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2005.03.25

ベルティーニとフランス音楽

亡くなられて以来、あちこちのBlogやサイトでベルティーニのことが話題になっていたが(そろそろ落ち着いてきたが)、それらのほぼ全てが、ベルティーニのマーラー指揮者としての面しかとり上げていないように見える。

ベルティーニという人は勿論、現役指揮者の中では最高の「マーラー指揮者」のひとりであったことは間違いないところだが、彼はまた、若き日にパリでメシアンやナディア・ブーランジェにも学んでおり、現存するフランス圏以外の指揮者の中では最も近代フランス物に造詣の深い人物だと常々思っていた。
実際、ケルン放送響との1993年の来日公演で聴いたドビュッシーの『海』(マーラー5番の前プロ)は、私がかつて聴いたこの曲の実演の中でも最も鮮烈なものだったし、都響との演奏でも、2001年のメシアン『キリストの昇天』、記憶に新しいところでは昨年5月、最後の出演となった都響定期でのドビュッシー『イベリア』が素晴らしい出来だった。
都響とは1999年にオール・ドビュッシー・プロの演奏会を開いているが、『海』ではケルンとの演奏には及ばなかったものの、交響組曲『春』や『選ばれた乙女』といった若い頃の作品にたいへん感心した記憶がある。ドビュッシーの初期作品に特有の、炸裂するような色彩感を見事に表出していたように思う。

ベルティーニという人は基本的に、レパートリーはそんなに広くなかったと思われる。
私も、都響のある楽員さんと個人的に話した際、その楽員さんがベルティーニの欠点として「得意な曲目(例えばマーラー)とそうでない曲目の差が大きいこと」を挙げておられたのを聞いた。
都響では、フランス物といえばどうしてもフルネの陰に隠れてしまいがちだし、他のオーケストラでわざわざベルティーニにフランス物を演奏させようと考えるところもあまり無さそうなので、せっかくの得意分野を聴く機会が少ないまま終わってしまったのは残念ではあった。

CDで聴くことのできる、数少ないベルティーニのフランス物の代表的な録音が、これ。

cd022

ドビュッシー/カンタータ『放蕩息子』、『選ばれた乙女』
ガリー・ベルティーニ指揮 シュトゥットガルト放送響(Orfeo)1981年録音

ドイツのオーケストラだが、音色的な違和感はほとんどない。この頃のシュトゥットガルト放送響は、長いことチェリビダッケの薫陶を受けていたところで、こういう繊細な表現を得意としていたに違いない。
ローマ大賞第一席を受賞したドビュッシーの実質的なデビュー作『放蕩息子』は、これが唯一のステレオ全曲録音である。ノーマン、カレーラス、フィッシャー=ディースカウ(!)という豪華ソリスト陣も聴き物。
『選ばれた乙女』のソロはイレアナ・コトルバス。乙女のモノローグが終わって合唱が入ってくる部分、急にテンポを速めて追い込んでゆく独自の解釈がある。なんだかベルティーニの姿が目の前に見えるような気がした。あの鋭角的でアクションの速い(マーラーのような場面の急展開にはたいへん効果的な)、独特の指揮姿。…

音楽って不思議だな。もうこの世にはいない人でも、「それ」を聴いている時には確かに「生きている」んだから。

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