビュッシー「海」他を収録した(コンセール・ラムルー管弦楽団)1枚。
(しかし、「黄色の額縁付」のCDなんて、ずいぶん久しぶりに買ったような気がする)

実はグノーの第2番というのは(あまり知られてないけど)私の大好きな交響曲で、どのくらい好きかというと、好きな交響曲ベスト1は苦しいけれど、ベスト5まで挙げるならその日の気分次第で入ることもある、という程度。
(ちなみにベスト3は、マーラーの3番、ベートーヴェンの6番、ダンディの「フランスの山人の歌」辺りかな。ある意味みんな「田園交響曲」だ)
モノラル録音ながら、この曲の歴史的な名盤(国内初発売)ということで、是非聴いてみたいと思ったのだ。
まだ2回ばかり聴いただけだが、第1楽章の緊張にみちた序奏と強烈に推進する主部の対比といい、まるでベートーヴェンの「第9」のアダージョのように(下降音形がゆっくりと重なる導入部など、実際「第9」によく似ているのだが)格調高く歌われる第2楽章といい、物凄い急速テンポで鮮やかに弾かれるフィナーレといい、この曲の面目を一新する演奏だと思う。

この曲、19世紀のフランス人作曲家の書いたシンフォニーが、最もドイツ古典派のそれ(ベートーヴェンとか)に接近した瞬間の記録、という雰囲気がある。
モノホンのベートーヴェンが好きな方からすれば、いささかパンツのヒモが緩い感じがあるのだろうけど、軟弱なフランス音楽好きとしては、このくらいがちょうどいいです。

カップリングのドビュッシー「海」も面白い演奏で(こちらはステレオ)、彫りが深くてデッサンの鮮やかな、ベルティーニの行き方と共通するような印象。でもフランスのオケなので、音色自体は親和性が高い。
普通の演奏だと聞こえないようなパートが突然よく聞こえてきたりする。

2006.08.24

携帯替えた

携帯替えました。P252iS→P701iD

FOMAになったから、という訳だけでもないと思うが、同じPとは思えないほど操作の仕方が違うので、面食らっている。なんだこりゃー、分かんねぇぞー、と喚きながら使ってます。
ただ、ボタンをパチンと押すとパカッと開く、Pならではの操作性に2年間慣らされてしまい、最早離れられません。

しばらくの間、携帯メールの返事が遅くなると思いますが(^^;、ご了承ください。>関係各位

【連載】マルセル・ミュールの生徒たち 7

この連載の趣旨、見方については連載第1回のエントリをご参照ください。

1948-1949

CIEUR, Charles
DRUET, Robert
GET, Michel
JOUOT, Henri
LEDIEU, Jean
LÉGER, Jean-Jacques
MAFFEÏS, Jacob
PAREILLE, Paul
PERATHONER, Fernand
PIERSON, Nancy
PODEVIN, Jean
POLLIN, Henri

試験曲:Concerto, 1 (Henri Tomasi)

Henri-René POLLIN(1921.7.8-)と、Jean LEDIEU(1929-)、同期にてご卒業。
言わずと知れた、デファイエ四重奏団のメンバー。POLLINはルーアン(Rouen)の、LEDIEUはナンシー(Nancy)の音楽院教授でもあった。
LEDIEUの四重奏団を生で聴いた2002年の伝説的な来日公演の記憶は、いまだ鮮明。
今が21世紀であることをほとんど忘れそうになるほどだった。

2006.08.22

【連載】マルセル・ミュールの生徒たち 6

この連載の趣旨、見方については連載第1回のエントリをご参照ください。

1947-1948

BLAISEL, Jean
DAVY, Jean
DELDICQUE, Roger
DRUET, Robert
GET, Michel
LE BIAN, Raymond
LEDIEU, Jean
LÉGER, Jean-Jacques
POLLIN, Henri
ROMBY, Guy
SILVERT, Henri
VIOLEAU, Rémy

試験曲:Sonatine (Claude Pascal)

2006.08.20

【連載】マルセル・ミュールの生徒たち 5

この連載の趣旨、見方については連載第1回のエントリをご参照ください。

1946-1947

BLAISEL, Jean
CAULIER, René
COTTENET, Jacques
DAVY, Jean
DELDICQUE, Roger
DESMONS, René
DRUET, Robert
GOURDET, Georges
LE BIAN, Raymond
ROMBY, Guy
SILVERT, Henri
VIOLEAU, Rémy

試験曲:Improvisation (Elsa Barraine)

