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2005.04.23

saxophone吹きとして

私の本家サイトThunder's Webは一応、サクソフォンに関するサイト、ということになっているらしくて、実際Googleのトップページの「ディレクトリ」というリンクから、アート→音楽→楽器→管楽器→サクソフォン、と辿って行くと、たいへん上位にランクインしていることが判る(私自身も最近知って、驚いた)。
Googleのディレクトリはヤフーみたいに自分で登録する訳ではなく、ランキングもリンク状況やアクセス数から客観的に判断されているはずで、なかなか光栄なことではある。
とはいえ、私としては、特にサクソフォンにこだわっているというよりは、好きなクラシック音楽のことを思いっきり書きたいというだけのことで、たまたま自分が唯一演奏できる楽器であるサクソフォンを切り口にしている、ということなんだけど。
実際、このBlogにしても、純粋なサックスネタは意外と書いてないような気もする。

…などということを日頃考えていたら、パイパーズの最新号に、中川良平氏(バスーン奏者、元サンフランシスコ交響楽団首席奏者、前愛知県立芸大教授、私の最も尊敬する管楽器プレイヤーのひとり)がこんなことを書いているのを見つけた。
「…現代ミュージシャンの世界では、『I play saxophone,』とあなたが言ったときは、同時に『私はフルート、クラリネットも吹きます』と言っていることになります。それが常識です。」

…おお、薄々そう感じてはいたが、やっぱり「常識」なのですね、それって。

こんなことを思い出した。その昔、まだパソコン通信というものが世の中に流行っていた頃、ニフティサーブのサックス会議室に集まっている仲間のオフ会で、クラシック系サックス吹き十数人が(勿論楽器持参で)元ミュージシャン(ギタリスト)のオーナーの方の経営する白馬村のペンションに泊まったことがあった。
で、夜はそのオーナーさんも自分のギターを取り出して、大セッション大会となった訳ですが。
そのオーナーさんとしては、サックスをあれだけ吹けるんだったら(昼間には私たちのカルテットの練習も聞いておられた)、勿論アドリブだって当り前に出来るだろう、と考えたのか、コードネームだけ書かれた譜面が当然のごとく回ってきたという。
ジャズ屋さんとしては、クラシックしかやらないサックス吹き、なんていうのは想像を絶するものだったようで。
正直、焦った。私も含め、アドリブが出来る人間なんてほとんどその場にはいなかったから。
たまたまひとりだけ、ビッグバンドを掛け持ちでやっていてアドリブも出来る女の子がいたので、そのセッションでは彼女が一身にスポットを浴びる結果となったんだけど。…

ということで、サックス「しか」吹けない、しかも守備範囲はクラシックだけでアドリブも出来ない、という私のような人種は、ミュージシャンの世界ではきわめて少数派、というか、「カタワ」(差別用語?)に近いものらしい。
うーむ。
まあ、今更どうしようもない。これからアドリブを勉強したって、フルートやクラリネットをさらったって、人様に聴かせられるレベルに行けるとも思わないし。そんな暇があったら、他にやりたいこと、やらなきゃいけないことは山のようにある。
せめて、サックスという「楽器」に囚われ過ぎない姿勢は持ち続けたい、と思ってはいるんですがねえ。

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サクソフォン」カテゴリの記事

コメント

まず私信。確かに受け取りました。多謝、深謝!!私信ここまで。

中川氏の言葉には、まさに Saxophone という楽器の
特殊性が表現されていますね。
これが、たとえば I play Clarinet だったら、
同等の意味を成さないですよね。

確かにアメリカでは、かのルソー氏も言うように、
サクソフォンと同時に他の管楽器もプレイできることを
推奨される傾向はあると思います。
しかし、将来を見据えたとき、中川氏の指す「常識」が
少しづつ崩れていくのではないかと期待していますが
どうなるでしょうか。。

、、、まあ、アドリブは、必須となってくることは間違いないと思いますが。。

フルートが吹けてアドリブも出来るmckenさんのことは率直にうらやましく思います。

ただ、いわゆるアドリブというのはあくまでも、Jazz(またはその近縁)という限定されたジャンルとスタイルの中での、決まったコード進行の範囲における即興演奏でしかない訳で(負け惜しみ?)、私たちアマチュアのクラシック演奏家にこの先求められるものは、もっと広い意味での即興的な感応能力であろうとは思っていますが。

子供の頃のヤマハJOCでは、人前でさんざん、即興演奏やってた私ですが…ジャズはまた、使う音が全然違いますねん(笑)
でも、クラシックとジャズという決まりごとの中の即興、という意味では全く同じだった、おっしゃるとおり、という気がしてます。…だから、アドリブできないくせに~!(笑)
「~でなければならない」と自分に向かって言うのはいいけど、人に言うのはおせっかい(偏見とも言う)だと私は思うので、…ほっといていいと思います。人は皆、自由ですから。好きで、音楽やってるんですから。
…アドリブでもなんでも、できれば楽しそうですけどね。…悔しいっ!(笑)

むかーし某歌手のコンサートに行った時、サックスの人はフルートも担当してました。
この前、ビッグバンド見に行ったら、サックスの人はフルート持ち替えの人やクラリネット持ち替えの人がいました。
高校からサックスを始めた私は、実は小学校5年から中2までクラリネット吹いてました。
去年、久しぶりにクラリネットを吹く機会がありましたが…
指使いはともかく、音が…。
どのサックス吹いても「ズマのサックス音」がするけど、クラリネットも「ズマのサックスの音」に聞こえる、と仲間に笑われました。
これでは「クラリネットも吹けます」とは言えませんね(笑)

>ひよこの様
そう、なんだかんだ言っても、出来ないよりは出来たほうが楽しいに決まってるんですけど。
私は今、Jazzのアドリブより、平野公崇さんがやっているような純粋即興のほうに興味があります。あれは「クラシックを演奏する自分」にもかなり影響を及ぼすような気がします。

>ズマさま
ビッグバンドのSaxの方々はそれこそ当り前に持替えをしますけど、実は私、M貞K二先生やH坂S一郎先生が持替えでクラを吹いてる(勿論本番で)場面を目撃したことがあります。ちょっと想像つかないでしょ?
「何を吹いてもサックスに聞こえる」というのは、よくあることのようですね。

すみません、誤解を生むような表現でしたが、
アドリブと表記したのは必ずしもジャズが
念頭にあったわけではなく、日本語で言うところの
(広義の)即興という意味で使いました。ですので、
Thunderさんの書かれていることと大きく差はないと思います。

当初のBlogの内容に戻りますが、中川氏の発言をかえせば、
(アメリカでは)クラシカル・サックスだけで食っていけるほどは
仕事がない、意味なんでしょうね。

アマチュアの場合、多くの楽器をこなすよりは
むしろ Thundrさん のようにひとつの楽器を
掘り下げることのほうがより本質に迫ることが
できるのでは、と私は思ってます。

私もアドリブもどきを吹く機会はありますが
本格的なジャズのアドリブは、モードやらスタイルやら
約束事が多くて、まったく理解・実践できません。。

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