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2005年10月

2005.10.31

雲井&栃尾Duo

The Sax特別号なる雑誌がちょうど最近発売されたところで、早速買ってきた(アルソ出版)。

今号の目玉は、雲井雅人栃尾克樹両氏による付録のCD。
というかこの号自体、このCDを世に出すために編集された、という感じ。

the_sax
表紙写真より

「ディア・ハンター」よりカヴァティーナ、ロミオとジュリエット、ニュー・シネマ・パラダイス、Shall we dance…といった映画のナンバーばかり、両氏のソロで3曲ずつ、デュオ(+ピアノ)で3曲。
ピアノ伴奏による、凝りすぎないシンプルな編曲で(ちょっとシンプルすぎるところも無くはない)、正味30分程度ではあるが、カラオケトラックも付いている。

こうして並べて聴いてみると(栃尾さんのアルトをまともに聴くのは初めてかも)、雲井さんの音の不思議さが際立つ結果となったのが面白い。よく知っているメロディを吹いているだけになおさら、その音自体の特徴に注意が向けられるみたいだ。
この不思議さは、20年の昔、マルセル・ミュールの音を初めて聴いた時に感じたものに似ている。雲井さんの音がミュールに似ているという訳ではないのだが(ある意味似ているのかもしれないが)、どこからどういう回路と環境設定を経てこういう音色が湧き出て来るのか想像のつかない不思議さ、という点で、共通するものがあるように思う。

しかし、「ニュー・シネマ・パラダイス」を聴いてると、日本生命のTVCM(谷川俊太郎の詩もどきが流れるやつ)が反射的に思い浮かんでしまうのは、どうにも困ったもんだ。

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2005.10.30

秋の小本番その1

リサーチの本番で、毎年恒例の練馬区内の小学校体育館での小演奏会。

朝9時半から練習、午後本番。
実は朝、有楽町で地下鉄に乗り換えたのだが何も考えず逆方向に乗ってしまい、銀座1丁目、新富町と過ぎて月島でやっと気がついた(^^;。おいおい。降りるのが間に合わず更に次の豊洲から引き返す。20分くらい損をしてしまい、到着はぎりぎり。疲れてるなあ。
練習は初見の曲も結構あったりして、なにげにやばい。
隣席のS嬢、「スパイ大作戦」(ニューサウンズ版)の難しいA.Saxソロを頭抱えながらさらっている。ハタで聞いてるとクレストンのコンチェルトみたいな音の動きだ。

本番は、こんな感じ。(これは去年の同じ演奏会での写真)
それなりに盛り上がってくれて、良かった。

mini_concert

終演後は聴きに来ていた私のファン?の女の子(5歳、10/10のエントリ参照)が、私の名前を連呼しながら駆け寄ってきて飛びついて来るという、まあ、にやけちゃいます。
15年後くらいまでお待ちしております。(^^;

主催のPTAの方からおみやげのキャベツ(練馬は野菜の産地)をいただき、帰宅。

来週は隣の学区の小学校でもう一度同じ内容の演奏会。夕方は地元にとって返して大田区吹奏楽祭への出場という、本番ダブルヘッダーとなる。
この秋はアンサンブルコンテストに出ないので暇になるかと思っていたら、そうでもないようで。

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2005.10.28

下地啓二氏、健在なり!

下地啓二氏の新しいCD。
夏頃には発売になっていたようなのだが、やっと入手。

cd068

下地啓二/サクソフォンのために(赤坂工芸音研 AKL019)
 ガロワ=モンブラン/6つの音楽的エチュード
 デザンクロ/プレリュード、カデンツァとフィナーレ
 リュエフ/シャンソンとパスピエ、ソナタ
 ミヨー/スカラムーシュ