Jacques Cottenetという奏者は、ミシェル・プラッソン指揮トゥールーズ国立管によるアンリ・ソーゲの管弦楽曲集の録音(EMI、1977年録音。TOCE11130という番号で国内盤CDも出ていた)に、ゲスト奏者として名前がクレジットされていた。
バレエ音楽『旅芸人』と組曲『パリの風景』という2曲が収録されていて、後者でミュールの直系という雰囲気の味わいある音色のソロを披露している。

René Desmonsは、ルーベ(Roubaix)の音楽院教授だった人物。日本でもおなじみのジャン=イヴ・フルモー(Jean-Yves Fourmeau)の、最初の先生でもあった。フルモーカルテットの4名は全員ルーベの出身だそうだ。

Georges Gourdetという奏者は、1950年頃から後の時期のミュール四重奏団のメンバー(テナー、後にアルト)だった。
本家サイトにも掲載の写真(木下直人様提供)が、ちょうどこの頃と思われる。

Muleq

左からミュール、Gourdet、Marcel Josse、André Bauchy

2006.08.18

【連載】マルセル・ミュールの生徒たち 4

この連載の趣旨、見方については連載第1回のエントリをご参照ください。

1945-1946

BLAISEL, Jean
CAULIER, René
COTTENET, Jacques
DAVY, Jean
DELANCHY, Roland
DELDICQUE, Roger
DESMONS, René
DUDICOURT, Roger
GOURDET, Georges
NICOLAS, René
ROQUE, Paul
SILVERT, Henri
TERRY, Jacques
VIOLEAU, Rémy

試験曲:Tango et tarentelle (Marcel Dautremer)

Jacques Terryといえば、デファイエ四重奏団のメンバーとしておなじみ、つるつる頭の印象的なテナー奏者(1922.10.25-)。パリ10区音楽院の教授も務め(F.モレッティの前任)、日本人の弟子も何人かいる。
クラス開設の初年度から在籍していたようだが、紆余曲折を経て1等賞で卒業されたらしいことが見てとれる(別の資料によれば、軍務に服するため1年休学したとのこと)。

2006.08.17

ダンディの新譜

Cd111先日ダンディの「フランスの山人の歌による交響曲」についてのエントリをupしたばかりだが、そのダンディの、もうひとつ大好きな作品の新譜CD(フランス盤)を、入手。
6月頃から発売が予告されていて、入荷を今か今かと待っていたものだ。

ダンディ/海辺の詩、イスタール、地中海の2つ折り絵
 エマニュエル・クリヴィヌ指揮 ルクセンブルク・フィルハーモニック(Timpani

あちらが「山」の音楽なら、こちらの『海辺の詩』と『地中海の…』は、その名のとおり、海の音楽。
昔(1980年代)プレートル指揮のCDが発売されていて親しんでいたのだけれど、なぜか長いことCDは世界初録音のそれ一種しか存在していなかった。やっともうひとつの録音が登場、しかもクリヴィヌの指揮とあらば悪かろう訳はない。

『海辺の詩』は、以下のタイトルの付いた4つの楽章から成る。
1. 静けさと光-アゲ(地中海)
2. 藍色の歓び-マジョルカ島ミラマール(地中海)
3. 緑の水平線-ファルコナーラ(アドリア海)
4. 大洋の神秘-ラ・グランド・コート(ガスコーニュ湾)
どれも、印象派的、と言ってもいいだろう、まだ見たことのない地中海の風景を強烈にイメージさせてくれる曲だ。
1曲めは、このCDのジャケットに使われた、アゲの海岸の赤い岩々のある朝の風景を、2曲めは輝かしい昼の海を、3曲めは曇り空の下の海岸沿いを走る汽車の車窓からの眺めを、4曲めは静けさの中へたそがれてゆく夕べの海を。
サクソフォンを含むオーケストレーションが、たいへん効果的だ。スコアを見たことがないので断言は出来ないけれど、アルトとテナーが使われているのだろうか。木管群の低音域にファゴットでなくテナーサクソフォンを配置しているのではと思われる箇所がいくつかあって、実にこの曲の喚起するイメージにふさわしい暖かでなめらかな色彩の響きを聴くことができる。
(2009.5.17追記 なんと、IMSLPにこの曲の全曲のオーケストラ・スコアがupされていた。…アルト1、テナー2、バリトンの計4本のサクソフォンが使われている。恐れ入りました)

『地中海の…』は、「朝の太陽」「夕べの太陽」の2曲からなる。…長くなるので、このくらいにしておきましょう。
要するに、たいへん美しく素晴らしい曲で、どうしてこんなに演奏されないのか、私としては不思議で仕方がないのです。

ダンディにはもうひとつ、「山の詩」というピアノ曲があって、これまた私の愛して止まない曲なんだけど、これらの、格調高く感興豊かな作品の数々に親しんだ後、彼のたとえば弦楽四重奏曲や他の管弦楽曲(交響曲第2番とか)を聴くと、その晦渋さには正直、驚かされる。
前のエントリでご紹介したダンディ自身の言葉のとおり、本当に、「自然」というものから真のインスピレーションを得ていた方なのですね。

