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2006年3月

2006.03.26

直管

コンクール終了後初の、アンサンブル練習日。

今日の練習は、冨岡センセの忠告(25日のエントリ参照)に従い、ソプラノを久しく使っていなかったストレートネックで吹いてみた。
吹きやすい。エエッ?って感じで自分でもびっくり。
アルトのオクターブ上に重ねるところなども、今まではいろいろいろいろ小細工して合わせていたのが、そりゃあっ、と吹き込めば合うので、とっても迷いなく吹ける。
「なめら~か」を始めた6年前の当時は、このストレートネックを使うとオクターブ上の音がぶら下がってどうしようもなく、このネック、ハズレだと思って、以来ほぼカーブドネックばかり使っていたという経緯があったんだが。
想像するに、ソプラノを吹き慣れていない当時の自分は、高音に行くに従って無意識にアンブシュアが緩んでいたのだな。
以前から使っていた昔のヤナギサワのソプラノは、高音域のピッチがすごく上ずるという癖があったので、これまた無意識にそう対応していたのかもしれない。

奏法というものは、自分で意識しなくても、刻一刻と変わっているんですね。
過去のある時点における状態を固定化せず、常にチェックを怠らないようにしなければ、と痛感。

以上あくまでも「私の場合は、」ということで、一般的なお話ではありませんので、念のため。

練習終了後は、30日限りで閉店となる、練習場目の前のロイヤルホストみなとみらい店にて、「最後の晩餐」。
「なめら~か」発足当時は、練習終了後ほぼ毎回、皆でこの店に居座って、夜遅くまでミーティングという名の大雑談大会に興じていたものだった。あまりに盛り上がりすぎて終電を逃し、車で送ってもらったことも、何度も。
みんな若かったし、「自分たちのアンサンブル」を立ち上げたばかりの頃の独特のノリ、というものがあった。
「今の」私たちの未来や、如何に。

宮川泰氏を偲ぶ

作曲家・宮川泰(ひろし)氏、逝去(21日)。
ニュース関連はこちら
ちょうどコンクールとぶつかってしまい、かなり遅まきながらのエントリですが、「宇宙戦艦ヤマト」のTV本放送をリアルタイムで見た(中学生のとき)世代としては、やはりこれは書いておかなければならんでしょう。

cd088

交響組曲「宇宙戦艦ヤマト」
宮川泰(作曲・編曲・指揮)/シンフォニック・オーケストラ・ヤマト(日本コロムビア)

久々に引っぱり出して、聴いた。
「ヤマト」映画化で盛り上がっていた、1977年の発売(私は当時、高校1年生)。このジャケットは1995年のCD化再発売の際のもの。

高校生の頃はこれ、本当によく聴き込んだものだった。せりふも殆どそらんじていたし。
「ヤマト」が当時の高校生(ばかりでなく)の間でどんなに人気があったか、今となっては実感するのは難しいかもしれない。
私の通っていた高校の吹奏楽部は、文化祭公演のアンコールで伝統的に「ヤマト」のテーマを演奏することで、文化祭全体の盛り上がりを独り占めしていたようなところがあったし。
そういえば、校庭の真ん中でキャンプファイヤーの燃える後夜祭のクライマックスで、屋上に3年生の先輩が現れ、急に静まりかえった中「真赤なスカーフ」をトランペットソロで吹いて、忘れ得ない印象を残した、なんてこともあったっけ。
今聴いても、あのスキャットが耳に届いてくると同時に、当時の自分になってしまうような。

交響組曲とは言っても、この少し後に出た「スター・ウォーズ」の組曲(ズービン・メータ指揮ロサンゼルス・フィル)みたいな本格シンフォニーオーケストラではなく、歌謡番組のオーケストラの延長のようなちょっとチープな感じはあるけれど、よく聴くとなにげなく高度な技法やオーケストレーションもあちこちに使われていて、宮川氏としては一世一代のシンフォニーだったんだろうなあ、と思う。

現代の(技量の面でも感性の面でも、30年前の当時よりはるかに進化した)シンフォニーオーケストラで、同じスコアを聴いてみたいものだ。

2006.03.25

コンクール総括(というほどのこともなく)