下地啓二。東京サクソフォンアンサンブルのリーダーとして、或いは東京佼成ウィンドオーケストラのコンサートマスターとして、80年代の日本クラシカル・サクソフォン界をキャトルロゾーの冨岡和男氏と二分する勢いと実力を誇った演奏家だった、という事実をリアルタイムで知っている人はもはや少数派になってしまったかもしれない。近年はコンサートの告知に名前を見ることもほとんどなく、なんだか「過去の人」、のようなイメージを持ってしまっていた矢先のことだった。
しかし、下地氏の一晩のリサイタルを思わせる2004年7月録音のこのCDは、その20年前の下地氏の勢いと輝きをそのまま解凍して眼前に見せてくれるかのような、ちょっと信じがたいものだ。
録音のせいもある。まるでコンサート会場の最前列で聴くような、等身大の音像と不気味なまでのリアルさ。

下地氏の真骨頂は、音楽の全体像を一瞬で把握して離さず表現し尽くすその常人離れした集中力と、私情を排した全き音楽への専心にあると思う。
下地氏のソロを聴いた後は、何か自分の精神や意識がすっきりと濾過されたような感じが残る。
知・情・意という分類で行けば、下地氏は揺るぎない「意」の演奏家だ。

80年代から90年代にかけて、何度か開かれた下地氏のリサイタルを聴いたあと、一緒に聴いた当時の仲間たちと飲みに行ったり飯食いに行ったりすると、必ず誰からともなく「オレはサックスやめた方がいいんじゃないか」、という話が出たものだった。
あんなふうに自分がサックスを吹くことは絶対不可能だから、今の感動を保ったまま次に自分が吹いたら必ず失望感に襲われる、それが厭だったら止めてしまうしかない、ということ。
結局、止めなかったけれど。(だから現在がある。)

そんなふうに思わせてくれたということ一点だけでも、私は下地氏に感謝している。
21世紀の今このCDを聴けば、音やヴィブラートが古くさいとか、細かい音符が吹き飛ばされ気味だとか言うことはできるかもしれないけれど、だからといってこれを忘れ去って平気でいられるほど私は恩知らずではない。

東京佼成wo.時代の下地氏は、1981年、初来日のアルフレッド・リードの指揮の下、リード作曲の『サクソフォンとバンドのためのバラード』を録音し、その素晴らしいソロによって大きな知名度を得た。
この時下地氏はまだ20代の若さだったはずだが、現在もCDで聴くことのできるその演奏から、20代の演奏家の「稚さ」を聞きとることはほとんど不可能だろう。
そんな貫祿と、時間を超越したような永遠の若さ(稚さ、という意味ではなく勢いがある、ということ)と存在感を備えた演奏家。
須川さんはかつて(10年以上前のことだが)、下地氏のことを「サックス界の人間国宝」、と呼んでいた。


ちょっと特殊な流通のCDなので、お店では手に入りにくいかも。
私はここで買った。

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2005.10.26

「エニグマ」再発見

tirasi551東京都交響楽団 第615回定期演奏会(サントリーホール)

ウォルトン/行進曲「宝玉と王の杖」
シベリウス/ヴァイオリン協奏曲(Vn:神尾真由子)
エルガー/エニグマ変奏曲
 指揮:小泉和裕

今季(2005年前半)最後の定期。
期待どおりの、なかなか良い演奏だった。ウォルトンがすっきりと(ある意味想定範囲内で)仕上がっていたのはともかく、聴く前は小泉さんのイメージとちょっと結びつきにくかった「エニグマ」が、たいへん模範的に鳴っていたのが印象的。イギリス人の演奏とは微妙に流儀が違うけれど、オーケストラのあるべきサウンドとしては実に見事なものだ。思わず楽譜を見直したくなるような新鮮な発見も多い。第7変奏のトロンボーンを完全にレガートで吹いていたり(スコアを見ると確かにスラーが書いてある)、第13変奏のティンパニのppのロールを素手で叩いて非常にいい雰囲気出してたり(スコアにはスネアドラムのスティックで叩く指示があるのだが、静かな部分なので打撃音が目立ちすぎて不自然に聞こえる場合が多いのだ)。
真由子ちゃんは8月のベルク以来か。とってもひたむきなソロで応援したくなるんだけど、まだ若いのにちょっと仕事させられ過ぎ、みたいなところもある。

