フルネ降板~都響定期
> 1月26日当楽団第601回定期演奏会(サントリーホール)に出演を予定しておりました指揮者ジャン・フルネは、過労による高血圧のため、25日夕刻、医師より安静を要するとの診断を受け、出演が不可能となりました。
エ~ッ、という訳で、本日の都響定期、指揮者無しとなった。
とりあえずある程度練習は出来ていたので、ここでヘンな代役を立てるより、フルネさんの音楽を大事にして自力で臨もう、ということらしい。
曲目は『フェードル』序曲が取りやめとなり、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番(Pf伊藤恵)、デュカス/交響曲、の2曲。
で、感想なんだけど…
私とて楽器吹きの端くれ、指揮者なしの演奏が(特にデュカスほどの大きな、しかもあまり演奏したことのない曲の場合)どれほどの困難を伴うか、少しは分かっているつもりだ。
しかし、今夜は、「完璧」だった。
それ以上にしかも、聞こえてくるのは1から10まで、フルネの音楽だった。滞る寸前の微妙なテンポで澱みなく流れていくところといい、楽器の数が重なる毎に逆に透明感を増すかのような音色の作りといい、ちょっとした繋ぎのワンフレーズに至るまで、月並みな言い方だがまさに「フルネが乗り移った」かのように流れる。
すごい。これこそプロの技だ。
こういうことを可能とするのが、プロというものなのだ。ショックに近い感動。脱帽です。
ステージの中心には、主のいない指揮台。
終演後のオーケストラには、いつにない熱い拍手が贈られた。
このデュカスの『交響曲』、私の大好きな曲で、書きたいことは多い。
でも、今日のところはとりあえずいいか、って感じ。(なんだかもう細かいことはどうでもいい)
とりあえずフルネさん、早く回復して欲しいです。
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