やっと1週間の仕事が終わった。さすがに今週は疲れたなあ。忘れないうちに。

日本サクソフォーン協会主催、第3回アンサンブル・コンクール本選(3月21日、洗足学園前田ホール)。
結果はこちらのページにupされてます。

060321

戦い済んで、記念撮影。

なかなか厳しい審査だった。銀賞は上出来かも。
それでも、少なくとも、アルフレッド・リード先生の音楽の栄誉を汚さない演奏は出来たのではないかと思う。
私としては、初演以来三度めの全曲演奏。やるたびに新しい発見があって、つくづく奥の深い音楽だと感じる。
おそらく、この曲と一緒に自分も成長するかのように、この先もずっと演奏し続けることになるだろう。
ご声援ありがとうございました。>みなさま

hyoshojo06

審査員の顔ぶれは以上の通り。
全体に、意外と好意的な講評が多かった。

kouhyou06

冨岡センセの講評(部分)、さすがです。去年(前回)もそうだったけど、たったの一言で、なんと大変な課題をくださることよのう…しかし、名指しですか(他団体にも名指しされた方はいた模様)。
これ以外に、「少し雑だけど、プロの響きに近い」「リードさんの音楽が聞こえる」とも書かれていて、これは嬉しかったなあ。

2006.03.21

コンクール終了

アンサンブルコンクール、無事終了。一般参加団体5団体合同による笑い止まぬ打ち上げを終えて、帰宅途上です。
私たちは銀賞をいただきました。結果云々よりも、仲間たちに恵まれて、現在の私たちに成し得る最善の演奏を披露できたという安堵と満足感を感じています。

応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
詳しくは後日また。

2006.03.18

マウスピースだけの練習

やっと巡ってきた週末は、楽器漬けの日々と化す。本日も、既に。

サックスの、マウスピースだけを使った練習について、神戸在住のサクソフォン奏者井上麻子さんが面白いエントリを書かれているので、トラックバック。

マウスピースだけを吹く練習については、指導者の間でも賛否両論分かれていて、福岡の斎藤先生のように「全く意味がない」と仰る方から、北山研究室の北山先生のように、ご自身の奏法論の根幹に据えておられる方まで、いろいろ。

確かに、マウスピースの先に楽器本体という抵抗体があるのとないのとでは、「鳴る」という状況が全く違う訳だから、奏法という形で両者を一律に考えるのは無理がある、という意見はもっともだ。
といって、私が人を教えた乏しい経験の中でも、明らかにアンブシュアが締めすぎで良い音が出ていない人に対してマウスピースだけで音を出させてチェックする、ということはある程度の効果はあったので、要は目的(何のために、何をするか、ってこと)次第でしょう。
そもそも、その「目的」と「効果」(あと勿論、その「限界」も)をしっかりと認識した上のことであれば、どのような練習であれ「間違った練習法」というものは存在しないのでは、とも思える。

世間一般にそうなのだが、こういうふうに賛否がまっぷたつに分かれる議論というものには、必ずその分野に関する何か本質的な考察が含まれているものだ。これとて、例外ではない。

湯山昭『ディヴェルティメント』

ひとつ前のエントリの続き。
表題曲(湯山昭作曲『マリンバとアルトサクソフォンのためのディヴェルティメント』)について。

湯山作品は、サックス的にはたいへん重要なレパートリーだし好きな曲だけれども、こうして生で聴いて(見て)みると、これはやはりマリンバのための曲だなあと思う。聴き終えたあと印象に残るのが圧倒的にそっちだから。
視覚的効果、というものは大きい。

ちなみに、湯山さんの、この『ディヴェルティメント』をはじめとする器楽作品について、私んとこの本家サイト上で、こんなページを公開しています。
お時間がありましたらお読みいただければと思います。
この曲のCDは、ウチのCD棚には、上記ページで採り上げた渡辺貞夫盤のほか、宮島基栄(マリンバ安倍圭子。初演メンバー)、ジョン・ハール(同エヴェリン・グレニー)、須川展也(山口多嘉子)、福本信太郎(高田亮)と、5人のサックス奏者によるものが並んでいるけれど、もしかしたら作曲者のイメージとしてはナベサダの演奏が一番近いのではないか、と勝手に想像している(根拠は特になし)。