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2005.10.25

ウォルトン

明日の都響定期で、ウィリアム・ウォルトンの『宝玉と王の杖』が演奏される。
英国の現女王エリザベス2世陛下の戴冠式(1953)のために書かれた行進曲で、有名な『王冠(クラウン・インペリアル)』の姉妹作である。ちなみにそちらは前国王ジョージ6世の戴冠式(1937)のための音楽。ウォルトンという人は、2代続けて国王のための祝祭行進曲を書いた、日本の團伊玖磨みたいな方なのですね。

何にせよ、プロオーケストラの定期公演で演奏されるのはたいへん珍しいので、楽しみ。
という訳で、予習。

cd067

ウォルトン/管弦楽曲集(スピットファイア、王冠、宝玉と王の杖、スカピーノ、ヨハネスバーグ祝祭序曲、リチャード3世、ほか)
 サー=チャールズ・グローヴズ指揮 ロイヤル・リヴァプール・フィル(EMI)

ウォルトンの主要な管弦楽曲がまとまった、便利なCD。これは10年以上前に買ったものだが、ジャケットデザインは替わったけれど今でも売っている(はず)。
なんか知らんむやみに元気の良い演奏で、さすがロイヤル・リヴァプール・フィル。とくに一人舞台のように目立ちまくる1番トランペット氏はちょっと笑ってしまう程だ。「ヨハネスバーグ祝祭序曲」の、フィリップ・スパークの先取りのようなカッコ良さも楽しめる。

英国でRoyalを名乗る法人や商品というのは、すべて王室からちゃんと許可を得ているのだそうだ。ということはこれこそ、英王室公認・御用達の演奏…か?

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2005.10.24

楽しき晩餐

昨夜の話だが、ウチのアンサンブルの某メンバーの家にお呼ばれして、豪華お食事会。
ご近所に住むやはりSax吹きの方も夫婦&子連れで現れて、総勢8+小1人で、盛り上がった。
とても家庭で出てくるようなメニューではないです。さすがプロの作る料理。
美味しゅうございました。

sashimi

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2005.10.22

桜坂を上って

11月6日に急遽、大田区吹奏楽祭という催しに出ることになって、参加団体の練習に出席。

練習場所は、東急多摩川線の沼部駅から桜坂を上っていった先だった。
実は沼部というところは、私が高校の3年間通った駅でした。もう25年以上も前の話だが。
桜坂通り(旧中原街道。環八の田園調布陸橋のところから分かれて多摩川の丸子の渡しへと至る、往時のメインストリート)には25年前の当時、今は廃止となったバスの路線が走っていて、桜橋のすぐ近くには高校入口というバス停もあったのだ。
沼部の駅は、駅中の踏切が無くなっていたり、また駅の周りも多少は変わったけれど(本屋が2軒あったはずだがどちらも無くなっていた。最近の高校生はよほど本を買わないのか)、駅からちょっと離れると閑静な住宅街が続く雰囲気は25年前と全然変わっておらず、楽器を担いでこの地を歩いていると、今がいったいいつの時代なのか一瞬分からなくなる。

練習自体は、メンバーの集まりもあまり良くなく、まったり~と進行。
この雰囲気も、それはそれで懐かしいといえばそうなんだけど。

なにげにあちこちで見知っている顔も多くて、毎度のことながら世間は狭いものです。

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2005.10.21

ボッセさんのハイドン

tirasi550東京都交響楽団 第614回定期演奏会(東京文化会館)
 指揮:ゲルハルト・ボッセ

楽しみにしていたボッセ翁のバッハ&ハイドンプロ。職場を出遅れて前半のバッハ(ブランデンブルグ6番と管弦楽組曲4番)は間に合わず、後半のハイドン(交響曲第1番&第92番『オックスフォード』)だけ聴けたが、いや、見事なものでありました。83歳だそうだが、ぜんぜん歳を感じさせない軽やかに引き締まった音楽の運びとアレグロ楽章の快活なテンポ。
「『クラシック音楽』とはこういうものだよ、キミたち!」とニコニコ顔で(決して謹厳実直でなく)言ってくれているような、そんな充実感があった。
オーケストラの編成は10型(10-8-6-4-2)。東京文化のような会場でハイドンをそれらしく鳴らそうとしたら、まあ、このくらいが妥当なのだろう。


