ニューイヤーコンサート…、ではなく
新年最初に聴くコンサートは、新日本フィルの定期でした(すみだトリフォニーホール)。
江村哲二/武満徹の追憶に《地平線のクオリア》(初演)
ショスタコーヴィチ/ピアノ協奏曲第1番(Pf:シモン・トルプチェスキ)
同 /交響曲第4番
指揮:大野和士
1曲めは世界初演。武満徹追悼(亡くなって今年で10年だそうだ。もうそんなになるのか)のタイトルとおり、たいへんに繊細な、まさに晩年の「タケミツ・トーン」が聞こえてくる音楽だった。
ただ武満のように響きが宙へ舞い上がって行くというより、どこか一点へ収斂していくような感じがある。武満がドビュッシーだとしたら、こちらはラヴェルを思わせるような音。(超個人的、いい加減な印象です)
ピアノ協奏曲。音色はなかなか美しいピアニスト。ただ私はこの曲だったらもう少し遊びのある演奏のほうが好きだ。
最後ショスタコの4番。いやはや、これがまたとてつもない曲で…乱暴狼藉の限りを尽くすような1時間。
以前パーヴォ・ヤルヴィ(後記:失礼、アラン・ギルバートでした)指揮のN響で聴いたときとはなんだか別の曲のような印象があった。そういえばかの時だって、事前にCDで聴いたのとは全く違う曲に聞こえたし。正体のつかみ難いことこの上ない、不思議な曲だ。
演奏は充実の極み。ホルンやファゴット等、ソロが巧いのは勿論、管セクション全部でのフォルティシモでの叩き込み一発でも、全ての音を把握しているかのような見通しの良さ。さすがです。
新年一発めの浮かれた気分なんてものがもしあったなら、そんなものを完膚無きまでに吹っ飛ばすような、凄まじいと言ってもよいような演奏会だった。これだから大野和士が東京のオケに来るときは聴き逃せない。
しかしいくらなんでもちょっと疲れたなあ。時間も長かったし。もう少しホッとできる一瞬も欲しいところ、というのは贅沢か。
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