10年以上前のことだが、ヤマハの銀座店で偶然、本物の湯山さんに遭遇したことがある。
たまたま銀座ヤマハに行ったら、湯山さんが新しいピアノメソードと併用曲集を書いた、その出版記念イベントとサイン会を1階店頭で開催していたのだ。
閃くものがあり地下の楽譜売場へ。『ディヴェルティメント』の楽譜を探す。あった!すかさず購入(1200円)、1階に戻ってサイン会の列に並ぶ。
順番が来て、私の差し出した、他の人と全く違う古い楽譜を見て湯山さん、「おや、これは珍しいものが出てきましたな」とびっくりされ、それでも「この曲はね、アメリカとかでとても人気があるんですよ」と仰いながらサインして下さった。

我が家にこの曲の、作曲者サイン入り楽譜が存在する顛末、でした。

yuyama

陸自東部方面音楽隊・室内楽演奏会

急遽ご招待を頂いて、陸上自衛隊東部方面音楽隊・室内楽演奏会を聴いてきた(3月17日、川口リリア・音楽ホール)。
余談ながら(最初からいきなり余談かい)、音楽隊のホームページ(上記リンク)、ものすごく面白いです。お時間のあるときにゆっくりご覧になってみてください。

超本格的なマルチパーカッションのソロ曲から、クロード・ボラン(ボリング)のフルートとジャズピアノトリオのための組曲、金管アンサンブルは定番中の定番『ロンドンの小景』(G.ラングフォード)、などなど、全8曲、たいへんにバラエティに富んだ楽しい演奏会だった。
繰り広げられた演奏もまた自発性にみちた気持ちのよいもので、むかし学生の頃聴いた自衛隊バンドの、昨日のエントリで言うところの「つまらないプロフェッショナル」の典型のような演奏の記憶からすると、時代は変わったものだと思う。
あらゆる階層の音楽家たちの間で、世代交代というものは確実に進んでいるようだ。

さすが自衛隊のバンド、室内楽演奏会といえども、演奏者はみな肩章付きの制服姿。さすがに打楽器は違ったが(女性の打楽器奏者のステージ衣装って、なんか「くの一」という言葉を連想させるものがある)。曲間のセッティング替えにも制服姿の楽団員の方々がわんさと出てきて、作業が機敏でしかも目茶苦茶素早いことには驚きを通り越して感動すら覚える。こんなに舞台転換がよってたかって早く終わる演奏会、ってのは初めてだ。見ていて「無駄な動き」ってものがないし。
とめちゃんが沢山いる、みたいな。(←楽屋落ち)

招待状を下さった、畏友・斎藤了さん(Sax)が、湯山昭『マリンバとアルトサクソフォンのためのディヴェルティメント』と、最後ウォルトンの『ファサード』(Fl・Cl・Sax・Tp・Fg・Percという変わった編成)に登場。ウォルトン面白いな。こういう編成で一度でいいから思いきり吹いてみたい。
湯山作品については、別エントリにて。

更に余談。「東部方面隊」って、英語表記だと"Eastern Army"になるのね。ふうん、アーミーですか。

2006.03.16

Band Classic Library 5

忙中自ずから閑あり。
ちょこっと更新。

cd087

BCL(バンド・クラシック・ライブラリー)第5集を聴いた(Brain Music)。
詳細はリンク先参照。
相変わらず、なんとも元ブラバン少年少女たちの琴線に触れる選曲であることよ。今回は「バン民」に「イーグルクレスト」に「クィーン・シティ組曲」に「献呈序曲」に「エルカミ」ですか。
他はともかく、ワタシ的には「献呈序曲」がなんとも懐かしくて。東京の高校で吹奏楽や合唱をやってた方ならたぶんご存じ「中央音楽会」で、高校1年生の時に第一学区合同バンドで吹いた曲だ。28年ぶりに聴いたことになる。ちなみに会場は武蔵野音大ベートーヴェンホールでした。まともな「コンサートホール」の舞台に乗った、初めての(記念すべき)記憶。

ただこのCD、演奏そのものが、そういった過去の記憶を「生き生きと」蘇らせてくれるかっていうと、必ずしもそうでもないというのが、正直なところ。
何故なんだろう。部分部分はとてもきれいな響きがするし、決して下手な演奏ではないのだが(上手い下手、で言えば、上手い演奏ということになるのだろう)。
音そのものがね、何か抑圧されてるんだよね。音がどこかへ向かおうとするエネルギーが、何か無理やりせき止められているような感じがする。この「BCL」シリーズの演奏は皆多かれ少なかれそうなんだけど。