さて、当ブログも開設して8ヶ月余、エントリのカテゴリー分類の中で、やはり「コンサート」という分類のものが突出して多いことがはっきりしてきたので、一番機会の多い都響のコンサートに関しては独立したカテゴリーを設定することにした。
サクソフォン関係のコンサートに関しては既に独立を果たしていたが。

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2005.10.20

エリック・コーツの新譜

今月買ったCDの中に、エリック・コーツ(Eric Coates、1886-1957)の管弦楽曲の新録音がある。

cd066

エリック・コーツ「ロンドン・アゲイン」
 ジョン・ウィルソン指揮 ロイヤル・リヴァプール・フィル(Avie)

私の周りには、イギリス音楽好きを自称する方は結構いるけれど、このコーツを始めとするイギリス伝統のライトミュージックまでも守備範囲をする人はそれほど多くない。私の周りばかりではないが。昔から不思議に思っているんだけど(ワタシも昔、コーツが好きだと言ったおかげで散々ヲタク呼ばわりされたもんだ)。
その作品の親しみやすさと質の高さからすれば、せめてルロイ・アンダーソンの半分くらいの人気はあったっておかしくないのに。
という訳で私としても、ブログ開設以前の本家サイトの日記の頃から、機会あるごとにネタにとり上げて布教活動をしている訳なのですが。

久しぶりのコーツのCD新譜は、チャールズ・グローヴズ以来のコーツ演奏の伝統を誇るロイヤル・リヴァプール・フィルの演奏。最も有名な『ロンドン組曲』は入っていないけれど、その続編『ロンドン・アゲイン』や、初耳の曲も含むゴキゲンな1時間。
初めて聴く『3人の男』組曲(The Three Men Suite)の2曲め'The man about town'には、ダンスホールの音楽のような雰囲気に乗ってテナーサクソフォンを吹きまくる音が聞こえてくる。演奏者はRob Bucklandというクレジットがあった(おお、アポロ・サクソフォンカルテットのアルト奏者だ)。
同3曲め'The man from the sea'には、珍しくもヴォーン=ウィリアムズみたいな民謡調もあって、「普通の」イギリス音楽好きの方にもウケるのでは。

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2005.10.18

シュトラウスのソプラノサックス協奏曲;

仕事を退けた後、銀座の山野楽器に寄って、ぶらあぼの最新号を取って帰る。
普段は8時閉店だが、火・水曜は8時半までやっているのだ。
ついでにCD売場を見て回ったら、こんなものが。

cd065

R.シュトラウス/オーボエ協奏曲(S.Sax版)
オット(David Ott)/サクソフォン協奏曲
グラズノフ/サクソフォン協奏曲
ラフマニノフ/ヴォカリーズ
 デブラ・リヒトマイヤー(Debra Richtmeyer):Sax
 カーク・トレヴァー(Kirk Trevor)指揮 スロヴァキア放送管(Albany)

先日R.シュトラウスのオーボエ協奏曲についてのエントリを書いた記憶があるが、なんとその同じ曲のソプラノサックス版。2003年の発売だったようだが、初めて見た。ソリストのDebra Richtmeyerという女性はイリノイ大学のサクソフォンの教授だそうで、セントルイス交響楽団とダラス交響楽団のサクソフォン奏者とのこと。どこかで聞いたような名前だと思い家のCD棚を探ってみたら、Light of Sothisというタイトルの現代曲ばかりのソロアルバムを持っていたが、あんまり印象がない。
さて、どんなもんでしょう…と恐る恐る聴いてみたら、これが案外と良かった。いかにもアメリカのサックス奏者らしく結構エモーショナルな演奏で、オーボエの原曲のようなすっきりと透明な感じにはならず、ちょいと俗っぽくて現実的な音楽になるけれど、これはこれで魅力的というか。やはり曲が良いというのは大きいな。
続いてこの人の十八番というDavid Ottの協奏曲と、グラズノフが収録されているのを聴いたが、結局シュトラウスの方が強く印象に残っている。