【連載】マルセル・ミュールの生徒たち 3

この連載の趣旨、見方については連載第1回のエントリをご参照ください。

1944-1945

BLAISEL, Jean
CAULIER, René
CLOUD, Georges
DAVY, Jean
DELANCHY, Roland
DELIZY, René
DESMONS, René
FRANÇOIS, Marcel
LAGLENNE, Paul
MÉDOUS, Armand
NASSELEVITCH, Jacques
NICOLAS, René
PLATEAUX, Cléophas
ROQUE, Paul
SILVERT, Henri
SIMON, Jacques
VIOLEAU, Rémy

試験曲:Pierrot et Colombine (Edmond Marc)

2006.08.15

【連載】マルセル・ミュールの生徒たち 2

この連載の趣旨、見方については連載第1回のエントリをご参照ください。

1943-44

BLAISEL, Jean
CAULIER, René
CLOUD, Georges
COTTENET, Jacques
DELANCHY, Roland
DUBREUIL, Henri
DUDICOURT, Roger
FRANÇOIS, Marcel
GAMET, Jean-Claude
GODART, René
LAGLENNE, Paul
NASSELEVITCH, Jacques
NICOLAS, René
NOUAUX, Michel
SILVERT, Henri
TERRY, Jacques

試験曲:Prélude et scherzo (Paul Pierné)

(追記)
「権威あるジュネーブ国際音楽コンクールに於いて、史上唯一の第1位を受賞したサクソフォン奏者」。
ミシェル・ヌオーMichel NOUAUX(1924.10.12-)のプロフィールに、誇り高く記される一文である(ジュネーブのサクソフォン部門の第1位は、1952年のヌオーの後、現在に至るまで出ていない)。
1980年の退役までギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の首席奏者を務め、国際的なソリストとしても活躍する傍ら、モントルイユ(Montreuil)とボビニー(Bobigny)の音楽院で教鞭を執った。
本家サイトのダニエル・デファイエのページの一部に、ヌオーのことを記述しているので、そちらも併せてご参照ください。

【連載】マルセル・ミュールの生徒たち 1

本家サイトの「マルセル・ミュール」のページの添付資料とすべく作成しようと思っていたコンテンツですが、ブログに少しずつ連載、という形をとってみようと思います。

パリ国立高等音楽院サクソフォン科、マルセル・ミュールのクラス(1942-1967)に在籍した生徒の一覧表を、ネット上で年度ごとに閲覧できるようにしようという企画。
Eugene Rousseau著 Marcel Mule: Sa vie et le saxophone (His Life and Saxophone) Edition Alphonse Leduc による。
カッコ内はフランス人以外の国籍、太字はpremiers prix(1等賞)による卒業者、Auditeurは聴講生を表す。
参考までに、修了年度の卒業試験課題曲(毎年委嘱される新曲)を付記した。

1942-43

BLAISEL, Jean
CLOUD, Georges
DEFFAYET, Daniel
DELANCHY, Roland
DUBREUIL, Henri
FRANÇOIS, Marcel
GODART, René
LAGLENNE, Paul
LETELLIER, Robert
PÉLERIN, Albert
TERRY, Jacques

試験曲:Au pays de Léon et de Salamanque (Henri Busser)

(追記)
Daniel DEFFAYET(1922.5.23-2002.12.27)については、ご存じとは思いますが、本家サイトのこちらにまとめてあります。
パリ音楽院入学前からしばしば指名されてミュールの代役を務める程の天才ぶりを発揮し、卒業後はパリ10区音楽院教授を経て、ミュールの後を継いでパリ国立高等音楽院第2代教授に就任。フルートのランパル、トランペットのアンドレらと共に、フランスが生んだ20世紀後半の最高の器楽奏者のひとりと称えられる。
私にとってはある意味、ミュール以上の「神様」かもしれない。

Robert LETELLIERはパリ空軍バンド(Musique de L'Air de Paris)のソリストとなった方。いくつかの作編曲作品やエチュードも出版されている。

2006.08.12

国分寺・小さな旅

8月12日といえば、日航機墜落の日だが、私にとっては古巣バンドの友人I氏(15年前の私の入団当時、副団長だった)の命日。
ネット上に「TUBAの小屋」という、巨大な吹奏楽関連リンク集を開設していた方なので、実はご存じの方も多いのではないかと思う(サイトは既に存在していないけれど、上記の名前で検索すると、リンクしているページをたくさん見つけることができる)。
熊本でのサクソフォン講習会へ向かう旅程の途上、第一報を聞いたのだった。あれからもう1年経つのか。
葬儀に出席することができず、たいへん残念な思いをしたものだった。仙台に眠られているので、いつか訪れてみたいと思っている。

