「はげ山」原典版、に唖然
R.シュトラウス/家庭交響曲
ムソルグスキー/はげ山の一夜(原典版)
小泉和裕指揮 東京都交響楽団(Fontec)
フォンテックから都響40周年記念シリーズというライブCDのシリーズが出たのだが、7月に発売された4枚(全11枚発売予定)の中の1枚は、小泉さんの指揮でリヒャルトの「家庭交響曲」。今年1月の第600回定期公演のライブ、ということは私も聴きに行ったこれのことだ。とめちゃん氏のバスサックスが出演していたアレです。
サックス群に彦坂さんとか大森さんとか、錚々たる顔ぶれが出演していた記憶がある。バスは波多江さんだった。
とは言っても、この曲のサクソフォンパートはほとんど「音量増幅器」としての役割なので、CDを耳をすまして聴いてもサックスの音は全く聞こえない。
演奏自体は小泉さんと都響の実力がよく表れていると思う。
むしろ聞きものは余白の「はげ山の一夜」原典版か(普通演奏されるのはリムスキー=コルサコフ改訂版)。
ぜーんぜん違う。最初の数分はそれでも少しは似てるけど、あとはちょっとだけ同じ素材を使った全く別の曲としか思えない。良く言えば野性的、悪く言えば支離滅裂な音楽。最後の夜明けの場面も無く、支離滅裂なまんま終わっちゃう。なんじゃこりゃあ。今まで親しんできたこの曲はいったい何だったんだリムスキーコルサコフ。
これは面白い。ご存じない方は是非ご一聴を。
ラドミロー/ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、クラリネットソナタ(Skarbo)
ドガレイユ(Vn)、シフォロー(Vc)、ランスロ(Cl)
先日の静岡で見つけた、ラドミロー(1877-1944)のソナタ集のCD。ポール・ラドミロー協会の会員でもある中原朋哉氏に送ってもらったもの。
なんといってもジャック・ランスロのクラリネットというのがポイント高いです。1980年録音とのことなのでそれほど新しい録音ではないのだが。ドガレイユも何度も生で聴いている実力派のヴァイオリニストだし。
グレインジャーとヴォーン=ウィリアムズの影響を受けたドビュッシー、みたいなこの作曲家のキャラクターが、管弦楽曲とかより一層よく聞きとれると思う。
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