他にもいろいろ(サックス物に限らず)買ったのだが、それはまた後日ということで。

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2005.10.14

【聴いた】紀尾井シンフォニエッタ

tirasi549紀尾井シンフォニエッタ東京 第51回定期演奏会(紀尾井ホール)

ヴァスクス/弦楽のためのカンタービレ
シベリウス/劇音楽「クオレマ」より 悲しきワルツ、カンツォネッタ、鶴のいる風景
モーツァルト/2台のピアノのための協奏曲
ドビュッシー/神聖な舞曲と世俗的な舞曲
ハイドン/交響曲第104番「ロンドン」
 ハープ:マリー=ピエール・ラングラメ、吉野直子
 指揮:ユハ・カンガス

(ワタシ的には)久しぶりのコンサート。紀尾井シンフォニエッタを聴くのも何年ぶりだろう。1年や2年ではきかないような気がする。しかしさすが、巧いもんです。ホールの響きもあって、このぐらいの編成(弦が8-6-6-4-2)としては理想的な音がする。お客さんもずいぶん増えたようで、ほとんど満席の盛況。

指揮者はフィンランドの人だそうだ。大振りの棒で、剛毅な、しかし相当突っ込みの細かい練習をしそうな雰囲気。日本やアメリカの指揮者にはあまりいないタイプかも。
かなりに盛り沢山の曲目で、印象が分散してしまった感じもある。楽しみにしていたシベリウスが良かったのは勿論だが、ハープ2台で演奏されたモーツァルトの2台ピアノ協奏曲が、ギャラントの極み。さすがにピアノみたいな訳にはいかなくて時々モタつくけど、そこがまた良いんです。愛しの吉野直子様、しばらく見ないうちにちょっとオバサン入ってきた感じもあったが(^^;
休憩後のドビュッシーは、ラングラメ(ベルリンフィル首席ハーピスト)が1人で弾いた。現代的な、スポーティな演奏。
最後のハイドンは実に素晴らしかった。力強いサウンド、充実の極致。『ロンドン』の初演を聴いた当時の批評家が「世の作曲家は今後五十年間、ハイドンの模倣以上のことは出来ないだろう」と興奮気味に書いていたとのことだが、その気持ち判る、と思った。

なぜ、ハイドンはあんまり演奏されないのかな(ハイドンの交響曲がメインプロの演奏会なんて、私が聴いた中では記憶にないくらい久しぶり)。二千人のホールに百人のオーケストラ、という現代のコンサート・システムの中では身の置き場がないということなんだろうか。勿体ない話だ。

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2005.10.12

サックス用消音器

サクソフォン用の練習用ミュートがついに発売されるようです。
名付けて「e-Sax」。

四方八方から音の出るサックスのような楽器のミュートは原理的に不可能といってよく、今までもソフトケースに指穴の付いたようなプラクティス・ケースや、ネックやマウスピースの中に突っ込んで音を小さくするレゾナンスセーバーのようなものはあったけれど、とても「消音」などと呼べるほどの効果はなく、吹奏感や音程などの面でおよそ実用に足るものではなかった。

今般発売されるこれは、サイレントブラスの発明者・濱永晋二氏がその威信を賭けて6年を費やし開発したものだそうで、ちょっと期待出来るかも。

一般紙にも載った

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写真が届いた

演奏会当日の写真撮影を毎年お願いしているAPIの青山氏より、早くも今回の写真のCD-ROMが届いた。(ありがとうございます。)
例によって200枚以上あるので、ウェブサイト用だの配布用だのと選び出して加工したりするのがまた大変な作業なのだが、とりいそぎ2枚ばかりupしておきます(クリック拡大)。

