未知の才能
エスケシュ/二重の戯れ
フォーレ/バラードop.19
プーランク/即興曲集より第1、3、7、15番
同 /『ナポリ』より イタリア綺想曲
ロパルツ/夜想曲第1番
メシアン/『幼子イエズスにそそぐ20のまなざし』より
「ノエル」「預言者と羊飼いと東方三博士のまなざし」「聖母の最初の聖体拝領」「喜びの精霊のまなざし」
飯野明日香(いいの・あすか)。見るのも聴くのも初めてのピアニスト。
偶然告知を目にして、こういうプログラムでリサイタルをする若い(たぶん20代終わりか30代そこそこ)ピアニストってのは一体どんな人なんだろう、と俄然興味を持ったのだ。
まあ、こういう曲目を選んでくる時点で、そもそも只者ではない。音の立ち上がりのスピードの物凄く速い、クリスタルな硬質のタッチと技巧を駆使した、素晴らしい才能だった。鮮やかな音色を持った人なので、メシアンやプーランクの「イタリア綺想曲」のような、派手に明滅する色彩を持った曲がよく似合う。
楽しみにしていたロパルツも、なかなか良かった。北海沿岸の曇天に覆われた風景の中に、祭りのざわめきの幻想が聞こえてくる。幻影はやがて去って、辺りはもとの曇天。でも、さっきまでとは何かが違っている。そんなイメージ。くすんだ色の風景を描くからといって、最初からくすんだ色の絵の具を用意すればいいってもんでもない訳で。
アンコールにラヴェル「水の戯れ」。見事っ!!
この人の名前は、覚えておこうと思う。12/4には、オペラシティ内の近江楽堂でフォルテピアノのリサイタル(メインプロはベートーヴェンのワルトシュタインで、あとハイドンとフンメルの作品)を開くそうで、想像以上に多才な方のようだ。
練習日でなければそちらも聴いてみたかったが。
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