「プロの演奏は上手いけれどつまらないが、アマチュアの演奏は感動的だ」みたいなステレオタイプな考え方って、もしかしたらまだしぶとく生き残っているのかもしれない、と、こういう演奏を聴くと思う。
少なくとも私が普段聴いているようなプロ演奏団体たちに関しては、そんな考え方はとっくに過去のものなんだけど。

2006.03.11

Sax四重奏聴きまくり(3/9)

音大生によるサクソフォーン四重奏の夕べ(日本サクソフォーン協会主催) 川崎市高津市民館・Noctyホール
という催しに行ってきました(3月9日)。毎年恒例の、音大対抗アンサンブルコンテスト。審査員はいないし賞や点数も出ないけど、気分としてはそんな感じ。
出演者及び曲目は、以下の通り。

桐朋学園芸術短期大学 A.グラズノフ/四重奏曲より
S柳澤真由子 A十倉彩子 T江川良子(演奏員) B松原孝政(演奏員)

東邦音楽大学 C.パスカル/四重奏曲より
S嶋田早苗 A小林あゆみ T古澤悠子 B松原隆浩

尚美学園大学 J.アプシル/ルーマニア民謡の主題による組曲
S河村緑 A菊池尚美 T神田恵里 B波多腰千明

国立音楽大学 D.ケックレー/ステッピング・アウト
S千葉亞覧 A相浦恵 T桑野美奈 B山本直人

武蔵野音楽大学 C.ドビュッシー/弦楽四重奏曲より1・4楽章
S藤田鎮大 A小林浩子 T香高みゆき B村上大

名古屋音楽大学 A.ベルノー/四重奏曲
S瀧彬友 A伊豫田美奈子 T武田梢 B栗田紘次

東京音楽大学 I.ゴトコフスキー/四重奏曲より1・3・5楽章
S猪田麻衣子 A福島哲平 T吉田隆広 B辻野進輔

東京ミュージック&メディアアーツ尚美 A.デザンクロ/四重奏曲
S本田裕美 A古市舞 T狩野剛志 B岩永俊介

名古屋芸術大学 J.アプシル/ルーマニア民謡の主題による組曲
S三輪一登 A新美亜希 T藤田ともみ B尾田麻衣子

昭和音楽大学 I.ゴトコフスキー/四重奏曲より1・2・5楽軍
S土内麻梨 A小川和紘 T島田和音 B完戸吉由希

愛知県立芸術大学 D.ケックレー/ステッピング・アウト~1・4楽章
S中田真砂美 A今尾絵里 T佐藤こずえ B長内阿由多

桐朋学園大学 C.パスカル/四重奏曲より
S茂木建人 A高橋菜津美 T佐川鮎子(嘱託) B蓼沼雅紀(嘱託)

洗足学園音楽大学 I.ゴトコフスキー/四重奏曲より1・3・5楽章
S石毛杏子 A森亜希子 T塙美里 B谷道実子

東京芸術大学 C.ドビュッシー/弦楽四重奏曲より1・3・4楽章
S林田祐和 A田村真寛 T貝沼拓実 B坂口大介

さすがに平日に午後5時開演では最初から聴くのは無理で、それでもちょうど半分くらいは聴けたかな。

今年もやはり、トリの芸大チームが貫祿勝ち、という雰囲気。直近2回の管打コンクール1位受賞者2名をフロントに立てた(…両方学生ってことか、、)超重量級の布陣ながら、ともすると陥りがちなゴリ押しの音楽にならず、むしろ第3楽章の最弱音のコントロールがとても印象に残る結果となった。完成には未だ至らなかったが、しかしサックスでここまでのピアニシモのコントロールは、トルヴェールQあたりの演奏でもなければ聴けないものと思っていたのに、果敢にも学生さんの集団がチャレンジする時代になりましたか。
それにしても、これだけのことをやってのけてもまだ「未完成」なのだから、音楽の世界のなんと深く妥協のないこと。

次点は昭和音大のゴトコフスキーかな。この曲を聴いて「感動した」、というのは、実のところ初めてのことだった。
以前昭和のウィンドシンフォニー(吹奏楽)を聴いた時にも思ったけど、単に上手いとかまとまっているという以上に、発せられた音が空間の中でどのように鳴っているかという次元まで掴まえられているという印象。
余程的確で行き届いた指導がなされているということでもあるのだろう。ジュニアの音楽コンクールみたいに、メンバー名と一緒に指導担当教員の名前も出したら面白いのに、などと(無責任に)思ってしまった。