051008_reh
リハーサル(十重奏)

051008_hon
本番

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2005.10.10

一夜明けて

今日(9日)は、リサーチの練習へ。
月末と11月頭に、毎年恒例の小学生相手のミニコンサートがあるもので、その練習。
「美中の美」だの「フラッシング・ウィンズ」だの「とっとこハム太郎」だの、半分寝ているような状態で吹いてました。

昨日、娘(5歳)と一緒に聴きに来てくれたリサーチの元団員の女性が、今日も娘を連れて練習に来ていたのだが、どうもこの娘さんも私のファンのようで、やたらとまとわり付かれました。
若い女性のファンが付くというのは、悪くない気分。
ただ、ちょっと若すぎるけど(^^;。

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2005.10.09

【終了】なめら~か5th

色々ありましたが、なんとか終わりました。
先程打ち上げから帰ってきて、早速ネットに繋げています。
演奏会というものは演奏だけで終わるのではなく、打ち上げから帰って帰還報告をブログにupするまでが演奏会ですので。(ん?)
ワタシ的には、リハーサルではちゃんと出たフラジオを本番で見事に外したり、なんでもない音に盛大な#を付けたり、「バッカナール」のカデンツァを作曲しちゃったり(^^;、細かいことはまあ、いろいろありましたが。

ご声援・ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。
以上、とりいそぎ。

曲目:
(A.リード追悼演奏)A.リード/サクソフォン四重奏のための5つのカメオより 4.アリア
G.ピエルネ/民謡風ロンドの主題による序奏と変奏
F.プーランク/ピアノ、オーボエとバスーンのためのトリオより 2、3
D.ミヨー(磯田健一郎編)/フランス組曲
J.A.コーディル/吹奏楽のための民話
高橋宏樹/小組曲「月森の詩」(サクソフォン八重奏版委嘱編曲・初演)
C.サン=サーンス(山下祐司編)/歌劇「サムソンとデリラ」より バッカナール
(アンコール)グリーンスリーヴズ幻想曲、サンダーバード

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2005.10.08

【告知】なめら~か5th

tirasi548(最新のエントリはひとつ下です)
いよいよ今週末になってしまいました。
皆様のお越しをお待ちしています。

サクソフォンアンサンブル・なめら~か 第5回定期演奏会
2005年10月8日(土)18:00~
横浜 みなとみらい小ホール(入場無料)
詳細はこちら

前半の私の出番は、冒頭のリード先生の「カメオ」、プーランクのトリオ、ミヨーのフランス組曲。
どれをとっても、この曲が吹けるとはなんと幸せであり光栄なことか、と思えるようなものばかり。
頑張るぞ~!
(2005/10/2 up)

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プーランクのトリオ

いよいよ明日ですね。
もう今日か。

プーランクの「ピアノ、オーボエとバスーンのためのトリオ」を聴いています。

cd064

ピエール・ピエルロ(Ob)、モーリス・アラール(Bn)の共演になる、世紀の名盤(Ades)。
他に、ランパルによるフルートソナタ、テヴェ(Hn)による「エレジー」、ベルナック(Bar)他による世俗カンタータ「仮面舞踏会」所収。ピアノは全て作曲者フランシス・プーランク。1957~59年録音。
これは1987年のCD初出時のデザイン。最近Accordのcollection musique francaiseというシリーズで再発売されたけれど、このジャケットのジョアン・ミロの絵はどっかに行ってしまった。

…この時代には、「神様」は世の中にまだおわしましたのですね、という、そういうCD。
神様といっても、神棚に祀られている近づき難い神様ではなく、いつもどんな時もどこかでにこやかに私たちのことを見守ってくれているような、そんな神様。