昼間、知人の出演するくにたち市民オーケストラ吹奏楽部演奏会(いずみホール)を聴きに、西国分寺へ。
アマチュアオーケストラの管楽器セクションの団外活動ということで、音に積極性があって、なかなか良い印象。バッハが意外なほど良かった。
ただし、ホールが小さすぎて(キャパはみなとみらい小ホールより小さい)、音が飽和しており、細かいニュアンスの差まで聴き取れなかったのが残念。


終演後は、国分寺に行ったら一度訪れてみたかった、「お鷹の道・真姿の池湧水群」の一帯を、散歩。
武蔵野台地が多摩川に向かって落ち込んだ段丘である「国分寺崖線」という地形(大岡昇平『武蔵野夫人』の舞台となった、「ハケ」と呼ばれる雑木林と湧水のある場所)が、このあたり一帯から下流の世田谷区、大田区まで続いており、多摩川流域文化圏に育った身としては親しみを感じていたのです。
東急沼部駅から私の通った高校に向かう、通称「遅刻坂」という坂道があるのだけど、これなどまさに「国分寺崖線」の末端を駆け上ることに他ならない訳で。

という訳で、時折雨が降ったり遠雷の聞こえる不安定な天気の中、歩いてきた。

060812a

湧水を集めた小川のほとりは、「お鷹の道」という遊歩道として整備されている。
このへんは江戸時代、尾張徳川家の鷹狩り場だったのでこの名になったそうだ。
夏の夜はホタルも現れるという、たいへんきれいな清流で、今でも地元の農家の方が野菜を洗うのに使っているとのこと。
野川の源流のひとつ。下流部分の(多摩川に流れ込む辺りの)ドブ川みたいな野川の風景はよく知っているだけに、感慨深し。

060812c

国分寺駅側の、遊歩道入口。

060812b

武蔵国分寺の跡という場所にも、行ってきた。
ただのだだっ広い広場でした。

060812d

鋳鉄製の昔ながらのポストが、いまだ現役。
国分寺市おそるべし。

夏の音楽

発表会の余韻冷めない中、週末へ。
今週は仕事を3日しかしていないのに、妙に疲れました。
久々に、つれづれCDご紹介の、お気楽編にてお送りします。

Cd110さてタイトル。バーバーの木管五重奏曲のことではありません。
夏になると、この曲が聴きたくなる。ダンディ(Vivcent d'Indy、1851-1931)作曲、『フランスの山人の歌による交響曲』。

ダンディの生まれ故郷、セヴェンヌ地方(フランス中央高地の南部)の山々の情景と民謡からインスピレーションを得た、フランスの「田園交響曲」。
あっけらかんと明るく分かりやすいメロディと、壮麗なハーモニー、ピアノソロを伴う清冽にして優美なオーケストレーションが、昔から大のお気に入りです。

もう30年近くも、夏が来るとやれ合宿だ、講習会だ、と、楽器を提げて山々の間の地に向かう生活を送ってきた。
東京生まれの東京育ち、「帰省」という習慣のない人間にとって、それはほとんど、日常の仕事や生活を置いて「故郷」に帰るようなものに近かったのかもしれない。
中央本線の特急とかに乗っていて、緑の山々が聳えているのが目の前に迫ってくると、なんだかとても高揚した気分になってくる。「今年もまた!」と。
そんな時に、昔だったらウォークマン、今だったらiPodに入れて、必ず持ち歩いていた1曲。

ダンディ氏はこの曲について、こう語っている(1887年)。
「…この曲に、私はアルプスの山々の雪を頂いた峰を、近くの山々を、ローヌ平野を、松の森を、未だ刈入れの済んでいない豊かな緑の収穫物を見る。冬の苦しみと労働の後でここにあるのは喜びである。パリで『芸術的世界』として求めるものはこれらに比べたらはるかにつまらないものだ。ここには真の憩いがあり、全ての芸術の真の源を感じる。」

たくさんの演奏を聴いてきたけれど(しかし演奏会場で聴いたことは一度しかない)、数年前に亡くなった名匠ペーター・マーク(都響に何度も客演した、思い出深い指揮者)がスイスのベルン交響楽団を振ったCDを取り出して聴くことが、一番多い。
ジャケットのルドンの絵も、曲の感じとはちょっと違うけれど、とても印象的(クリック拡大)。

残念ながら、版元(Conifer)が潰れてしまって、現在では入手至難なCD。
いま手に入りやすいところでは、例えばデュトワ=モントリオール響あたりが、わりといい演奏をしている。