しかし思うのだが、この「音大生による四重奏の夕べ」という催し、十年以上前から続いていて聴ける時には聴いてきたんだけど、去年くらいから俄然、「面白い」ものになってきた。
つい4~5年前までは、音大生たちの演奏を5つも6つも立て続けに客席で聴くのって、ほとんど「苦行」に近いものがあったのに。
何が変わってきたのかな。演奏そのもの?自分自身の、聴き方?
たぶん、両方だろうと思う。

2006.03.06

"CHAMBER SYMPHONY" on Saxophone Journal

Saxophone Journalの最新号(March/April 2006)に、雲井雅人サックス四重奏団のCD「チェンバー・シンフォニー」の批評が載っている。

Saxophone Journalを講読し始めてもう7~8年になるけれど(エーゴは苦手なんで毎号斜め読みだけど)、日本のサクソフォン奏者やそのCDがとり上げられる機会は本当に少ない。1年くらい前に須川さんの紹介記事が載ったのと(執筆されたのは緒方英子さんだという話)、ずいぶん前に前田昌宏氏へのインタビューが載ったくらいしか記憶にない(日本の典型的な"salary-man"のような風貌の人物、という紹介のされ方をしていたのを妙に印象的に覚えている)。情報に関しては日本という国はまだまだ入超なのだなあと思う。
特にネット世界では、日本語の壁、というのが厚いのだろうが。

評者はDr. Frank Bongiorno。調べてみたところ、ノースカロライナ大学ウィルミントン校の音楽学部長の職にある方のようだ。

カルテットの紹介と各人の簡単なプロフィール紹介に続く、実際のCD評の部分を、以下に転載してみます。
簡潔で的確な論評だと思う。日本語ではなかなかこういう風に書けない気がする(無理やり書くと、妙に他人行儀な翻訳調の文章になってしまう)。
あ、当然ながら、転載許可など取ってませんので、取り扱いにはご注意ください。
雑誌誌面をスキャンして、PCにおまけで入っていたOCRソフトを使ってテキスト化してみたんだけど、なかなかちゃんと認識してくれるもんで、驚いた。イタリック体の文字が全部化けてしまったのは仕方ないか(勿論直しました)。

...The CD opens with an arrangement of Three Church Sonatas by Mozart, and is arranged by the ensemble's leader, Masato Kumoi. The arrangement retains all the simplicity and beauty of Mozart's music, while the performance is crisply played by the quartet, and with just the right energy and drive to joyfully propel the music, as it was intended to do so.
David Kechley's quartet, Steppin' Out, receives an impressive rendition by the quartet. One of numerous saxophone pieces written by David Kechley over the last two decades, Steppin' Out presents a wide range of technical and ensemble challenges that are easily negotiated by the quartet. Of particular note is the quartet's ability to successfully run the gamut of musical emotion from rollicking rhythmic energy to melodic lyricism, and they do it with precision and mastery of musical interpretation.
The title cut, Chamber Symphony, by Andrew Stiller, is in four movements and also presents numerous challenges for the quartet, including, quarter-tones, and the extended range of the instrument. Regardless of the challenges, the quartet seems to have a knack of providing just the right blend of sound from each instrument to achieve the perfect ensemble balance, as well as meticulously matching technical passages among its member.
The CD ends as it began, with a transcription. Vivaldi's Nulla in mundo pax sincera (There Is No True Peace) is truly a peaceful sounding composition with wonderfully lyrical themes, Originally written as part of a motet for soprano voice, violin, viola, thorough-bass, this piece is often sad sounding at times, but its lyricism and simplicity ultimately lifts the piece to a mood of joy and reverence. All of these emotions and subtleties of mood are keenly projected by the quartet because of their sensitive approach to direction of melodic line and their understanding of the importance of each voice within the musical texture of the quartet.
Chamber Symphony is a wonderfully performed CD with an exceptional sound quality of just the right mix of reverberant room sound and instrumental presence. The Masato Kumoi Sax Quartet is an a㏄omplished ensemble that combines strong individual performers with sensitive ensemble playing. The pieces on the CD, as well as the performers, make this CD an enjoyable listening experience that not only moves the spirit, but also engages the mind.

