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2006.07.15

『精霊の庭』-武満徹とサクソフォン

日本サクソフォーン協会会報「Saxophonist」18号が届いた。
どこかにワタシの写真が載ってます。(^o^)

管打楽器コンクール関連の興味深い記事や、ダニエル・ケンジー来日顛末記、シュトックハウゼン『友情に』の作曲者による解説の全訳(シュトックハウゼンという人はかなりに紙一重を超えている人物であるらしいということがよく判る;)とか、ワタシ的にはかなり面白く出来ている。
その中に、武満徹『ディスタンス』のソプラノサクソフォン版(原曲はオーボエ&笙のための作品)成立当時の事情に触れた、セルジュ・ベルトーキ氏(フランスのサクソフォン奏者、アミアン国立音楽院教授)へのインタビューがあった。
時は1990年。武満氏はソプラノサックスで演奏される『ディスタンス』に、「際立って好奇心をそそられ、即座に魅了された」という。

私がそれを読んで思い出したのは、武満の晩年のオーケストラ曲、『精霊の庭』(Spirit Garden)のことだった。
1994年夏のこの曲の初演を、私はたまたま会場で聴いていたのだが、オーケストラに(それまでの武満作品の編成には見たことのない)ソプラノ・サクソフォンが1本含まれていることに気付き、驚いたものだった。
この曲のサックスパートは、目立つようなソロは無いけれど、ほとんど常に木管群と一緒に動き、晩年の武満作品に特有の、半透明のエーテルのようなオーケストラの音色を演出することに大いに役立っているように思えた。

若き日の武満氏はかなりサックスが好きだったようで、いまは散逸してしまった劇伴音楽などでよくサックスを使っていたそうだ。Jazz好きだった武満氏自身の嗜好か、あるいはやはりサックス好きだった先輩の芥川也寸志氏(戦時中は陸軍軍楽隊でテナーサックスを吹いていたそうだ)あたりの影響か。…いつかのブログにも書いた記憶があるけれど、近代の日本の作曲家は不思議とサックス好きな方が多いのです。TV番組「題名のない音楽会」の中で「僕はサックスが大好きなんです、」と公言した黛敏郎氏あたりを筆頭に。

その後、年を経て「シリアスな」音楽の世界で名を上げて、それにつれてサクソフォンへの興味を封印してしまったように思えた武満氏に、再びサクソフォンという楽器に目を向けさせるきっかけとなったのが、件の『ディスタンス』だったのかもしれない。

『精霊の庭』の初演時の演奏会のプログラムは、以下のようなものだった。

飛騨古川国際音楽祭・東京特別公演
 1994年7月20日 サントリーホール

ビゼー/交響曲第1番ハ長調
武満徹/精霊の庭(飛騨古川国際音楽祭委嘱作品・世界初演)
ドビュッシー/歌劇『ペレアスとメリザンド』抜粋(第2幕第1場、第3幕第1場、第4幕第4場)
 若杉弘指揮 東京都交響楽団

このとき、ステージ上でソプラノサックスを吹いていたのが、旧知の新進サクソフォン奏者F君だったことも、印象に残る原因のひとつだった。彼は当時まだ音大を出たばかりだった頃と記憶している。
都響では、宗貞啓二氏がほとんど「常任サクソフォン・エキストラ」のような立場であるので、宗貞氏の高弟だったF君がこの時は乗っていたのだろう。この頃の都響の舞台で、他の機会にも何度か彼の姿を見かけている。

あれからもうすぐ12年。

Cd105

武満徹/ジェモー、夢窓、精霊の庭(DENON)

初演と前後して同じ指揮者・オーケストラで録音されたCD。たぶんこれにもF君が乗っているのだろう。

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