2006.08.10

なんだこれは(@_@)

なにげなくWikipediaの「サクソフォン」の項を読んでいたら、オーロクローム(Aulochrome)とやら、のことが書いてあった。
同時に2つの音を(半音階で)出すことのできる、二重ソプラノサックスのことだそうだ。
まあ、上記リンク先をご覧くださいな。

以前のエントリでも書いたとおり、サクソフォンという楽器は片手で全ての操作が可能なように作り得る訳なので、じゃあ一人でデュエットができる楽器を開発してしまえ、という発想だって、まあ、あり得なくはない。
だからって、本当に作っちゃった奴がいたとは。
絶句。
アホか、と呆れるか、なんというクラフトマンシップの粋、と驚嘆するか、かなりに微妙なところながら、受け取り方は人それぞれ、いろいろありましょう。

私自身の感想は、敢えて書かないことにするけれど、これを見て私がぱっと連想したのは、以前浜松で見た、アドルフ・サックス製作になる「トロンボーン」、のことだった。

Trombone

テナー・トロンボーン(1860年頃製作、浜松市楽器博物館蔵)

いったいこれのどこが「トロンボーン」なんだか、よお判らんが、多分トロンボーンの7つのポジションに対応する独立した管長のベルを備えている、ということなんだろう。
残念ながら、と言うか当然ながら、と言うか、実用化されることはなかった。
それは、アドルフ・サックスというひとりの傑出した楽器製作者の、壮大な思いつきと技術力の、いわば墓標として、今日に残っているように思う。


それはそうと、Wikipediaの「サクソフォーン奏者」に関する記述って、明らかに私んとこの本家サイトから取って来ているものがあるようだが。

2006.08.08

発表会詳細(8/7)

短い夏休みの2日め。
8月7日の本番のことを、まとめておきましょう。

第19回 サクソフォーン発表会(川口リリア・音楽ホール)

E.ボザ/アリア
 古屋核(A.Sax)、林田千佳(Pf) 
A.ピアソラ/タンゴ・エチュードより5、6
 岡村広紀(A.Sax)
プロコフィエフ/マーチ
民謡/ロンドンデリーのうた
フォスター/草競馬
 飯川陽子、今井よしえ(T.Sax)
W.A.モーツァルト/三重奏曲第4番 K.498 「ケーゲルシュタット」第1楽章
 村上達也(Cl)、田辺元(A.Sax)、村上ちづ(Pf)
チック・コリア/ラ・フィエスタ
 新井透(S.Sax)、今井よしえ(T.Sax)、大賀美子、今井千浩(Pf)
J.S.バッハ/アリオーソ
 石井弘子(T.Sax)、中嶋由紀子(Pf)
R.シューマン/アダージョとアレグロ
 近藤奈美子(T.Sax)、山崎奈津子(Pf)
ヴィエニアフスキ/伝説曲op.17
 佐藤葉子(Vn)、佐藤輝(Pf)
P.M.デュボア/ディヴェルティスマン
 土方宏明(A.Sax)、大賀美子(Pf)
R.プラネル/ロマンティック組曲より 1.イタリアのセレナード、2.踊り子たち、4.センチメンタルなワルツ
 中野明(A.Sax)、田巻麻紀(Pf)
J.イベール/室内小協奏曲
 三留伸一(A.Sax)、古関美香(Pf)

J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲第1番
P.ボノー/ワルツ形式によるカプリス
A.ピアソラ/タンゴ・エチュードより3番
 須川展也(A.Sax)

当日の写真いくつか。

060807_rehearsal

須川さんリハーサル中(今度はピアノではなく)。

060807_yts61s

Iさんの吹いていたテナーが、あまりにも懐かしいヤマハYTS-61(S)だったので、思わず写真1枚。
いわゆるヤマハの「プロモデル」(今はそういう言い方はしないようだけど)。キィガードのデザインがたいへん特徴的。
ワタシが29年前、高校に入った時に買ってもらった楽器が、ヤマハのYAS-61でした(ほどなく、現行モデルであるY○S-62に切り換わり、61は幻のモデルになってしまった)。

060807_beauty

本日の出演者Kさんと、応援に駆けつけてくれたOさん。
私んとこのアンサンブルの美女コンビでもあります(ヨイショッ)。
光量不足でボケてるのはご愛敬ということで。

060807_shugo

終演後、須川さんを囲んで集合撮影。
須川さんのブログにも載ってましたね(この写真は別ソースですが)。

終わりました

大盛り上がりの打ち上げを途中で辞して、先程帰宅しました。
今日という日は(既に昨日ですが)、サックス吹き続けていて本当に良かった、ということを、1年に一度確認する日だと言えるでしょう。
ご声援いただいた皆様、ありがとうございました。
詳しいお話はまた後でupします。