(c) Frank Bongiorno
Saxophone Journal, March/April 2006

2006.03.05

土曜日の練習

土曜日、午後のアンサンブル練習と再来週の大きな本番に備えて、朝一に新宿2丁目の行きつけのお店で、ソプラノを久々に調整。
かなり間が空いてしまったので、随分狂っていたようだ。
練習場に行って音出ししてみると、音程が良くなっていることに驚く。快感。
今までは(コンクールの審査録音の頃なんか特に)自分のプレイの音程の悪さに腹が立っていたのだが、楽器の状態に合わせて相当無理な演奏(奏法)をしていたということだな。

昼は1時間程、4人で21日のコンクールのための合わせ。
その後はラージ練習。久々に(10月の演奏会本番以来か)全員揃ったので、新導入のSibelius2を駆使して完成したばかりの譜面を配付、初見合奏。
人が揃っているというのは気分が良いものだ。次の瞬間には話題がどこに飛んで行くか予測のつかないような、活発で即興的な言葉のやりとりをしながら、合奏が進む。

この2週間以上、家ではほとんど他のことをやらずに取り組んできた新編曲は、ウィリアム・ウォルトンの『スピットファイア』プレリュードとフーガ。
フィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブル(PJBE)の名盤「グリーンスリーヴズ」に入っているのを20代はじめ頃に聴いて以来、やってみたかった曲であります。
この録音に使われたエルガー・ハワース編曲のブラスクワイアのための楽譜が出版されているけれど、実に見事というか、模範的というか、それ自体に「美」を感じるほどに論理的な書法だ。同属楽器のクワイアのための編曲のお手本のような簡潔さと、元がオーケストラのためのスコアだとはにわかに信じがたい程の完璧なトランスクリプションと声部配置がなされている。
このような書法のスコアを、サックスのみの合奏で再現するというのは、実に挑戦的でやり甲斐のあるミッションだと感じる。

cd086

この、「スピットファイア」が収録されているPJBEのアルバム「グリーンスリーヴズ」(というのは日本国内向けのタイトルで、原盤のタイトルは単に"Fanfare")は、現在、スイスのMarcophonというレーベルからオリジナルの曲目で発売されている。
日本国内では出ているんだろうか?寡聞にして知らない。

2006.03.01

カルミナ・ブラーナ@TKWO

いろいろいろいろドタバタしているうちに、いつのまにやら3月。話題にする暇もないままオリンピックも終わってるし。

tirasi612東京佼成ウィンドオーケストラ 第88回定期演奏会(東京芸術劇場)

J.S.バッハ/マタイ受難曲より第54曲 コラール「おお、みかしらは血と創傷にまみれ」
伊藤康英/吹奏楽のための交響詩「ぐるりよざ」
 龍笛独奏:赤尾三千子
オルフ/カルミナ・ブラーナ
 Sp臼木あい、Tn高橋淳、Br成田博之
 熊楠フェスティバルコーラス、新宿区少年少女合唱団
 指揮:ダグラス・ボストック

久々に聴く佼成wo、なかなかよございました。吹奏楽を聴いている、って感じが全然しないまま演奏会が終わった。
冒頭はハーモニウム(小型オルガン)1台のみの伴奏で小合唱によるバッハのコラール、終わってそのまま切れ目なしに「ぐるりよざ」に突入。これが全く違和感がなく、バッハの別編曲バージョンが始まったのかと一瞬勘違いしたほどだ。おかげで「吹奏楽の曲」を聴くという身構え無しに聴くことが出来た。昔自分でも吹いたことがあって結構苦労した記憶があるけれど、こうして聴いてみるとそんな大曲には聞こえないものだ。
演奏は鮮烈極まりなし。こういう曲をやらせるとさすが佼成、上手いと思う。

後半は合唱付きで「カルミナ・ブラーナ」全曲。
これもまた吹奏楽編曲版ということをあまり感じさせず(元々がそんなに弦が思いきり目立つ曲でもないし)、長い曲を集中して聴くことが出来た。歌い手3人も若手ながらなかなかの実力者揃いで、特にテノール高橋氏の丸焼きにされる白鳥の迫真の歌唱と演技には息を呑んだ。「カルミナ」のテノールをこういうふうに歌える日本人歌手がいたとは、ちょっと驚き。
合唱は寄せ集めながらなかなか頑張っていて、あと男声がもう少し厚かったらなあと思ったけど健闘。コバケイこと小林恵子さん(音の輪結成式の日のエントリ参照)がコーラスマスターを担当したんですね。

フェネルさん亡き後の佼成は、こういう方向に行こうということかな。やっと何か、見えてきたような。

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