今年の「さよなら」…リード先生
イキナリ仕事にはまって、どうなることかと思ったけど、なんとか無事仕事納めを迎えました。職場で軽く乾杯(納会)。
ちょっと酔って、帰ってから横になってた。って、ビールをコップ半分位しか飲んでないんだけど(普段は一切飲みません)。
今年もたくさんの「別れ」があった。年々、年の終わりに振り返るに印象に残るのが「出会い」よりも「別れ」のほうが多くなってきて、歳取ったなあと思う。
9月の、アルフレッド・リード博士とのお別れ、そして5月、博士の指揮の下で吹いた最後の舞台は、その中でも最たるものでした。
8月には最後の来日をして少年少女たちのバンドを指揮していたのだが、その時にはもう自力でステージに出入りすることが出来なかった。
この時、マネージャーさんに「オレはもう今年一杯は持たないから、後のことを考えておけ」と言い渡していたという話を、亡くなられた後に聞いた。どこがお悪いのかは最後まで仰らなかったが、ご自分では覚悟されていたのだろうと思う。
年の瀬に聴くCDは、1981年、リード氏初来日の歳に録音されたアルバム(佼成出版社)。
第2組曲(初録音)、魔法の島、ミュージック・メーカーズ、ロシアンクリスマス、バラード、フェスティバル・プレリュード、アルメニアンダンスパート1、主よ人の望みの喜びよ(J.S.バッハ=リード編)。普門館でのセッション録音と、新宿文化センターでの東京佼成wo.定期演奏会のライブ録音から選ばれた8曲。
リード氏の夥しいCDの中で、どれか1枚、と言われたら、ためらいなくこれを挙げる。
(24年前の)佼成wo.の音が、若い。勢いがあり、テンポはsempre前向きで、音に鋭くエッジが立っている。今の佼成はこういう音しないもんなあ。勿論悪い意味ではなく、老獪に上手くなった、ってことなんだけど。
3月に録音され、6月には2枚組のLPレコードで発売。即買って聴いた私は当時、19歳の大学2年生だった。
この演奏を聴いていると、当時身の回りで起こっていたさまざまなことを思い出す。というか、当時の自分になってしまう。
以前のエントリでも書いたけれど、若き日の(録音当時28歳)下地啓二氏のソロで「アルトサクソフォンのためのバラード」が収録されているのも、かけがえなく貴重。
先日の小串さんのコンサートで久しぶりに聴いたけれど、思い出したのはやはり、この演奏、そしてこの時代のことだった。…
私が持っているのは、1986年、最初にCD化されて発売されたもので、LPレコードのジャケットそのままの縮小デザイン。
意味なく星が散らばっているのが、80年代って感じで(?)。
今出ているのは少し違う外見だと思う。
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