2006.08.07

【告知】サクソフォーン発表会19th

(当該演奏会終了まで、この記事をトップに掲載いたします)
毎年夏の恒例、以下の演奏会に出演させていただくことになりました。

【第19回 サクソフォン発表会】
2006年8月7日(月)18:30開演
川口リリア・音楽ホール(JR京浜東北線・川口駅下車)
★入場無料
出演:新井透、飯川陽子、石井弘子、今井義恵、岡村広紀、近藤奈美子、田辺元、中野明、土方宏明、古屋核、三留伸一 (以上sax)、佐藤葉子(Violin)、ほか
特別ゲスト:須川展也(sax)

チラシはこちら(PDF)

【この発表会について】
もともとこの会は、芸大を出たての頃の(無名時代の)須川さんのアマチュア門下生の発表会でしたが、須川さんが今日のような大スターとなってしまった今も、(とちゅう中断はあったものの)当時からのメンバーの自主的な発案によって、細々と続いています。
歳月が経って、我々も歳をとったし、最近は何人かの新規出場者の方も迎えるようになったりして、この会のあり方自体も少しずつ変わってきていますが、これに参加して演奏し続けることが出来ているのは、私にとってある種の誇りに思えることであり、おそらく他の歴代出演者の方々にとっても同じでしょう。
皆様のご来場をお待ちしております。

私はR.プラネルのロマンティック組曲から3曲ばかり演奏します。
これ、世に数あるサックスのオリジナル曲の中でも、さほど難しすぎず、しかも吹いていて本当に幸せな気分になれる、数少ない曲だと思う。

ど平日に6時半開演は厳しい、という方も多々いらっしゃるとは思いますが、最後の須川さんの特別演奏だけでも間に合えば儲け物、とでも思って、お気軽にご来場いただければと思います。

リハーサル中

リハーサル中

リリアに入っています。開演1時間前。
ピアノを弾いてるのはなんと須川さん:-O

N響!のアルメニアンダンス

今日も酷暑。
午前、借りていた自宅近所のスタジオで、最後の音出し。
「本番のつもり」で、明日演奏する3つの楽章の通し演奏を2回やってみる。そこだけ吹くと出来るところが、通して吹くと出来なくなってしまう。悔しいなあ。でも、崩れやすいところは大体分かったので、あとは出たとこ勝負だ。

Tirasi060806夕方(とはいってもまだまだ日の高い時刻)は外出、渋谷の人ゴミをかき分けて、NHKホールへ急ぐ。

N響ほっとコンサート-オーケストラからの贈りもの-

スーザ/海を越えた握手
A.リード/アルメニアンダンス パート1
A.ピアソラ/オブリビオン、リベルタンゴ(Sax:須川展也)
ティケリ/アメリカン・エレジー
モーツァルト/アイネ・クライネ・ナハトムジークより第1楽章
バーバー/弦楽のためのアダージョ
レスピーギ/交響詩『ローマの松』

 山下一史指揮 NHK交響楽団

そもそもはN響が毎年夏に開催している、若い人向けのコンサートなのだが、今回は「あの」N響がコンサートの前半、吹奏楽を演奏するということで、別の意味で話題となっていたイヴェント。
一種の怖いもの見たさ(笑)で、聴いてきた。
あの広大なNHK紅白歌合戦ホールの舞台に、要所要所をN響正団員が占めた本格的な吹奏楽編成が並んでいるというのは、なかなか壮観。コンマスの席にあの横川晴児さんが座っているのを見てちょっと感動を覚える。クラリネットはさすがに団員だけでは足りないのでエキストラ奏者がたくさん加わっていたけれど、分かっただけでも東響首席のNさん、新日フィル副首席のSさん、元都響首席のCさんほか錚々たるオケマン達の顔が。オーボエのトップは茂木さん、ホルンは松崎さん、トランペットは津堅さん、エキストラのユーフォニアム奏者はなんと○囿さん!あり得ない豪華メンバーだ。

演奏が始まると、正直言って最初のスーザは「あれれれれ、」って感じだったけれど(マーチは難しいっす)、アルメニアンダンス以降はなかなか感動的な仕上がりとなっていた。ところどころで聴こえるオーボエとかホルンのソロがとにかく見事な音で、例えプロだろうと普通の吹奏楽の世界では絶対聴けない音だ。N響というオケがいかに日本の最高の名手を揃えた団体か、ということを改めて見せつけられる思いがする。
吹奏楽を知り尽くした山下さんの指揮も冴えていて、オケ出身の指揮者がたまに吹奏楽を振るときのような不自然な感じは皆無。練習日数なんかほとんど無かっただろうけれど(せいぜい1日とか2日とか)、それらしい一体感を表出することに成功していたと思う。
サクソフォンのトップを吹いた須川さんが2曲独奏。このメンバーに対抗するサックスを連れて来ようと思ったら、須川さん以外考えられないでしょう。いつもよりは大人しいかなという感じだったけれど、まあ仕方ないか。

