最も大切なこと
昨日の続き、というか、ヘムケ繋がりのお話。
フレデリック・ヘムケは、日本管打楽器コンクール・サクソフォン部門の審査員として、1987年の秋にも来日している。
(その時のコンクールの第1位は、当時国立音楽大学4年生だった田中靖人氏である)
来日に際して、水道橋の(今は壊されてマンションになってしまった)尚美学園アビラックセンターで開かれた、公開マスタークラスを聴きに行った。
田中氏や若き日の彦坂眞一郎氏を含む5人の受講生を立て続けにレッスンしたあとの(通訳は今は亡き大室勇一先生だった)、最後の締めの言葉を、今でも覚えている。
「…最も大切なことは、指が速く動くとか音符をたくさん吹けるとかそういうことではなく、自分が誰であるのかがわかるような演奏をするということです」
ヘムケがこの日、何の曲について誰に何を言ったか、なんて、もはやすっかり忘れてしまったけれど、この言葉だけは、「解釈」抜きに記憶の中にすっと入り込んでいった。
その後、今に至るまで、折々にふとこの言葉が浮かび上がってくることがある。そのときどき、ところどころの思いや考えとともに。
あれから18年も経ってしまった。
…この話は、3年ほど前、とある掲示板に書き込んで、そこの常連さん達の間に静かな反響を呼んだことがあった。
その掲示板は今はもう閉鎖されて見ることができないので、改めてここに記しておこうと思う。
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