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2005.04.21

東京混声合唱団第200回定期

tirasi525東混を聴いてきました(東京文化会館小ホール)。
ワタシゃ合唱に関してはほとんど門外漢だし、この東混にしても、オーケストラのコンサートのゲストで出演している以外で聴いたことはなかったけれど、今回の曲目にはビビビと来るものがあって、時間があれば是非聴きたいと思っていたのだ。

「フランス合唱音楽の系譜」
●ルネサンスのシャンソン
G.コストレ/いとしいひとよ、見にゆこう
P.パスロー/うちの亭主はお人好し
C.ジャヌカン/鳥の歌
P.セルトン/ラララ、それは言えない
●バロックの宗教音楽
G.ブジニャック/アヴェ・マリア
A.カンプラ/ミサ曲「大いなる神の栄光に」
●近代から現代へ
G.フォーレ/ジャン・ラシーヌの讃歌op.11*
C.ドビュッシー/シャルル・ドルレアンによる3つのシャンソン
C.サン=サーンス/夜の静けさop.68-1
D.ミヨー/平和へのカンタータop.166
L.ブーランジェ/野の夕べ*
I.クセナキス/誓い[オルコス]
 指揮:ドゥニ・デュペイ ピアノ:斎木ユリ*

見てのとおり、400年以上の時代をカバーする、フランス合唱音楽の歴史を辿る見事なプログラム。
指揮者は、トゥールーズ・キャピトル劇場合唱指揮者、ラジオ・フランス合唱団音楽監督などを歴任した仏合唱界の重鎮、とのこと。
実際、たいへんに感銘を受けた演奏会となった。32人編成の鍛えられた人声による、これぞプロ!という演奏を堪能した。

400年以上の時代を隔てた音楽ながら、こうして並べて聴くと、結果的に立ち現れる響きにはどれも、何か同質性が感じられるのだった。(今日のプログラムには無かったが)私の好きなプーランクの無伴奏合唱曲なんて、クレマン・ジャヌカンのシャンソンのまさに隣にいる、という印象。最大で16声部に分かれ、グリッサンド、トレモロ、無声音など現代的な技法を駆使したクセナキス作品も、表面の難解さをかいくぐって響きの根幹に近づいて行くと、そんな感じがするような。

フォーレの「ラシーヌ讃歌」、懐かしいな。高校2年生の時に買ったフォーレの「レクイエム」のレコード(フレモー/モンテカルロ)の、余白に入っていた曲だ。「フランス音楽の響き」というものの典型というか、エッセンスとして自分の中に刷り込まれた音楽。(このことについては、いつか時間のあるときに書いてみたい。)
最大の聴き物は、フォーレのメロディでお馴染みのアルベール・サマンの詩による、リリー・ブーランジェの「野の夕べ」Soir sur la plaineだった。圧倒的にユニークな才能によって描かれた、真実の美の世界。作曲者19歳の時の作品だそうだが、同年代の頃のドビュッシーなんか問題にならないほどの物凄い美しさ、大変な才能だと思った。
もしこの人が24歳で夭折せずに長生きしたら、いったいどういうことになっただろうか、と考えてしまった。

650席の会場に、客入りは8割ほど。終演後は、非常に熱く熱心な拍手がいつまでも送られた。聴いてよかった。

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コメント

Thunderさん、こんにちは! 御無沙汰いたしております。
ブーランジェ作品の実演を聴かれたとのこと、羨ましく存じます。
また、彼女の音楽を高く評価してくださり、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

お久しぶりです。
斉諧生さんのサイトのリリー・ブーランジェ情報は、以前からたいへん参考にさせていただいております。
最近あまり聴いていなかったところでしたが、この機会にまた気分を新たに聴き直してみようかな、という気分になっています。
ありがとうございました。

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