それにしてもこの曲、10代の終わりに初めて知って以来、愛して止まない曲だったけれど、まさか自分で演奏できる日が来ようとは。
長生き(?)はしてみるもんだ。
さ、頑張ろ。
 
 
 
…なにげに「フランス組曲」のほうがやばい(^^;;

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2005.10.07

シュトラウスのオーボエ協奏曲

昨日(5日)のタスマニア響、仕事トラブルに遭って、あっけなくパー。職場を出たのは午後10時を過ぎてました。(=_=)
チケット代が無駄になったという以上に、滅多に遭えるものではない(この先聴ける機会があるかどうかも判らない)異国の友人たちのメッセージを聴くことが出来なかったのが、本当に残念。…

という訳で、深夜にひとりR.シュトラウスのオーボエ協奏曲のCDを聴いてます。

cd063

R.シュトラウス、マルティヌー/オーボエ協奏曲、フランセ/花時計
 グレゴル・スビスキ(Ob) J.P.サラステ指揮スコットランド室内管(SIMAX)

Gregor Zubickyはノルウェーのベルゲン・フィルのオーボエ奏者だそうだ。あんまり知られてない演奏だと思うけれど、私のお気に入り。ソロも巧いし、バックのオーケストラが素晴らしくセンスの良い伴奏を付けている。
シュトラウスのオーボエ協奏曲は、ウチにはあと、ホリガーとデ・ランシーのCDがあるけれど(どちらも定番といっていい名盤だけど)、この曲を聴こうとするとどうしてもこちらに手が伸びてしまう。

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2005.10.05

エロイカ

明日、急に、タスマニア交響楽団(オーストラリア)日本公演というのを聴きに行くことになった。
オペラシティで開催されている、アジア・オーケストラ・ウィーク2005という催しの一環。
チケットが安く(といっても、定価でさえS席4000円なんだけど)回ってきたからなのだが、なにより、私の大好きなR.シュトラウスのオーボエ協奏曲がプログラムにあったので、食指が動いたのだ。

という訳で、明日のメインプロ、ベートーヴェンの「英雄」のCDをCD棚から取り出す。

cd062

われらがジャン・フルネと都響による、2000年5月のライブ(Fontec)。
多分、明日のとは演奏の流儀は全然違うだろうけれど。

「英雄」は実はフルネの「勝負曲」のひとつで、私自身、重要な節々で何度か素晴らしい演奏を聴いている。
この時もそう。最初は普通に、何ということなく始まったのだが、だんだんただごとならぬ雰囲気になってくる。フィナーレの美しさと格調高さは、実演の記憶には及ばないけれど。
この時弾いていたある都響の楽員さんが、「音楽の神様が舞い降りた」と言った、得難い一夜の記録。
フライングブラボーも盛大に収録されちゃっているのが、ちょいと興醒めだが(^^;。

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2005.10.04

Saxophone新譜2題

ここ最近、クラシカル・サクソフォンの注目すべき新譜CDが、立て続けに発売されている。
とりあえず以下に2点、ご紹介。

雲井雅人サックス四重奏団/チェンバー・シンフォニー(Cafua)

cd060

先日の演奏会場で買って、終演後にサインを頂いてきたCD。
タイトルとなっているスティラー「チェンバー・シンフォニー」は、たしか前々回のリサイタルで初めて聴いて、あまりの物凄さに唖然とした曲なのだが、こうしてCDにパッケージされてみると少々常識的に聞こえなくもない。それでも、大変な曲だということはよく分かる(終楽章の、演奏時間8分に及ぶまさに火砕流のような怒濤のプレスト!)。
逆に、生で聴いた時には「やっぱり難しいな~」と思ったモーツァルト(教会ソナタ)が、CDだと理想的なバランスとイントネーションで聞こえてくるのだから、録音というのは面白い。こういう演奏を聴くと、オレもモーツァルトを一度「ちゃんと」やってみたいな、と思えてくる。(実はK136のディヴェルティメントのSax四重奏譜を入手済なのだが、演奏機会、メンバーの両方が確定せず出来ずにいる)
ケックレーの作品は、楽しい曲だ。時々アルフレッド・リードみたいな和声が聞こえてくるのが、なんだか嬉しくなってしまう。