とりあえずここまでで、いったんup。後日補足するかもしれません。

2006.08.05

夏休み到来

連日の35℃超え。
誰だ、今年の夏は涼しいだろう、なんて言った奴は。(>_<)

火曜日まで、夏休みという名目で仕事はお休み。
今日は先週に引き続き、アンサンブルの練習。
欠席・早退者が多いので、開始・終了時刻を2時間ずつ繰り上げ、それでも3時間近く合奏。
なかなか実のある練習が出来たような気がする。

解散後は、本来の終了時刻まで、ひとり明後日の本番のためのおさらい。

この4日間、充実した休暇…になる予定(笑)。

ロンデックスの評伝

先日Amazon.comをふらふらしていた際に偶然見つけて注文した本が、アメリカから届いた。
開けてみて、「ぎゃーっ、」と叫んでしまった。

James C. Umble著、Jean-Marie Londeix, Master of the Modern Saxophone(Roncorp Publications)。
マルセル・ミュールの高弟にして、つい最近までボルドー音楽院の教授の職にあった、フランスの高名なサクソフォン奏者、かのジャン=マリー・ロンデックス(1932.9.20-)の評伝であります。
著者James Umbleは、現在オハイオ州ヤングスタウン州立大学の助教授であるアメリカのサクソフォン奏者。ミシガン州立大学のドナルド・シンタの下で博士号を得、1978-79年にはボルドーでロンデックスに学んだとのこと。

さて、何が「ぎゃーっ、」て、本が分厚いのにびっくりしたのだ。ほぼB5判、総ページ数660ページ、タイトル金文字、丸背のハードカバー上製本(思わず定規で厚みを測ってしまった。4.5cmありました)。なんと本文は英語・仏語併記。いやー、まさかこんな百科事典みたいな本だとは思ってもいなかったもので。
考えてみたら、購入価格は49ドルということは、1冊5000円以上。この豪華さももっともか。
しかし、普通の本屋さんで1冊5000円の本を買うとなったらかなり迷うと思うんだけど、ネット上だと結構気軽にポチッと買ってしまうわけで、ちょっと怖いかも。

内容は、Biography(おいたち)、Pedadogy(音楽について、奏法や練習法、テクニック、レパートリーについてのインタビュー)、Essays(サンジュレーからドビュッシー、デザンクロ、イベール、グラズノフ等を経てデニゾフ、ベッツィー・ジョラス、フランソワ・ロセ、クリスチャン・ロバに至る、サクソフォンのために書かれた44曲の作品についてのロンデックス自身によるノート)、資料集、と、おおよそ以上。
でもって、日付をはじめとするディテールの記録が滅多やたらと詳しいのが、一種、壮観である。例えば1981年の来日時には、何月何日にどこでリサイタル、曲は何、何月何日にNHKで何の曲を放送用に収録し、ピアノは誰、などということまで全部書いてある。どうやら原資料として、ロンデックス自身が60年近く前から克明につけている日記が使われたようだ。すごい… ロンデックスという人は、こういう本が書かれることを予測でもしていて、自分の人生を自らプロデュースするために日記をつけていたんだろうか?としか思えない用意周到さ。呆気にとられます。

たくさん載っている写真の中から、日本関連のものを2枚ばかりご紹介しましょう。(クリック拡大)

Londeix_tokyo

"Tokyo, 1983"と一言だけ説明された1枚の写真。
見ての通り、普門館だ。
おそらく、この年の6月の来日時に、普門バンドフェスティバル(というイヴェントが昔あった)にて佼成woと共演(R.ビンジのコンチェルト)した際の写真でしょう(左端にクラリネットの関口仁さんとおぼしき顔が写っている)。
ちなみに指揮は、当時25歳だった大友直人氏。
(ワタシ、この時客席にいたような気が。)

Londeix_students

同じ頃の撮影と思われるが、日本人の生徒(東京サクソフォンアンサンブルの4名+1)に囲まれたスナップ。
皆若いですね。下地先生はしかし、この頃から貫祿があったようで(笑)
市川先生懐かしい。もう何年お会いしてないだろうか。

