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2005.08.26

「アルルの女」を聴く~プラッソン(オリジナル版)

連載は、忘れた頃にupされる。(^^;

cd053

ビゼー/劇音楽「アルルの女」op.23
 ミシェル・プラッソン指揮 トゥールーズ・カピトル管弦楽団

ビゼーが、ドーデーの戯曲「アルルの女」の上演のために、劇場の小オーケストラ(&合唱)のために書いたオリジナルの劇音楽ヴァージョンの、世界初CD(初録音ではなかったらしい)。
昨日のエントリに書いたジュリーニの「新世界より」と同じく、この8月24日に東芝EMIよりめでたく再発売された。
私が持っているのは、1989年の夏に発売された国内初出時の盤だが(上の画像)、嬉しいことに今回の発売も基本的に同じジャケットデザインです(EMIのロゴマークが違う)。

「アルルの女」の劇音楽版といえば、最近ホグウッド指揮バーゼル室内管によるCDが発売されているが(Arte Nova)、実は私はこちらのプラッソン盤のほうがずっと好きだ。ホグウッド盤ほど時代考証的には厳格ではないものの(ピアノが鳴るはずの箇所でハープの音が聞こえてくるし、サックスは初演当時まだ無かったはずのヴィブラートをがんがん使っているし、弦の人数も指定よりも多そうに聞こえる)、トゥールーズのオーケストラの魅力的な音色、畑で穫れたばかりの野菜のような、まさに南フランスの田園劇そのものの素朴で鄙びた瑞々しい響きに魅了される。このCDが再び手軽に入手できるようになったことは、たいへん喜ばしい。
それぞれの曲は非常に断片的な素材ながら(この素材からあの均整のとれた組曲を作り出したビゼーとギローの才能は、ある意味すごい)、響きそのものの魅力で聞かせてしまう。組曲版で聴き慣れたメロディが、組曲版と全然違う楽器やオーケストレーション、あるいは合唱(!)の響きで明滅するこの新鮮な音世界を、ご存じない方はぜひご堪能あれ。

ビゼーはこの、26人編成の劇場のオーケストラの中に、当時発明されて20年ちょっとしか経っていなかったサクソフォンという新しい楽器を用いた。「なんでそんな楽器を使うんだ」という、オーケストラの現場からの抵抗や軋轢もあったという話も聞くところだが、それでもこのようなスコアを残してくれたビゼーという作曲家に、私たちサックス吹きは感謝しなければならないだろう。
このスコア(現在普通に見ることができるのは、通常のオケ編成に拡大された組曲版のスコアだが)に於いてビゼーが、クラシックのオーケストラの中でサクソフォンという楽器を使う場合の基本的な用法というものを、既に確立しているということには、驚くほかない。
クラシックのサックス吹きを自認する者ならば、「アルルの女」のスコアは常に座右に置いて研究すべし、と考える。

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コメント

ちょいと、昔のエントリを掘り起こして、補足です。

このCDですが、最近、海外(EMI Classics)でも355671 2 0という番号で再発売されたのですが、そちらの盤にはサクソフォン奏者として Jacques Noureddine という名前が明記されておりました。
調べてみたところ、パリ音楽院のミュールのクラスを1956年に(F.ヘムケと同期)一等賞で修了した方のようです。

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