栃尾克樹/アルペジョーネ・ソナタ(マイスター・ミュージック)

cd061

待望久しい、東京佼成ウィンドオーケストラ・バリトンサックス奏者、栃尾克樹氏の、バリトンサックスによるソロアルバム。
掛け値なしに素晴らしいアルバムだ。バリトンサックスの音というのは(特に高音域で)独特のテンションがあって、世のソロバリトン吹きの皆さんはその音色をうまくあれこれと使って勝負する方が多いのだけれど、栃尾さんはそれよりも、音と音とがなめらかに繋がった統一のとれたソノリテ、という王道で音楽に挑んでいる。結果、少々地味に聞こえなくもないが、いつまで聴いていても全く飽きることがない、満ち足りた時間が流れていく。シューベルトやシューマンなどという、(現代人にとってはある意味)浮世離れした世界というのは、そうでなくては今更存在価値はない。
思い出してみたら、一昨年秋に聴いた(ほぼこのCD所収の曲目による)栃尾さんのソロリサイタルというのは、その年に聴いた80数回のコンサートの中でも、1、2を争う素晴らしさだった。

野平さんのピアノ(「伴奏」、という言い方は絶対にするな、と、今夏の講習会で斎藤先生に諭されたことを思い出した)も、まさに驚嘆に値する。今日の日本で考え得る、およそ最も「完璧な音楽家」だろうと思う。

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2005.10.03

雲カル(9/29)の記憶

tirasi547雲井雅人サックス四重奏団 第5回定期演奏会(2005/9/29 津田ホール)

リチャード・ロドニー・ベネット/サクソフォン四重奏曲
西澤健一/サクソフォン四重奏曲(委嘱初演)
ペドロ・イトゥラルデ/ギリシャ風組曲
エルッキ=スヴェン・トゥール/哀歌(日本初演)
J.S.バッハ(伊藤康英編)/シャコンヌ

終わってみれば、忙中自ずから閑あり、という言葉を地で行ったような1日だった。久々のコンサートを堪能した。
490席の津田ホールがほぼ全く空席のない大入り。久しぶりに逢うような方々も、たくさん。サイトを見ていて声をかけて下さった方も。(ありがとうございました。)
雲井氏のマネージャーのK子さん(匿名になってねェぞ)にご挨拶したら、「是非ご紹介したい方がいます」と、雑誌「The Sax」の編集の方と引き合わされたり。

演奏自体は、曲目の表面的な馴染みのなさとは全く異なり、オーソドックスの極みだったような。
中でも、トゥール作品での、夢の中の時間のような浮遊した感覚が印象的だった。いわゆる「現代奏法」を使った曲のほとんどは、実のところ「珍奇な音のカタログ」に過ぎない場合がほとんどなのだが(気がついていないのは作曲者ばかり、なのだが)、この曲は全然違った。たまに聞こえる普通にメロディックな音が、逆に非現実的なものとして聞こえてくるほどの徹底ぶりには、参った。
伊藤康英氏編曲の「シャコンヌ」は、物凄い仕事だと思った。メンデルスゾーンの例えば「スコットランド」を聴いていると、遠いバッハのエコーが聴こえるけれど(ご存じの通り、メンデルスゾーンは19世紀におけるバッハ復興の最大の功労者である)、そういう次元に近いバッハとの一体化、に思える。
サックスでバッハ、というのは誰でも考えるし実際演奏されるけれど(私も数限りなく吹いてるけれど)、こういうのは聴いたことがない。

アンコールにミュール編曲の「アンダンテ・カンタービレ」(チャイコフスキー)、ヴィヴァルディ「まことの安らぎはこの世にはなく」、そしてお約束「ソールズベリー伯爵のパヴァーヌ」(ウィリアム・バード)。

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