真ん中に写っている大山(旧姓田畑)先生に、私は22歳のときから初めて「ちゃんと」サックスを習いました。
とても美しい方でしたが、物凄く厳しい先生でした。…

というような、本です。
いやはや。
読み終わるのはいったいいつのことになるのか、見当もつかないが、少しずつ読んで行こうとは思う。

2006.08.04

グラン・カナリア・フィル

Tirasi060803グラン・カナリア・フィルハーモニー管弦楽団 東京公演(東京芸術劇場)
ビゼー/『カルメン』より 前奏曲、ハバネラ、セギディーリャ、ジプシーの踊り
ファリャ/交響的印象『スペインの庭の夜』(Pf:霧生トシ子)
ロドリーゴ/ある貴紳のための幻想曲(Gt:ぺぺ・ロメロ)
ラヴェル/スペイン狂詩曲
同 /ボレロ
 指揮:ペドロ・アルフテル・カーロ

イープラスの得チケにチケットが半額(S席10000円が5000円)で出ていたのを見つけ、曲目がなかなか魅力的だったこともあり、思い立って急遽聴いてきた。スペイン領カナリア諸島、ラス=パルマスのオーケストラ。
「オルケスタ・フィラモニカ・デ・グラン・カナリア」って、なんだかサルサバンドみたい。

日本のオーケストラみたいに巧いわけではないけれど、実になんともいえないローカルな味わいある音のするオケだ。こういうのと比べると、日本のオケは「工業製品」だなあ、と思う。『スペインの庭の夜』なんて、CDではよく聴いていたけれど、正直、こんなに良い曲だと思ったのは初めてのことだ(いまいちつかみどころのない音楽だと思っていた)。

席は1階の前から3列めの右端近く。目の前のステージ上は2nd Violin群の背中で(渋いことに対向配置だ)、管は音はすれども姿は見えず。さすが安売りに流れて来るだけあって、これがS席かというような席だったけれど(おまけに近所には、関係者とおぼしきエスパニョーラな一群が座っていて演奏中小声で話とかしてくれるし。後半いなくなったが)、ギターを聴くにはちょうど良かった。PA一切無しだったので、上の階だったら聴こえ辛かっただろうな。ペペ・ロメロ師、さすがの貫祿。これ目当てで来ている人も多かったのだろう。一際、喝采多し。

休憩後はラヴェル。もっと精緻で引き締まった演奏というのは他にもあるだろうけれど、これはこれでよろしい。「ボレロ」はトロンボーンのソロが終わったあたりからどんどん加速するタイプの演奏で、ボレロって元々スペインの舞曲だったもんね、ということを納得させられる。
サックスは2人とも本国から連れてきた奏者のようだったが、プログラムにメンバー表が無いので名前は分からない(テナー、なかなか端正な美しい音だった)。

アンコールに、「三角帽子」の終幕の踊り。これが最高に良かった!この推進力とエネルギー、野性的な味わいは、まさに「十八番」、到底真似はできません。これだけでも聴きに来た甲斐はあったというものだ。
真夏の初めにふさわしい、実に楽しいコンサートでした。

会場ロビーで、Arte NovaやASVから出ているこのオーケストラのCDをたくさん売っていたので、ファリャの入った1枚を買って帰る。

Cd109

ファリャ/恋は魔術師、スペインの庭の夜(Ricardo Castro, Pf)、「三角帽子」第2組曲
 エードリアン・リーパー指揮 グラン・カナリア・フィルハーモニー(Arte Nova)

ブログ書きながら流し聴きしているんだけど、なかなかイイです、これ。特に「スペインの庭の夜」、今まで聴いたことのあるどんな演奏よりも良い。というか、しっくり来る。これで1枚1000円程度というのはお買い得だと思う。

2006.08.01

ベルティーニのドビュッシー・ライブ

ついに発売されるという話を数週間前に聞いて楽しみにしていた、われらがベルティーニ指揮のケルン放送響による、フランス物のライブCDシリーズ3枚(ドビュッシー、ラヴェル、ベルリオーズ)が、やっと店頭に並び始めた。
まずはドビュッシーの1枚を購入。

Cd108

ドビュッシー/海、夜想曲、牧神の午後への前奏曲
 ガリー・ベルティーニ指揮 ケルン放送交響楽団ほか(Capriccio)

ベルティーニが亡くなった時にもブログに書いたけれど、ベルティーニという指揮者は、世界屈指のマーラー指揮者であるのと同様に、現代におけるフランス音楽の見事な解釈者でもあった。
そのことは私なぞは、上記リンクにあるとおり、1994年のケルン放送響の来日公演や(リンク先には1993年とあるが間違い)、都響での実演を聴いて身をもって知っていたけれど、いかんせん、録音となって残っているものがほとんどなかった。
そのことを証明できるCDがやっと現れてくれて、嬉しい。

「海」の超本格な響きは、とても非フランス系の指揮者にドイツのオケとは思えませんよ。
そのうえ、たいへんにドラマティックで、鮮烈な演奏であります。

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